NYCとBOSTON旅行記
SNSでは少しアップしてたが、一週間ほど、冬のニューヨーク、ボストンへ。
大学時代の教授からのお誘いでボブディランのコンサート@NYCにご招待いただいた。ボブディラン、78歳。Beacon Theatreのステージに現れた瞬間のゾワっとするほどのオーラ。しかも前から5列目、真正面で堪能。生後5ヶ月の娘を連れて、初めての海外旅行というのも相まって、記憶に残る旅になった。
記憶を辿ってみると私がニューヨークを訪れたのは2年前にJAVITS Center で行われたコミックコンベンションに、菊地成孔さんが音楽監督を務めるガンダムサンダーボルトの挿入歌の演奏で行った時。ああ、あれから2年なのかあ。と長いのか短いのかはっきりわからない。
今回は、ボブディランのコンサートのあと、大雪のボストンにも行った。この時ははっきりわかった。大雪のボストンを最後に経験した2012年の1月からもうすぐ8年というのは、、、、あっという間すぎる。8年の間に私は、様々な場所でライブをたくさんして、アルバムを6枚つくって、アナログを1枚リリースした。8年の間に私は、お尻が隠れるほど髪を伸ばし、その後ばっさりショートカットにした。8年の間に私は、結婚し、娘が生まれた。大雪のボストンに8年間こなかった間に、私の人生に起こったことは数えきれないほどあるのに、まるで2週間前のことのようだ。
とりあえず卒業したBeklee音楽院の近くのPavement Cafeに行ったり、
ボイルストン通りの図書館に行ったり、図書館の机の上に娘をおいてみたりして、散歩と写真撮影を楽しんだ。
自分が2年ちょっと住んでいたアパートや、Beklee音楽院の周りを歩きながら、ふと「10年前の自分は、何に憧れて、何を求めてこの土地に来たんだっけ」と考えた。「音楽という魔法」を解析したかった。とでも、、言ってみようか。「説明できない美しいもの」としてしか触れられなかった音楽を、少しでも自分の力で説明できるようにしたかった。このメロディがこうだから、このハーモニーがこうだから、こんな風に美しいのさ!と説明できていそうに見える人たちや、それを自由に操っているようにみえる人たちが羨ましかった。実は、あの時そんな風に感じていた気がする。
結果わかったことは、やはり「その魅力」は、説明ができない。そして操ろうと思って操れるものでもない。
ボブディランは、コンサートで、全く有名な曲を演奏してくれなかった。なので、実はほとんど知らない曲ばかりで、どんな曲やったの?と言われても語れない。彼は観客に媚びることなく、自分が今楽しめる音楽を表現していたに過ぎない。そしてそのエネルギーはとても自然体で、観客の肩の力すら抜いてくれた。
それはそれは、私にとって大きなアドバイスになったパフォーマンスだった。