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Bリーグ(2022-2023)開幕直前の自分的な展望(その4。中地区の展望)。

 中地区の展望、プロローグ


 では、地区別の展望の2回目、「中地区」です。
 川崎は「RS全体1位の大本命」と読んでいます。問題は2位争い。
 恐らくワイルドカードの枠は「ほぼ巡ってこない」と自分は読んでいるので、「2位に入ることがとても重要」になりますけど、「横浜BC、SR渋谷、三河」の3球団に可能性があると読んでいます。
 その一方で、「三遠、富山、新潟」は「残留争い」を覚悟になるだろう、が自分の読みです。流れ次第では「信州」も「残留争い」があり得るかと、とも。
 「1強(川崎)」と「3中」と「それ以外」、これが自分の「中地区の解釈」です。

 【2022-2023開幕版、自分(愛球人)の展望、中地区編の概要。】
 川崎(RS全体1位の大本命。選手層の厚さで最大のチャンス)
 横浜BC(今季の「要注目球団」。河村が健康体ならば2位は現実的)
 SR渋谷(ベンドラメの事実上の「生涯SR渋谷」に応えたいが…)
 三河(オクインはガチの大物だが、カルチャー再構築に不安感が)
 信州(堅守は健在だが「岡田のスキャンダル」の影響に大きな不安)
 三遠(「再建モード」にして、カルチャー再構築のための「勝負の年」)
 
富山(デンプスは魅力的だが、若手の成長なければ最下位もあり得る)
 新潟(選手層は大きな不安だが、「スタイルの共有意識」に活路を)


 明確な順位予想はしませんけど、上から「およその評価順」に綴らせて頂いてます、勿論自分の主観です。
 では、各チームごとに綴らせて頂きます。

 川崎(RS全体1位の大本命。選手層の厚さで最大のチャンス)

 【今季の選手編成から見る「プラス要素」「不安要素」】
 ◎「勝者のメンタリティー」のカルチャー
 ◎「精神的支柱」「圧倒的なキャプテンシー」篠山の存在
 ◎各ポジションで質量共に充実の選手の顔触れ
 (納見、ヤングジュニアの補強で「明確な弱点」がない感が)
 ◎ロスターのほぼ全員に「強い守備意識」が。大崩れしない
 △宇都宮、A東京への「アレルギー意識」。この克服なしに優勝はない
 △昨季は成長が鈍化した前田。成長が叶えば「隙なし」になるが
 △篠山34歳、ファジーカス37歳。「最後のチャンス」の可能性が


 「RSでの圧倒的な大本命」。今季の川崎は、自分はこう読んでいます。
 「勝率8割超え」「RSで50勝超え」は「とても現実的」と。

 理由は2つ。「質量ともに充実の選手層」「中地区と組み分けに恵まれた」。実力差がある中地区で半数の「30試合」、これはとても大きい。
 いわば論点は一つ。どの時点で「中地区1位」を確定できるか。これが早いほど、「CS仕様」のチーム作りにできます。
 「優勝を叶えるための、最大のチャンス」。こう断言できます。

 明確な弱点は、正直もはや見当たらない。強いて挙げれば「第4のビッグマン」ですけど、これも「あえて粗を見出すならば」です。その弱点の鎌田も「重戦車」といえるプレースタイルを自分のものにしている(昨季は3Pレンジもレパートリーに加えた)。
 もう一つ、弱点を探すならば、前田が燻っていることです。持っている潜在能力を考えれば、SG/SFのレギュラーに座って欲しい存在かと。裏を返せば、前田がレギュラークラス(仮に「6thマン」的な立ち位置でも)に座れれば、名実共に「CSでも優勝の本命」の可能性がより一層高まります。

 選手編成的な弱点は、ほとんどないといってよい。そう考えると、むしろ大きなハードルは「打倒宇都宮」「打倒A東京」です。恐らく優勝を叶えるには、CSでこの2球団は避けては通れないと考えられますので。
 特にここ2年連続で、川崎はCSで宇都宮に敗退しています。そう考えると「打倒比江島」の具現化のための守備システムの構築は重要命題でしょう。

 で、「最大のチャンス」と述べました。でも一方で、今季は「最後のチャンス」かもしれないと自分は読んでいます。その理由はシンプルに
 「篠山が34歳、ファジーカスが37歳」。
 この2人は説明不要といえる「川崎の象徴」です。いわば「存在自体が戦術」といえる。特にファジーカスは、昨季までは年齢面を感じさせない感じでした。とはいえ、クイックネスへの不安がCSでは少なからずいわれていて、川崎が優勝に辿り着けない「諸刃の剣」との解釈もあります。

 とはいえ、ファジーカスは帰化選手であることもあり(実際いまでも、帰化選手ではロシターと双璧でしょう)、いわば「不世出の存在」です。だけど年齢的には、今季を逃せば徐々に厳しくなっていく可能性が高い。
 その意味で、「今季が最大の勝負」という意識はどの球団よりも強いでしょう。だからこそ、とても強く注目したい、と思ってます。

 横浜BC(今季の「要注目球団」。河村が健康体ならば2位は現実的)

 【今季の選手編成から見る「プラス要素」「不安要素」】
 ◎「若き球界最高PG」、河村の存在
 (パス優先型の堅実なPGの森井が第2PGなことも大きなプラス)
 ◎「河村、森川、ジャクソン」の「BIG3」
 ◎有望な若手が多い(赤穂、キング、大庭など)
 ◎的確な補強。特に赤穂は正SGのグレードアップになり得る
 (ジャクソンは河村との相性がとてもよさそうと映る)
 △よくも悪くも河村は「存在自体が戦術」。不在時のダメージが
 △「勝率5割超え」が未だにない。勝負どころでの経験値に不安
 △モリスの立ち位置。昨季は出場機会が限定的。年齢面のリスクも




 はっきり述べます。今季、自分は「最も躍進が見込める球団の一つ」として、この「横浜BC」と読んでいます。尤もこれは「中地区という組み分けに恵まれたブースト」も含めてですけど。

 何よりも大きなプラス要素は「河村の存在」です。
 高校時代(福岡第一高校)から大好きな選手の一人でしたけど、いまや「比江島に次ぐ二推しの選手」になっています。もうねえ、見ていて「わくわく感」「バスケIQ」の塊なんですよ!

 何がすごいって、創造性の塊にして、そのプレー選択が(一見すると奇想天外だけど)実に的確で明確な意図があることです。それでいて守備の意識・能力のいずれもがサイズを感じさせないハイレベルなこと。強いて挙げれば得点面での精度ですけど、それを補って余りある域に既にあります。
 しかもこの、特に3P能力の向上を河村自身が課題として自覚していること。「頭脳のよさ」が河村の魅力の本質ですけど、周り・外野が言うよりも、本人が課題を認識して、それを克服しようと努力していることが、なおさら応援したくなります。

 この河村が、フルシーズンの1年目であること。時間的な関係で細かい計算ができてませんけど、確か「30分換算でのEFF」は、昨季のRSでは日本人選手で河村がno.1でした。今季に横浜BCをCS出場に導ければ、河村はそれだけでもMVPに大きく近付くといってよいと、真顔で思ってます。

 最大の魅力は「河村の存在」と述べてますけど、第2PGの「森井の存在」も大きなプラスの一つです。「2020-2021」までの森井は「まあ、『B1レベルの選手』とは思うけど…」の評価でしたけど、昨季の森井は数字以上に「『CSレベル』で通用できる選手へと飛躍を遂げた」感があります。得点面にやや難はありますけど、パス能力・守備力でそれを補って余りある感じになっている。昨季は3Pの精度も特に後半戦では向上を示してました。
 良質な第2PGの森井がいるからこそ、河村の威力がより向上し得る。河村・森井が共に健康体ならば、「中地区の2位争い」の中心軸は横浜BCになるだろうと自分は強く感じてます。組み分けに恵まれたこともあり、「勝率6割超え」は決して不可能ではないかなと。

 「雰囲気のよさ」を、配信越しにですけど自分は強く感じていて。例えば森川がそうで、「最も輝ける場所をやっと見つけた」と映ってるんですよね。「質の高い攻撃型SF」に上り詰めた感じですし、現時点で30歳ですけど、「これからが全盛期」と映ることもプラスではと。
 ジャクソン、オリバーの補強も、実にプラスです。ジャクソンは「古典的だけどスピードのあるビッグマン」で、いわば「ラジコン型」ともいえる。これって河村との資質的な相性が恐らく抜群なんですよ。
 オリバーはB1初挑戦ですけど(昨季はB2の仙台)、SF/PFの2つのポジションを高いレベルで対応できて、「スピード」「守備意識」が持ち味。資質能力的に、横浜BCが志向するであろう「速いバスケ」と相性がよさそうと。

 若い選手が多く、特にSG/SFは、赤穂、キング、大庭と楽しみな若手が多くいます。いずれも持っている潜在能力が高いですし、特に大庭は3P能力という一芸に振り切っているのが「6thマン向き」でこれからが楽しみです。

 「期待感に尽きる」、これが自分の正直な感覚ですけど、「若いチーム」であるが故の不安感もあります。特にこの球団は「勝率5割超えが未だにゼロ」で、いわば「勝者のメンタリティー」に課題がある。河村・ジャクソンの存在はその解決策になり得ると信じていますけど、うまくいかないときに「同じ方向を向き続ける」ことができるかは課題です。「自分たちが歩む道」を信じ続けられたから、昨季に秋田・島根はCSに辿り着けた、今度は自分たちの番だとしてほしい。

 それともう一つ。実は昨季の横浜BCでもどかしさを抱いてたのが、「モリスの起用法」です。正直、「第4のビッグマン」としての存在意義を活かしきれていなかった感が否めなかった。38歳と限界感が近付いている感じは否めませんけど、でも「12分程度」であれば戦力として輝けるはず。躍進のための「Xファクター」といえるのでは、と自分は解釈しています。

 SR渋谷(ベンドラメの事実上の「生涯SR渋谷」に応えたいが…)

 【今季の選手編成から見る「プラス要素」「不安要素」】
 ◎ベンドラメの「事実上の生涯SR渋谷宣言」
 (今オフは「優勝したい」との理由で「移籍の噂」が燻っていた)
 ◎「志向するスタイルの明確性」。「ハードワーク」のチームカラー
 ◎外国人選手の質の高さ。マッカドゥーとの3年の契約延長
 
(マッカドゥーの新契約は「2025年夏」までとのこと)
 ◎親会社の変更(日立→セガサミー)。来オフに大型補強か?
 △日本人選手は「ベンドラメ頼み」。森實、津屋の飛躍を
 △4Q、シーズン終盤、アウェーでの失速癖の克服
 △広瀬健太の引退。これがどう影響するか?

 「7年目もよろしくお願いします。

 今年はどんな一年になるかな。
 今からとても楽しみだ。
 一緒に最高の景色を見に行こう。

 (2022年6月1日、「ベンドラメ礼生選手 契約締結のお知らせ」、ベンドラメ礼生の残留コメント。)
 (https://www.sunrockers.jp/news/detail/id=15405)



 今オフのSR渋谷。いくつかトピックはありますけど、特に大きなトピックは2つです。
 「ベンドラメ、事実上の『生涯SR渋谷宣言』」
 「広瀬健太の引退」


 まずは「広瀬の引退」。正直昨季は、衰えが見え隠れする感じはありましたけど、それでも守備面はまだまだ健在でした。全盛期は「『3&D』で最高の選手」と称され、いわば「名誉生え抜き」としてとても愛された(相手からすれば恐れられた)。
 まさか「社員契約」であったとは、正直驚きましたけど、「もう限界だと感じた」とスパッと身を引いた、それでいて盛大な花道を望まずにチームのCS出場を叶えるべく黙々と最後まで全力で、そこに「職人」を感じます。

 引退セレモニーが「10月23日日曜日、島根戦の終了後」に開催と発表されてます(ちなみに広瀬は島根の出身です)。「24」を「永久欠番」にするのかが注目ですけど(それに値する業績であると自分は思ってます)。

 「広瀬の引退」と共に、いや恐らくそれ以上に大きなトピックといえるのが、「ベンドラメの事実上の生涯SR渋谷宣言」です。
 今オフは、昨オフの辻(川崎→広島)、金丸(三河→島根。現在は三遠)の移籍劇に影響されて、「『優勝したい』ということで移籍を検討するのでは?」との噂がありました。
 実際に興味を示した球団があったといわれてます。恐らくですけど「秋田」「群馬」ではと。群馬はわからないですけど、恐らく秋田は接触は試みたのではと。何故ってシンプルに「スタイルに符合し得る」「秋田の弱点である『攻撃面での爆発力』がある」「キャプテンシー、視野の広さがある」「優勝への『ラストピース』になり得る」から。

 この11月で「29歳」です。つまり今オフの契約は、「全盛期をどの球団で過ごすか」の、いわば「選手人生で最も重要な時間」といえた。
 だからこそ、「残留」ならば「生涯SR渋谷」を意味するし、「移籍」ならば「『優勝したい』が理由ならば仕方ないよね」になった。
 いずれにせよ、まず複数年契約(恐らく「3年」として「2025年夏」まで)と考えられる訳で、その判断が注目された訳です。

 で、出した答えは「残留」であった。その決断をして以降のベンドラメは、いわば「吹っ切れた」感じに映ってます、実に生き生きしている。これからどんな逆境が来ても、もう迷わないからと。
 その理由は勿論、ベンドラメにしかわかりません。ただその一つに、広瀬から「ミスターサンロッカーズ」を継承するのはベンドラメしかいないと託されたであろうこと(今回の残留で、引退時に「背番号9」の「永久欠番」は恐らく現実的になったといえるでしょう)。それと、今オフは親会社の変更が発表されましたけど(尤も手続き的な理由から、補強費として反映されるのは来年3月のトレードデッドライン以降といわれてますが)、来オフの大型補強を構想しているとの言質を得た?との想像はできます。

 ただ、今季のロスターを見ると、よく言えば「継続路線」ですけど、悪く言えば「ガス欠リスク」もそのままと。実際、昨季は「33勝26敗、勝率.559」でしたけど、得失点差は実は「-7」でした。
 その理由は、弱点があまりにも顕著であること。
 「4Qに脆い」「アウェーに脆い」「シーズン終盤の失速癖」。

 で、ベンドラメ以外で「スペシャルな日本人選手がいない」。
 自分がSR渋谷が「CS出場は厳しいのでは」と読むのは、特にこれが大きな理由です。「より前向きな要素が乏しい」と。

 ただ、中地区という組み分けに恵まれたのは、大きなプラスといえます。
 このチャンスを活かせるか、ベンドラメの「想い」「覚悟」に応え得るか。見守りたいと思ってます。

 三河(オクインはガチの大物だが、カルチャー再構築に不安感が)

 【今季の選手編成から見る「プラス要素」「不安要素」】
 ◎コアメンバーの質の高さ(西田、角野、ガードナー等)
 ◎新外国人、オクインの「勝者のメンタリティー」「ハードワーク」
 (バリバリの「元NBA選手」。NBA時代は「ハードワーク」が代名詞)
 △個人能力は高いが、その先が見えない。「+α」を見出せる要素が…


 ざっくりとですけど述べます。「個人能力は高いけど、それが『足し算』で終わってる感がと。いわば『1on1』は魅力だけど、これを『チームケミストリー』に昇華し切れてない感が」と。

 持っている個人能力の総和でならば「中地区の2位争いの中心軸」でしょう。「ユトフ→オクイン」は確かにプラスですし(バリバリの元NBAだけど、元来は「フォアザチーム」の持ち主であるので、Bリーグとの相性はよさそうではと)、正PGと目される中村は良質の選手です。
 ですけど、うまくいえませんけど、それこそ「攻撃全振り型」。これ自体は千葉J・茨城と共通なのですけど、「個人能力の高さが『チームとしての意思統一』になり得るのかという強い疑問符」を、自分は抱いてます。
 中地区の5番手以下の球団と、個人能力で大きな差がありますので、の感じですけど、「勝率5割ライン」をクリアできないになっても、正直驚かないかなと自分は解釈してます。

 信州(堅守は健在だが「岡田のスキャンダル」の影響に大きな不安)

 【今季の選手編成から見る「プラス要素」「不安要素」】
 ◎「堅守のカルチャー」。大崩れのリスクが小さい
 ◎在籍年数の長い選手が多く、「スタイルの共通理解」が
 ◎HCの采配能力。昨季は「勝率5割超え」
 △「点を取る形」に特大の不安。「岡田のスキャンダル」の影響は?
 △ホーキンソンに帰化の噂ありだが、帰化はいつ実現する?


 結論から述べます。今季の信州の鍵を握るのは
 「『岡田のスキャンダルの影響』を、どれほど早い段階で払拭できるか?」
 これに尽きます。ですので正直な気持ちは、10月の「最初の9試合」が終わらないと「正直わからない」の感じです。

 よくも悪くも「チームカラー」が明確で、「堅守のカルチャー」ははっきりしています。秋田ほどプレースピードが速い訳ではないですけど、大枠は秋田に近いものがあるかなと。
 その一方で、「点を取る形」に明確な課題があります。この「点を取る形」を支えるのが、「岡田」「ホーキンソン」です。
 特にホーキンソンは、昨季は数字以上に強烈なインパクトを残しました。ホーキンソンは、今季中の帰化を目指しているといわれてますが(実際、「帰化枠・アジア枠」を一切獲得していない)、帰化の実現が叶えば、信州にとってもは勿論、日本代表にとっても恐らく大きなプラスでしょう(スコット[宇都宮]にも帰化の噂があるけど、「帰化の実現のハードル」を考慮してか宇都宮はアジア枠のヤンジェミンを2年契約で獲得している。そう考えるとホーキンソンは、帰化が叶えば日本代表への定着が一気に見えてくるかなと)。

 ですけど、です。自分は、「岡田のスキャンダルの影響」は、正直「とても大きい」と解釈しています(個人的には岡田は、「10月の9試合の出場停止」は必要であったととても強く思ってます。これは滋賀の狩野も)。
 岡田は正直、とても期待し続けてきた選手ですので、一バスケファンとして「とても大きな落胆」でした。

 起きてしまったことは、もう仕方ないです。ですけど信州というチームにとって、この問題は「点を取る形」に直結すること。岡田が「エースの自覚」に全集中できるかで、チームの浮沈に大きく影響と強く思ってます。
 尤も「堅守のカルチャー」が完全に確立されているので、例えば「残留争い」に一気に落ちるかといえば、最終的にはそこまではいかないかなとは思ってます。とはいえ、「勝率が3割台」にとどまる可能性は、充分にあり得るだろうなあと。

 いずれにせよ、「岡田のスキャンダルの影響」、これに尽きると自分は解釈していますけど、「10月の最初の9試合」を踏まえないと、なんともわからないです、が自分の正直な解釈です。

 三遠(「再建モード」にして、カルチャー再構築のための「勝負の年」)

 【今季の選手編成から見る「プラス要素」「不安要素」】
 ◎明確にした「カルチャーの再構築」。強い覚悟が伝わる
 ◎金丸、佐々木、細川。個人能力自体は昨季に比して高い
 ◎大野HCの存在。「勝者のメンタリティー」構築に期待
 △選手編成に「くせ」がある感じが。機能しないときのリスクが
 △「志向するスタイル」をどうするのか?千葉Jとは異なると想像だが
 (PSMでの静岡戦では「スタイルの片鱗」さえ伝わらなかったが)
 △よくも悪くも「チーム大野」。うまくいかなかった場合は…?


 「今シーズンよりヘッドコーチを努めさせていただきます、大野篤史です。
 牛尾社長や秦GMの「変化」を起こして行きたい!との強い思いに私も惹かれて入団を決意しました。

 全てのステークホルダーの皆さまに笑顔になっていただくことが我々のゴールです。
 これは、決して1人では成し遂げることはできませんし、新しい文化を創ることも簡単なことではありません。


 大きな事を成し遂げるために、新しい文化を創るために、選手、コーチングスタッフ、サポートスタッフ一丸とならなければなりません。
 全員の心が1つになれるように、理念に魂を宿し情熱を持ってチーム作りに励んで参ります。


 新生三遠ネオフェニックスをどうぞ宜しくお願いいたします。
 今シーズンもご声援よろしくお願いいたします。」
 (「2022-23シーズン チームスタッフ体制決定のお知らせ」[2022年7月1日]、大野篤史HCのコメント。)
 (https://www.neophoenix.jp/news/detail/id=18297)



 「大きな勝負、賭けに出た」
 これが、一人のバスケファンとしての、今オフの三遠に対する正直な感覚です。

 よくも悪くも「大野篤史HC」にオールイン
 しかもチームスタッフも、佐藤叡花AMG(アシスタントマネージャー)を除けば、清々しいほどの「チーム大野」です。
 (「チーム大野」で、大野HCと行動を共にしなかったのは、吉田朱里彩MG[マネージャー。現広島MG]くらいといわれてます。ちなみにチームスタッフで女性は佐藤AMGの1人のみです。尤も新スタッフ編成のときに、早坂咲輝MGだけは残したかったといわれていますが[最終的に早坂MGは滋賀に移籍した]。)

 これは、安齋竜三さんが京都、あるいは越谷への移籍説[最終的には越谷に「事実上の移籍」をした]にもいえますけど、大野さんの三遠への移籍説が出たとき、「ある訳ないでしょ?どのようなメリットがあるのよ?」と自分は真顔で思ってました。まあ、千葉Jから2人を除いてチームスタッフがほぼ全員の退団が発表で、「ああ、これ、マジなんだ…」と感じましたけど。

 うまくいけば、「とても興味深い」。でもうまくいかなければ、「『地獄へようこそ』が待っている」。


 何よりも大きな注目は、「志向するバスケスタイル」です。
 千葉J時代は、よくいえば「速いバスケ」「超攻撃なバスケ」でしたけど、視点を変えれば「戦術富樫」でした。
 ですけど、今季の三遠のロスター。何よりも目を惹くのは「金丸」です。昨季の島根で顕著になったのは「金丸は『ハーフコートバスケ』『セットオフェンス』でこそ、より輝ける」ということ。そう考えると、恐らく千葉J時代とは異なるアプローチでいく?と想像されます。

 その一方で、「佐々木」「細川」と、「よりアップテンポなスタイル」でこそ輝けそうな選手も獲ってます。特に佐々木は、B2熊本での2年間は「個人では圧倒的なスタッツ」で、特に「eFG%」「守備意識」が特筆といえます。

 異なるスポーツですけど、サッカーでの古橋(現セルティック)に相通ずる感じがあります(古橋はJ3のFC岐阜での1年半を経て、神戸での3年半で大成して、日本代表へと上り詰めた。神戸時代は「3年連続10得点到達」を叶えている)。
 正直、佐々木は「B1でも充分に通用できるだろう」と読んでいます。実際、9月11日日曜日の「vs静岡」とのPSMでも、三遠で最も躍動していたのは佐々木でしたので。

 ただ、今季の三遠は「期待したい」と強く感じる一方で、選手編成に「くせ」がある、と正直感じてます。

 外国人(コリンズワース[PG]、ヒックス[PF/C]、メイテン[PF/C])
 アジア枠(S・ラベナ[SG/SF])


 これを単純にあてはめると、
 「コリンズワース-S・ラベナ-金丸-ヒックス-太田」
 これが予想での「基本スタメン」になります。

 あるいは、PSMを踏まえると、
 「佐々木-S・ラベナ-金丸-コリンズワース-ヒックス」
 これを採用する可能性もあり得る?と自分は読んでます。
 (正直、佐々木の「バスケIQ」を活かさないと勿体ないことを踏まえると、これがよりしっくりいくのでは?と。)

 「あとがない」。いま、三遠が置かれている状況は、かなり簡潔に述べればこの表現に尽きます。
 何しろ、直近の3年はいずれも「勝率.250割れ」です。
 順位にすると、直近の3年は「ワースト1→ワースト2→ワースト2」
 はっきり言えば、コロナがなければ「既にB2に降格」相当です。

 コートに虚しく響く、「早坂MGの掛け声」。
 昨季の三遠は、「笛吹けど踊らず」に陥っていました。
 「13人目の選手」として誰よりも戦っていた、早坂MG。この「想い」に、コート上では応えられていなかったと映った。

 「大きな賭け」は、果たして機能できるのか。
 現時点では、「祈るような想い」が正直な気持ちです。
 少なくとも、静岡とのPSMでは、「いや、昨季よりも酷くなってない?」と自分には映っていました。というのも、昨季の三遠は
 「激しい守備からの速いバスケ」「トランジションのバスケ」
 という方向性の意識の共有自体は、伝わっていましたから。

 「どうなるか、見てみよう」。いまは正直、これに尽きます。
 ただ、「残留争い」は覚悟する必要があるかなと。
 とにかく今季は、(これは京都にもいえますけど、)
 「『カルチャー』の構築。これに道筋をつけた上で、『B1に残留』、できれば『勝率4割程度』。」
 これが一つの目標になるのでは、と自分は解釈してます。

 富山(デンプスは魅力的だが、若手の成長なければ最下位もあり得る)

 【今季の選手編成から見る「プラス要素」「不安要素」】
 ◎外国人の質は高い。特にPGのデンプスは活躍が期待できそう
 ◎KJ松井の存在。年齢面を感じない「リングに向かう姿勢」は手本に
 △「外国人、ベテラン、若手」という「年齢構成のいびつさ」
 (数人の主力が封じられたら「チーム力の大幅ダウン」のリスクが)
 △「デンプスの不在時」に特大の不安が。第2PGをどうする?


 正直に述べます。
 「新潟と共に、ダントツの降格候補の『ボトム2』」
 これで「即答」、これが現時点での自分の正直な解釈です。

 「インサイドをより強調するバスケ」。これが「志向するスタイル」とのことですし、確かにインサイドの外国人である「スミス、ジョンソン」は、質の高いビッグマンです。
 これに加えて、「KJ松井、晴山、小野」は、「豊富な経験」と「バスケIQ」の持ち主です。「若手の手本」としても適任ですし、KJ松井はいまでもリーグ有数の「3Pシューター」といえます。これに加えて、「ミスターグラウジーズ」にして「生粋のファイター」である水戸もいます。

 新外国人の正PGのデンプスは、いわゆる「コンボガード」「攻撃型PG」と伺います(同じPGでも、A東京のコブスは「総合型PG」と伺う)。PSMを見ても「質の高い選手」と伝わり、デンプスの出場時は安定した試合運びが見込めるかなです。
 とはいえ問題は、「デンプスの不在時」の「12分程度」です。必然的に「第2PGをどうするか」になる訳で、恐らく「若手の育成」になってきます。候補としては「浦野、野崎、飴谷」になりますけど、この中で「第2PG」に目途が立つのかと。
 目途が立てば、「残留争い」を乗り越える可能性は、おのずと高くなります。ですけど現時点では、正直悲観的ですし、PSMの時点では「内容的には新潟よりも厳しい」と自分は感じてます。

 「浦野、野崎、飴谷、上田」と「4人の若手」がいますけど、このうちどれほど目途を立てられるのか、この4人(のうちの何人か)にある程度の出場機会を与え続ける覚悟を持てるか。最終的にはこれが「残留争い、あるいは最下位の回避」に直結し得ると、自分は解釈しています。

 正直述べれば、現時点では自分は富山に「とても悲観的」です。
 わずかに最下位の評価を免れてるのは、「3人の外国人の質は高いから」。
 この「悲観論」を「賞賛」に変えて欲しい、いまは正直この想いです。

 新潟(選手層は大きな不安だが、「スタイルの共有意識」に活路を)

 【今季の選手編成から見る「プラス要素」「不安要素」】
 ◎「速いバスケ」「走るバスケ」という「スタイルの共有意識」
 (「個人能力の不安」を「意思統一」で補う姿勢は伝わる)
 ◎アレンという「攻撃の軸」、澁田、杉本、遠藤善の「向上心」
 △選手層の薄さ。「基本スタメン」以外で目途が立つのは木村、ベテラン勢のみ
 △「第3の外国人」にいつ目途を立てられるか?また、アレンを万一欠くと「点を取る形」が苦しくなる感が


 恐らく、単純な「個人能力の総和」でいえば、「最も残留が厳しい」といわざるを得ないでしょう。
 特に「選手層の薄さ」。予想される「基本スタメン」でだと
 「澁田-遠藤善-杉本-アレン-アルマ」
 になりますけど、この5人以外で目途が立ちそうなのは「木村」、あとはベテラン勢の「綿貫、池田」くらいです。ただ、ベテラン勢の2人は出場時間は限定的になるかなですので、そうすると「若手の底上げ」がとても重要になってきます。

 ただ、PSMを見ていると、「希望はある」とは思ってます。
 希望を感じる第1の要素は「志向するスタイルへの共通理解」です。
 チーム全体が「同じ方向を向こうとしている」、これがとても伝わる(精度は別として)。これってとても大切なことと思うんですよね。

 第2の要素(これがとても大きい)は、若手選手の「向上心」。
 特に澁田は、今季のB1の「ブレイク候補」になり得ると思ってます。
 確かに、まだ粗削りです。でも、「ギラギラした感じ」を、滋賀時代から感じてるんですよ。「俺はもっと成長するんだ!」というオーラを。
 なんというか、それが「実を結んで欲しい」と応援したくなる。
 今季は「まとまった出場時間」が望めそうですので、「自信」をつける「きっかけ」にして欲しい、それがチーム力を高めることとの「プラスの循環」にできると面白い、と。一つ求めるとすれば、3Pを打てるときは貪欲に狙って欲しい、もっとできる潜在能力はあるはずだよ!と思ってます。

 とはいえ、選手層の薄さは(昨季よりはましとはいえ)否めない感じです。現時点では、「帰化枠・アジア枠の補強もない」です。
 「個人能力の不足」を「『意思統一』と『向上心』」でどれほど補えるのか。

 相手の立場から見れば、「新潟、富山への取りこぼしをしないこと」
 裏を返せば、「新潟、富山への取りこぼし」は「残留争いの不利に直結する」、そういってよいと思います。

 いずれにせよ、その成長の歩みを温かく見守りたい、と思ってます。


 では、「各地区別の展望」、(その5)では「西地区編」を綴らせて頂きます。


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