三線と琉歌

今年から三線を始めました。
最初の頃は、「海の声」や「島ちゅの宝」が弾けて嬉しかった。
今は、「安里屋ユンタ」や「遊び庭」で、工工四と歌の練習をしています。
沖縄語の歌詞はなかなか覚えられないのですが、意味が奥深いです。

「遊び庭」
あしびなー①唄三線を楽しむ場所②「村芝居、祭りをする所。naaなーは庭のほかに、広場の意味がある。」【沖縄語辞典(国立国語研究所編)】(以下【沖辞】と略す)。御願所(うがんじゅ)など祭祈場所の前の広場で神聖な場所である。エイサーなどの道ジュネー前に集結し奉納する場所でもある。


作詞作曲 前川守賢

一、毛遊びの夜や いそーさ肝ドンドン (あり)遊び庭に皆寄て来う 太鼓三線かためて来う
もう'あしびぬゆるや'いそーさ ちむどんどん(あり)(この囃子は以下省略)'あしびなーに んなゆてぃくー てーくさんしんかたみてぃくー
moo'ashibi nu yuru ya 'isoosa chimu doNdoN ('ari)'ashibinaa ni Nna yuti kuu teeku saNsiN katamiti kuu
◯毛遊びの夜はうれしい! 胸ドキドキ 遊び庭に皆集まって来い太鼓三線かついで来い
語句・もーあしび「農村で夜、若い男女が野原(moo)に出て遊ぶこと。三味線・歌・踊りに打ち興じ、しばし夜を明かす」【沖辞】。・いそーさ 嬉しさ。<いそーさ。いしょーしゃ、ともいう。・ちむどんどん 心臓が高鳴るほどにドキドキする様。・んな 皆。・ゆてぃくー 寄って来い。くー<ちゅん、来る。の命令形。・かたみてぃ 担いで。<かたみゆん。「かつぐ。荷を肩にのせる」【沖辞】。


でぃーわったー島唄 三線出来らち 舞らな跳ぬがな(⇒1番、3番、5番)
でぃーわったー しま'うた さんしんでぃきらち もーらなとぅぬがな
dii wattaa shima'uta saNshiN dikirachi moorana tunugana
◯さあ、我々の島唄 三線を上等に仕上げて 踊ろうよ 飛び跳ねようよ
語句・でぃー さあ。・わったー 私たち。われら。・でぃきらち うまく行かせて。上等に仕上げて。<でぃきゆん。「①(学問などが)よくできる。②(農作物が)よくできる。③うまく行く。よくできる。成功する。また、上等に仕上がる」【沖辞】。・もーらな とぅぬがな 踊りたいな、飛び跳ねたいな。<もーゆん。踊る。未然形+な。(希望の意を添える)。とぅぬがな<とぅぬずん。「跳ねる。跳ねて飛ぶ」【沖辞】。

中略

六、遊び庭や でかしなむん 御万人打ち揃て 手拍子合わちょて ヒヤミカセ みるく世果報 招ちゅんど
'あしびなーやでぃかしなむん'うまんちゅ'うちするてぃてぃびょーし'あわちょーてぃひやみかせーみるくゆーがふーまにちゅん どー
'ahibinaa ya dikasinamuN 'umaNchu 'uchisuruti tiibyooshi 'awachooti hiyamikasee miruku yuugahuu manichuN doo
◯遊び庭は 幸福を得るもの(所) みなさん 打ち揃い 手拍子合わせて ヒヤミカセ ミルクユガフ(豊年)(を)招くぞ
語句・でぃかしなむん <でぃかし。「うまくいくこと。成功。利益を得ることなど」【沖辞】。人々にとって素晴らしい上等な場所、くらいの意味。・ひやみかせ 「hija と言って力を出せ」【沖辞】。元気のない者に元気を出させる時などに使う。・みるくゆがふ 「弥勒世果報」と書いて「豊年」の意味。

引用: https://taru.ti-da.net/e583925.html


沖縄には、和歌に似た「琉歌」があり、八・八・八・六の三十字の短歌の形式です。

かぎやで風(かじゃでぃ風)
きゆぬふくらしゃや    (今日のほこらしゃや)
なうにぢゃなたてぃる  (何にぎやな譬る)
つぃぶでぃうるはなぬ  (莟でをる花の)
ちゆちゃたぐとぅ      (露行逢たごと)

 琉球国の王族から農村の娘まで、色んな琉歌があり、三線で歌ったり、踊ったりしていたそう。
 古い琉歌は、母音を伸ばす節が、催馬楽(平安時代の謡曲)にも似ているように感じます。
日常的に歌われ続ける沖縄民謡は、古の人の音魂を今に伝えているから、歌うと元気になるのかもしれません。

いいなと思ったら応援しよう!