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【ココロノマルシェ回答】職探しorキャリア度外視の隠居生活・・・日本での生活が2択なのはなぜ?

こんにちは。
ライフストーリー インタビュアー/心理カウンセラーの 真中愛です。


今日は「ココロノマルシェ」に寄せられたお悩みに回答します。

↑ ココロノマルシェへの投稿はこちらから


日本で職を探そうか迷っています。
PEG さん

在米です。いわゆる駐在妻です。永住するつもりはありません。
もう十分がんばったので、先の日本での人生も考え始めたほうがいいのかな、という気がしています。

ですが、住めば都になっており、アメリカを離れる決心がつきません。
今アメリカでしている仕事に愛着もあり、できるだけ長く働きたいのも事実です。
一方で、言葉の壁がいつまで経っても第一のストレスです。
私は、医療の専門資格があるため、日本でキャリアを再開できれば、また充実した生活も得られると思うんです。
ただ、年齢的に就職できるかは未知です。というわけで、どちらの生活にも一長一短あるのです。

このまま気に入っているアメリカの仕事を満喫して、日本ではキャリアを度外視して隠居生活をするか、なるべく早めに日本で就職活動をすべきか迷っています。
自分の中で2択になってしまっていますが、よいアドバイスしていただけるとありがたいです。

PEGさんこんにちは、はじめまして。
「ココロノマルシェ」へのご相談ありがとうございます。

いきなり私事になってしまい恐縮ですが、以前夫と子どもの3人で6年インドに住んでいた経験があります。
私は厳密には駐在妻ではなかったのですが、ほぼ駐在妻のような生活をしていました(ご興味持っていただけたらこちらの記事に経緯を少し書いています)。
そんな自身の経験もふまえて、真中愛が回答させていただきますね。


いただいたご相談文は簡潔で分かりやすいうえに、文章全体からとても柔らかな雰囲気を感じました。
PEGさんはきっと能力が高くお人柄は穏やかで、洗練された大人の女性性をお持ちの方なのだろうなあと思いました。

そんな文章の最後を、PEGさんは次のように締めくくっていらっしゃいます。

自分の中で2択になってしまっていますが、

第3の選択肢がある、ということに、PEGさんもうすうす気づいているのではないだろうか?
そして、本当にはそこに向かいたいのではないだろうか?
ということが、私がまず第一に感じた印象でした。


駐在妻という立場であると同時にアメリカでのキャリアも積んでこられたPEGさんにとって、

住めば都になっており、アメリカを離れる決心がつきません。
今アメリカでしている仕事に愛着もあり、できるだけ長く働きたいのも事実です。

アメリカ生活で得られるメリットにより、このような心情になるのは自然なことだと思います。
このメリット、感情面で考えるとどのようなものになると思いますか?
住むうえでの環境。
キャリアを積むことができる仕事。
このふたつが安定していることからの、安心感ではないでしょうか。
PEGさんにとってアメリカ生活を続けることの最大のメリットは「安心」なのではないかな、と思いました。

一方で、居を日本に移すとなるとどうでしょう。

ただ、年齢的に就職できるかは未知です。

アメリカ生活の「安心」に対して、仕事に関する不透明さが「不安」というデメリットを生んでいるのですね。
また、文章には書かれていませんが
「日本での生活に馴染めるだろうか?」
という、いわゆる逆カルチャーショックを抱える不安も、心のどこかで感じていらっしゃるかもしれないと想像しました。


では、アメリカでの生活を続けることのデメリットは何でしょうか。

一方で、言葉の壁がいつまで経っても第一のストレスです。

お仕事もされているPEGさんなので、ここでのストレスはおそらく「意思疎通が困難」というようなことではないと思います。

意思疎通のうえでは不便がなかったとしても、やはり第二言語(英語)では、母語(日本語)と同じレベルで相手と通じ合うことができません。
それは、日々の言語コミュニケーションの中で「相手を受け入れた」「相手に受け入れてもらえた」という実感をなかなか持てない、ということを意味します。
また、言語はアイデンティティを確立する最大要素のひとつです。
言語コミュニケーションに微妙な(時に大きな)齟齬があり続けるということは、常にアイデンティティの不安定さを余儀なくされることと同意です。
そのような環境での生活が長ければ長いほど、ストレスは相当なものになると思います。

永住するつもりはありません。

PEGさんのこのひとことには、そういったことによるストレスも込められているのかもしれないなと感じました。


さらにこれは私の推測になりますが、もしかすると「駐在妻」という立場も、PEGさんにとってアメリカ生活のストレス(デメリット)のひとつなのかもしれません。

一般的に海外駐在員とその家族は、会社の管理下に置かれる範囲がどうしてもプライベートにまで広く及んでしまいます。
たとえば一時帰国をする場合、時期、年間の帰国頻度、家族のだれが帰国するのか、滞在先など、休暇であっても会社の許可を確認したり、あらゆる報告が必要なケースが多くなります(帰国費用やビザ取得等の関係上)。
駐在妻は「夫の会社」との関わりが一般的な会社員妻よりも格段に大きくなり、ひいては夫婦関係に良くも悪くも多大な影響を及ぼします。
対会社だけでなく、駐在員とその家族同士、あるいは現地日本人コミュニティなども、外国という環境の中でより閉鎖的になりがちです。
環境的にも心理的にも「微妙に自由を制限される」感が生まれやすくなると思います。

もう十分がんばったので、先の日本での人生も考え始めたほうがいいのかな、という気がしています。

この一文から、PEGさんにとっては充実しながらもきっと多くのご苦労を強いられたアメリカ生活だったのではないかな、ということが伝わってきました。


PEGさんの迷いの元となっている「安心」と「不安」、そして抱えてこられたであろう相当量の「ストレス(心理的負担)」。
それらを想像しながらご相談文を読んでゆくうちに、柔らかな雰囲気の行間から、私はPEGさんのある強い思いを見て取りました。

「自由になりたい!」

PEGさんの心の深いところは、もう自由になりたい、自由に生きたいと、切に願っているのではないだろうか。
そのように感じました。


今ご自身の未来に目を向けはじめたときに、いろいろと迷いが出てきたことでココロノマルシェにご相談くださいました。
それは、PEGさんの心の深いところにおそらくはずっとあった「自由になりたい」という思いが、動き出したからかもしれません。
これこそが「第3の選択肢」につながるものではないかと、私は思いました。


PEGさんの中に自由への思いがあるとしたら、迷いを生んでいる、自由になることを阻んでいるのはPEGさんのどんな思いや考え方(観念)、そして感情なのでしょう?
それらを見てゆくことが、「第3の選択肢」を明確にするためのヒントになります。

このまま気に入っているアメリカの仕事を満喫して、日本ではキャリアを度外視して隠居生活をするか、なるべく早めに日本で就職活動をすべきか迷っています。

「隠居生活」というものに対して、PEGさんはどのような印象をお持ちでしょうか。
仕事を引退して、好きなことをしたり気ままにのんびり過ごすイメージでしょうか?
そこに憧れや待ち遠しさ、ワクワクするといったかんじはありますか?
それとも、それなりに楽しそうではあるけれど、キャリアを重ねるほどの充足感は得られないかもしれないな、というような思い、あるいはなにかしらの不安があるのでしょうか。

また、「キャリアを度外視しない隠居生活」と言われたらどうでしょうか。
キャリアを仕事ではない形で生かす、というイメージは湧きますか?
あるいは、「現時点でキャリアを積む生き方を終えて、今までとはまったく違った生き方を日本で始める」と言われたらどうでしょう。
なにかやってみたいこと、それならばと思い浮かぶことはありますか?

そう言われてもなかなかイメージが湧かないかもしれません。
そんなことできるわけがない、といったような悲しみ、あるいは不快感が出てくるかもしれません。
もしそうだとすれば、なぜそういった反応、感情が出てくるのでしょう。


そこにあるのが、自分の自由よりも他者や周りのことを思いやる、つまり愛だとしたら?
愛を与えるために、自由への思いを封印していたのだとしたら?
愛を与えるという才能を生かすために、PEGさんはずっと自由になることを遠慮し、あるいは自分に許さなかったのかもしれません。


PEGさんは能力が高いうえに思いやりも責任感も強く、そしてなにより女性性豊かでとても愛情深い方なのだと思います。
そんなPEGさんはこれまでずっと、旦那さまをはじめ、周囲の人やものごとを優先し、与え続けてきたのではないでしょうか。
もちろんそれは決して悪いことではなく、だからこそお仕事をはじめとした充実したアメリカ生活を送られてきたのだと思います。

冒頭でPEGさん自身もおっしゃっているように、PEGさんはもう十分がんばってこられたのだと思います。
せっかくそのことに気づき、そしてご自身の未来へと目を向けはじめたのですから、今こそPEGさんが受け取る番ではないでしょうか。

駐在妻という立場でアメリカで生活し、なおかつキャリアを積んできたこと、旦那さまをたくさん助けてきたこと、公私で自分が成し遂げてきたこと、自分の能力の高さ、与えてきた愛の大きさ、たくさんの人に愛されてきた魅力的な自分・・・
そういったすべてを受け取ってもよいのではないでしょうか。
そして、もう誰にも、何にも遠慮せずに、「自由になること」を受け取ってもよいのではないでしょうか。


大きな愛を持ち与えたい気持ちも強いPEGさんなので、自由を受け取ることへの抵抗やためらいが出てくるかもしれません。
そんな時にはこのように考えてみてください。
今までPEGさんがたくさん愛を与えてきた人たちは、自由に生きるPEGさんを見て困ったり、うらやんだりすると思いますか?
きっと誰もが祝福してくれるのではないでしょうか。
PEGさんが自由になることは、PEGさんの愛する人を幸せにしてあげることにもつながるのです。
PEGさんが自由な人生と祝福を受け取ってくれるのを、彼らは待っているのではないかと私は思います。


まずは、「自由になること」を受け取ることから始めてみませんか?
「自由になっていいんだよ」と、ご自身に声をかけてあげてみませんか?
そして、自由になった自分はどんなことがしたいんだろう?
どこで、誰と、何をして、どんな生活を送っているのだろう?
これから時間をかけて、PEGさんの心が求める自由を少しずつ解き放ちながら、そう問いかけ続けてみてください。
それは日本かもしれませんし、アメリカかもしれませんし、もしかしたらほかの国かもしれません。
引き続きキャリアを積んでいるかもしれませんし、まったく新しい形で仕事、あるいは理想の隠居生活を始めているかもしれません。

PEGさんの豊かな才能、そしてPEGさんの心が持つ自由を求める力強いエネルギーを持ってすれば、自由を受け取った先に無限に広がる「第3の選択肢」がどんどん見えてくるのではないかと、私は思います。


これからもいつでも、PEGさんのことを応援しています。

お読みいただきありがとうございました!


■真中 愛【ライフストーリー インタビュー/カウンセリング】

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