秋に思う
秋が深まると、家事をしながらふと感じることが増える。朝晩の冷え込みがじわじわと身体にしみ、厚手のセーターやブランケットが手放せなくなるこの季節。子どもたちの学校行事も増え、運動会や文化祭の準備で忙しい毎日が続く。料理も夏と比べて、温かいものを中心に献立を考えるようになる。煮込み料理やおでん、シチューなど、家族が食卓を囲む時間がより楽しみになる。
スーパーでは秋の味覚が並び始め、栗やさつまいも、きのこ類が豊富に出回る。食材を手に取りながら、どんな料理を作ろうかと自然に考えが浮かぶのは主婦の特権かもしれない。子どもたちの好きな焼き芋を家で作ってみたり、栗ご飯やきのこのパスタで季節を味わう楽しさは、秋ならでは。
また、秋は家の中での過ごし方も変わってくる。涼しくなったことで、掃除や片付けを少しずつ進めたくなる時期だ。夏の間は暑くて後回しにしていた窓掃除やカーテンの洗濯、押入れの整理など、少しずつ手をつけて家の中を整えていく。このタイミングで衣替えも忘れずに。冬に向けて暖かい服を準備しておけば、いざ寒くなった時に焦らずに済む。
秋は、日が短くなり夕方の風景がどこか物寂しい。夕飯の準備をしながら、外を見るとオレンジ色に染まる空が広がり、少しずつ日が落ちていく。この時間帯は、家族が集まる少し前の静けさが心地良い。子どもたちが帰ってきて、家の中が賑やかになる瞬間も、毎日の小さな幸せだ。
そんな秋の一日を過ごしながら、主婦としての忙しさと楽しさを実感する。家族のために季節を感じる食卓を準備し、家を整えながら少しずつ冬に備える日々。秋は何かとやることが多いけれど、その忙しさの中に、家族との時間を大切にする心のゆとりがある。
主婦として、毎日の家事や生活を通して季節を感じられることは、何よりも贅沢なことかもしれない。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?