一時帰国をして日本の安さと丁寧さにびっくりしている
一時帰国をしてきて10日ほど経った。私たちは東京と広島を旅して、いまはまた次の目的地へ向かうべく新幹線に乗っている。
ドイツに住んで1年の節目で、一時帰国をしようとずっと思っていた。希望通りに次のビザが取れたので、予定通りに一時帰国をしている。予定と違うことがあるとしたら、ドイツ滞在中にできた恋人と帰ってきていることである。
私たちはふだんベルリンに住んでいるのだけど、ベルリンはちょっとしたものが高いし、たとえばスーパーのレジ打ちの方は座って仕事をする。過剰なサービスはどこに行ってもなくて、ケバブを売ってくれるトルコの方たちが一番フレンドリーという感じ。
そういう環境に慣れてから帰ってきたので、日本はほんとうに安くて丁寧だなと思う。安いことも丁寧なこともありがたいけど、それで心がすり減るくらいなら、もっと高くて適当でいいよと思っている。
ドイツの物価高は、自然な理由だけではなくて、ロシアの戦争とかが影響していることは知っている。それでは、日本の安さが普通なのかといえば、日本だけが賃金の上昇から取り残されていることも、もう皆が知っていることだと思う。
そんなわけで、日本の物価が安いのはありがたいけれど、こんなにも丁寧なサービスをくれる方たちに、ただしく対価が支払われているのだろうかと胸がきゅっとなる。
同じものがドイツで売られていたら、倍から10倍くらいしそうなものがあるよねと、恋人とよく話す。物価が高いことは嬉しいことではないけれど、それで正しく対価が支払われるのならそうしたい。心だけすり減らして生きてほしくない。
先日、テレビでこんなニュースを見た。物価が上がっている昨今だけれど、あえて値下げをする企業があると。
私は驚きよりも怖さを感じている。「企業努力で安くします」ということだそうだけれど、でもその企業努力の裏には、苦しんでいる従業員や商品を卸す会社がいないだろうかと。
安いことは、ありがたい。だって、浮いたお金でほかの物を手に入れられるから。
でも、それで私たち日本人は、心をすり減らしすぎていないだろうか。安いことで自分たちを苦しめていないだろうか。そう社会に問いたくなる。
物価が上がれば、暮らせなくなる誰かがいることも知っている。でもそれは、民間が安くする努力をして解決するのではなくて、国家が手伝って暮らせるようにするものではないのだろうか。
安くて丁寧なこの国は、どこに向かうのだろうと思っている。もっと自分らしく、時には適当に暮らすのはどうだろうか。
7年半勤めた会社を30歳で辞め、好きな場所に住んで好きな仕事をする人生を作り直すと決めました。サポートいただいたお金は、退職後にお仕事にしているコーチングのスキル向上や、noteを書き続けるための生活に使用します🙇🏻これからも記事を通してみなさんと繋がれたら嬉しいです☺️