夫婦になった1年間
今年も残すところ17日となった。勤務先の学校では年内最終授業が終わり、生徒とも「よいお年を」なんて言葉を一足早く交わしている。
2021年を振り返ってみると、去年に負けずとも劣らない激動の1年だったように感じる。
去年は引越、転職、結婚の三大変化があった。今年は、去年構築された大阪での新しい生活、新しい仕事、夫婦同居生活という体制を維持・発展させるものだった。だから、環境そのものに「変化」はなかったのだけど、それでも激動に感じたのは私の心身の健康がジェットコースター並みに乱高下し続けた1年だったからだろう。
たとえ毎日が乱高下の繰り返しでも、日々を過ごすというのは、ただそれだけで大きな営みなのかもしれない。この1年は、夫と夫婦になっていく1年だったように思う。
結婚して始めてわかったのは、婚姻届を出したからといって夫婦になれるわけじゃないということだった。もちろん法的には夫婦になっている。でもそうじゃなくて、関係性としての夫婦になるには、法的に婚姻関係にあるだけでは十分条件とはいえないみたい。毎日の積み重ねの中で、さまざまなことを共有したり、摩擦を乗り越えたりして歩んでいく中で構築されるんだと実感をもって感じた。
この1年、何度も何度も心の中で反芻したのは「みんなどうやって夫婦になっていくんだろう」ということだった。今年の1月に夫と新居生活がはじまって、それから春、夏、秋とかけてようやく2人の距離感がちょうどいいところに落ち着いたように今感じている。10月に結婚一周年を迎えた頃がちょうど境だったかな。ある時突然、夫の存在が私の安全基地になったとふわっと感じた。そのとき私は、夫と本当の意味で夫婦になってきたのだと思った。まだまだ初心者なんだけど、初心者なりにも軌道に乗ってきたような感じ。あるいは、小学校1年生の子どもたちが小学生であることにぎこちなさをもっているような、そして2年生にあがると小学生であることが少しだけ板についたような、そんな感じ。
2021年が暮れに近づいていくこの12月。夫は私が初めて編んだマフラーを大事に首に巻いてくれている。手編みなんて嫌じゃないのかな?と思っていたけれど、私が編み物をはじめたときに「僕にマフラーを編んでくれたら、僕が買い取って愛ちゃんの最初のお客さんになるね」なんて言ってくれて、ちょっときゅんとしたのでした。