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りんごが半分、私の半分

週に1回、韓国語のレッスンを受ける。先生は韓国に住んでいて、母ほどの年齢の方。「最近はどう?」「ごはんは食べた?」と、いつも聞いてくれる。

むかしピアノを習っていた頃、私はいつも先生と恋の話をしていた。

母ほどの年齢の先生と、習い事をしながら好きな子の話をする。むかしから私は、そんなところがあるようで。

とはいいながら、大人になった私は、恋愛の話を気軽にしない。

一度話したことは取り消せないと学んだし、恋愛がいつ急に終わるともわからないことも知っている。

だから私は、気軽に誰にでもは恋の話をしない。

だけれど、今日のレッスンで話した「りんごの半分」と「私の半分」のおかげで、ついにそんな話をすることとなった。

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恋愛も結婚も興味がない


私は恋愛も結婚も興味がないと、この韓国語の先生は知っている。理由までは話していないけれど、男性が苦手で近づきたくないことも。

そんな話をすると、たいていの人は「そうなんだね」と受けとってくれる。私の周りにいる人は、いつの間にかみんなすっかり大人だ。

「そんなことはない」とか、「まだいいひとに出会ってないだけだ」なんて言われない。きっとそう思っているのだろうけれど、言われない。

「きっとそう思っているのだろう」と書いたのは、そうだったことを最近知ったからだ。それを知って、私は悪い気がしているわけではない。

でもなんていうか、私が思っていたよりも、家族や近しい人たちが、私に恋人ができたことを喜んでいるのだと知った。

「恋人がいることがその人の価値」ではないと思いながら、例えば祖母たちに喜ばれることを手放しに嬉しいと思うこともできない。

でもいまの私は幸せだから、私の幸せを喜んでくれる人がたくさんいると思えば嬉しい。

いまでも私は結婚や出産には興味がないし、「男性だから彼と恋人になった」のではない。

「彼が丁寧に向き合ってくれたから恋人になった、それが偶然に男性だった」と思っている。


りんごが半分、私の半分


りんごを数える時、1個だとハン 、1かけだとハン チョグ、半分だとパン チョグと数えるよ

今日のレッスンで、先生から教わった。

今日のレッスンは他の範囲を学ぶ予定だったけれど、過去にそれを終えてしまっていたとのことで急きょ数字の復習をすることになったのだ。

ちなみにね、パートナーを見つけた時、韓国では「私の半分を見つけた」と言うよ。もともと半分しかなかったのかって感じだけどね。

と、先生が冗談も含めながら教えてくれた。

aimiもいつか恋人やパートナーができたら、こう表現するといいよ

とも。それで私は、先生に彼の話をした。


りんごが半分、私の半分。

私は私だけでも完全だし満たされているけれど、あえて半分と表現するのもいいなと思えたのが私の私だった。

私は”恋人”という存在に出会い直して、どうも考えが変わったらしい。少し前の私なら、「恋人がいなくても十分です」と言い返したかったと思う。

私に恋人ができたことを、またもや母のように喜んでくれる先生を見て、私もやっぱり嬉しくなった。私の幸せを、ともに喜んでくれる人がいる。

りんごが半分、私の半分。今日の話を、今日の体験を、私は大事に持っておきたい。

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