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生命というメロディ

樹脂でできた丸い板にちいさな傷をつけて、その刻まれた傷の深さや間隔を読み込むことで音が再生される…
レコードって確かそんな感じだったよね。
円盤につけた傷が記録になる。

例えば自分の持ち物をよく見てみると、あちこちにいろいろな傷がついていたりして、そして、その中には思い出せる傷もあるんだよね。
ああ、これってあの時に付けた傷だって。
自分の脳内にある記憶が再生機となって、持ち物についた傷から思い出を再生出来たりするわけなんだよね、レコードみたいに。

たとえばその辺に落ちている石ころ一つとっても、科学者が見れば、その傷の形や深さによって、それがいつ、どういう状況でついたものなのか、
その石はどこで生まれ、どういう歴史を辿ってきたのかっていうのを再生することが出来たりするわけじゃん?

恐竜の化石を見て、悠然と壮大な大地を闊歩する恐竜を夢想するように、
すでに朽ちたものも、傷んだものも、つまらない石ころも
それはきっと誰かにとってのレコードになるんじゃないかって思うのですよ。


我々という、連綿とつながっている生物の遺伝子はそれぞれが再生機となって、あらゆる無機物から地球の思い出を再生しているのかもしれないなあって。


・・・いや、なんだこれ。

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