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【野球】2022年夏、「#投高打低」の一考察及び「愛球人が考えるベスト100」(その2)。

 前記事エントリーのリンク添付

 まず、前回の記事、(その1)をリンク添付させて頂きます。



 では、執筆を進めます。


 今季(2022年)のNPBにおける、「投高打低」の傾向についての、一野球ファンとしての考察




 (その1)と同様に、というかそれ以上に、いまリンク添付させて頂きました「nf3」が、大きな参考資料になります。
 また、データについては、
 「2022年6月9日終了時」、つまり「交流戦のラスト3試合は考慮しない」
 で、綴らせて頂くことを、御留意頂ければです。




 特に、いまリンク添付させて頂きました、
 「チーム総合打撃成績」「チーム総合投手成績」
 (特に「RC27」「WHIP」
 が、大きな参考資料になります。


 【セリーグ】 RC27  本塁打率  IsoP   WHIP
 2011年(★) 3.39   0.556   .097   1.20
 2012年(★) 3.48   0.521   .094   1.21
 2013年    4.12   0.826   .121   1.33
 2014年    4.38   0.854   .127   1.35
 2015年    3.83   0.664   .111   1.27
 2016年    4.13   0.825   .126   1.31
 2017年    4.06   0.832   .127   1.30
 2018年    4.54   0.958   .140   1.37
 2019年    4.32   0.972   .140   1.33
 2020年    4.28   0.933   .137   1.28
 2021年    4.06   0.881   .133   1.28
 2022年(☆) 3.65   0.733   .118   1.21

 ((★)が「統一球2011年ver」、(☆)が「統一球2022年ver」。)


 【パリーグ】 RC27  本塁打率  IsoP   WHIP
 2011年(★) 3.67   0.521   .097   1.18
 2012年(★) 3.66   0.493   .096   1.23
 2013年    4.31   0.688   .114   1.32
 2014年    4.28   0.715   .122   1.32
 2015年    4.22   0.748   .120   1.31
 2016年    4.28   0.727   .116   1.33
 2017年    4.19   0.909   .136   1.28
 2018年    4.45   0.993   .144   1.31
 2019年    4.37   0.986   .140   1.32
 2020年    4.24   0.850   .131   1.32
 2021年    3.93   0.797   .126   1.26
 2022年(☆) 3.46   0.745   .107   1.17

 ((★)が「統一球2011年ver」、(☆)が「統一球2022年ver」。)



 明らかに、今季は「投高打低」が顕著であることが、この数値で伝わるのではと思います。
 特に「RC27」でみると、

 「『2011年、2012年』の『統一球2011年ver』(当時のコミッショナーの名前から「加藤球」とも呼ばれてます)とほとんど変わらない。パリーグに至ってはそのときよりも下回っている。」

 ことがわかります。




 いまリンク添付させて頂いたのは、「セリーグの打撃成績」の
 「2011年版」「2012年版」「2022年版」
 です。2011年、2012年は、打撃成績上位の選手でさえ、「RC27」が「5点台(よくて6点台半ば)」に対して、2022年(今季)は、「RC27」は「6点台超え」が結構います。
 中央値にすると、「2011年」「2012年」は「4.40程度」ですけど、「2022年」は「5.00程度」になります。ちなみにリーグ平均は、「2011年」「2012年」は「3.39」「3.48」、「2022年」は「3.65」です。
 ですので、「2011年」「2012年」に比してだと、少し相違があることが伝わります。




 いまリンク添付させて頂いたのは、「パリーグの打撃成績」の
 「2011年版」「2012年版」「2022年版」
 です。
 2011年は「RC27」が「6点台超え」の選手が何人かいますが、2012年は打撃成績上位の選手で、「RC27」が「5点台(よくて6点台半ば)」です。2022年(今季)は、上位と下位の落差がとても大きいことが特徴になっています。
 中央値にすると、「2011年」は「4.80程度」、「2012年」は「4.50程度」ですけど、「2022年」は「4.20程度」と、とても低いです。ちなみにリーグ平均は、「2011年」「2012年」は「3.67」「3.66」、「2022年」は「3.46」です。

 パリーグの場合は、吉田正(オリックス)、近藤(日本ハム)といった、打撃成績上位の常連が長期離脱していることも、考慮する必要があるかもです。特に吉田正は、「RC27」は「8.06」で、とても高い数値を堅持しています。ですけど一方で「IsoP」は「0.142」で、吉田正の場合は「新統一球」の影響は、長打力減少という形で出ています


 ですけど、「2011年」「2012年」の場合は、統一球の影響は、ほとんどの選手にまともに出てました。逆に恩恵を受けた投手も多くいる感じです
 影響をあまり受けなかった打者は数えるほどで、中村剛(埼玉西武)、松田(ソフトバンク)、内川(ソフトバンク)などに限られます。
 これが、「2022年(今季)」の場合は、新統一球の影響は、「影響を受けている選手」「そうではない選手」と、ばらけています。多くの選手は「影響を受けている」感じです。
 ですけど一方で、村上(ヤクルト)、牧(横浜DeNA)、佐藤輝(阪神)等のように、影響をほぼ受けていない選手がいる感じならば、山川(埼玉西武)はキャリアハイを伺う圧倒的パフォーマンスですし、松本剛(日本ハム)、今宮(ソフトバンク)、辰己(東北楽天)、清宮(日本ハム)のように、燻っていた選手が開眼するケースも存在してます。


 そう考えると、今季(2022年)の「新統一球」は、「2011年」「2012年」のときの「統一球」のように「単純に『低反発球』になっている」ということとは、また異なるのではないか?と考えられます。つまり単純に「飛ばないボール」になっているか?といえば、恐らく「NO」であると。
 だけど、影響をまともに受けている打者が結構な比率で存在していることは、無視できないとも映ります。


 で、「2011年」「2012年」の「統一球」では、多くの投手に恩恵がありました。ですけど、今季(2022年)の「新統一球」では、恩恵を受けている投手は多くいますけど、成績を悪化させている投手も、少なからず実は存在しています


 【今季、「WHIP」[被出塁率]を悪化させている主な投手。】
 菅野(巨人)[昨季0.99→今季1.15]
 森下(広島)[昨季1.20→今季1.32]
 則本(東北楽天)[昨季1.09→今季1.27]
 石川柊(ソフトバンク)[昨季1.19→今季1.40]



 いま挙げた4人。いずれも、野球ファンならば御存じであろう好投手です(石川柊は、ポストシーズンの好投で「ああ、いたねえ、あのカーブが魅力の投手かあ」というので思い出す読者がいらっしゃるのではと想像です)。
 「青柳(阪神)、床田(広島)、加藤(日本ハム)」等のように、明らかに恩恵を受けている投手もいますけど。


 「投手の技術が上がったから」という説。
 勿論、これは理由の一つでしょう。ですけど、あくまでも「理由の一つに過ぎない」とも、自分は感じてます。成績を下げている投手だって少なからずいる訳で、これだけでは説明できないのでは?と。

 「観客が入ったことでの変化」という説。
 これも、理由の一つではあると思います。競馬で、観客が入るようになったことでパフォーマンスに変化が生じてる馬がいる、といわれてるように。
 ですけど、これも「理由の一つではあるだろうけど、はっきりとした根拠とはいえない」が、自分の解釈です。




 「はっきりとした根拠が見出せない」と悶々とした中で、自分の中で「すとんと落ちる」記事に出会いました。「Number」さんの、「小早川毅彦さん(元広島など。現NHK解説者)の解説記事」です。少し、引用させて頂きます。


 「今シーズンのMLB公式球は、縫い目の山が若干高くなっていると言われています。ピッチャーにとっては指のかかりが良くなって扱いやすいはずですが、打者にとっては空気抵抗が増えて飛距離が出にくくなってしまう。加えて今季は、ボールの湿度を一定に保ち保管することが全球場で徹底されていることも影響を与えているようです。実際にMLB全体でも昨シーズンに比べてホームラン数が減っているというデータもあるのですが、かといって、打者が全員同じように影響を受けているかというと、そうではないのが面白いところです。

 (中略)

 この差はどこにあるのでしょう。比較してみると、もともとのバッティングの形によって、ボールが変わったことによる影響を受けやすいかの違いがあるのではないかと思います。ゴルフに例えると、フェード系(左打者の大谷の場合、空中で右にカーブする傾向)の打球だと飛びづらくなり、逆にドロー系(空中で左にカーブする傾向)の打球だと距離が出る。大谷選手は、打つポイントが近い(捕手寄り)ので、体の中に呼び込んで押し返す、押し込むような打撃となり、打球回転がフェード系になるんですね。

 一方で(中略)ジャッジやベッツは、自分のポイントを絶対に中には入れず、前でボールをさばくタイプです。だからボールはドロー系になる。二人とも右打者ですが、右中間からライト方向にも、よく打っているんです。それも振り遅れて逆方向に飛ぶわけではなく、自分のタイミングで捉えながら、その後のスイングで大きく弧を描くように振りぬくことができる。どちらがいい悪いということではなく、もともとの打撃の形の差によって、ボールの影響の受けやすさが違ってくる、ということなんですね。」



 実は、今季のNPB(日本のプロ野球)の場合は、「縫い目」が云々という報道は、自分が把握している限りでですが、一切出ていません。
 ですので、「縫い目」云々も仮説にすぎませんし、もしかしたらNPBの場合は、「縫い目」は全く変わっていない可能性もあります。

 ですけど、今季でいえば、今春の高校野球の選抜大会でも、すさまじい「投高打低」が顕著でした。というか、高校野球の「現行ボール」を攻略できたのは、今春でいえば「大阪桐蔭、近江、浦和学院、明秀日立」の4校だけという解釈もあります。
 はっきり述べれば、一握りの有力校だけです。まるで、上位進出高校が固定化されつつある「高校女子バスケ」のように。
 (高校女子バスケの場合、「桜花学園[愛知]、東京成徳[東京]、岐阜女子[岐阜]、大阪薫英女学院[大阪]、京都精華女子[京都]、札幌山の手[北海道]、昭和学院[千葉]、+α」という構図が、ここ数年はほぼ定着しつつある。)


 技術的なことは、自分は正直「門外漢」です。
 ですけど、小早川さんのもともとのバッティングの形によって、ボールが変わったことによる影響を受けやすいかの違いがあるのではないかという仮説は、とても強い説得力を感じます。


 そう、今季のNPBの「統一球、2022年ver」は、

 「『ボールの質が変化している』ことは、ほぼ濃厚だろうけど、単純に『低反発球』になっている訳ではなさそうである。だけど、『打者によって影響を受けている、受けていないの度合いが激しい』こと、及び『影響を受けている打者の方が大きい』ことは、これまでのデータではっきりと顕著に示されている感じで、特に『影響を受けている』打者の方が多い
 その理由が『縫い目』云々かどうかはわからないけど、『ボールの質が変化している』可能性が高いことだけは、いえるのではないか?」

 ということがいえます。


 それにしても、日本(NPB)の野球って「ここ数年で急激に統計技術が進歩している」感じがありますけど、統計技術と「見た目の打撃成績」に差異があるケースも、実は少なからずあります。
 基本的に、選手の打撃成績、特に「RC27」は、「70打席程度」で、その選手の能力(貢献度)が見えてくる、といわれています(70打席未満だと、極端に上振れ、下振れするケースがある)。

 例えばですけど、下記の感じです。


 大山悠輔(阪神)
 見た目の打撃成績「打率.251、14本塁打、0盗塁、出塁率.322」
 RC27「5.00」
 (長打力の賜物。特に「IsoP」が「0.229」。佐藤輝の直後に置き続ければ、チームとして「点を取る形」は担保できるかなと。)

 中野拓夢(阪神)
 見た目の打撃成績「打率.269、3本塁打、14盗塁、出塁率.290」
 RC27「3.54」
 (「14盗塁、12犠打」は特筆だし、球界でも正遊撃手としてTOP5に入るが、「RC27」は実は「リーグ平均程度」。特に四死球が8と極端に少なく[打席数281]、このため出塁率に照らすと打率は「.220程度」の貢献になってしまう。)



 個人的には、「機動力重視の野球」は大好きです。
 ですので、「盗塁数」「犠打数」は、自分がGMならば、正直とても意識します。
 ですけど、やっぱり「長打力」は、「相手投手への心理的影響」をも踏まえると、高い方がより望ましいです。それに、長打力が高い打者は「華がある」傾向が強いですし(まあ「華がある」は主観の面が強いですけど)。

 それと、近年の野球でいえば「四死球の数」。
 見た目の打率に比して四死球の数が多いと、出塁率が上がります。そうなると、打率以上の得点貢献になります
 逆も然り。見た目の打率に比して四死球の数が少ないと、おのずと出塁率が下がる。


 丸佳浩(巨人)
 見た目の打撃成績「打率.284、13本塁打、5盗塁、出塁率.372」
 RC27「6.64」
 (「13本塁打」と長打力も高いけど、四球数33はリーグ3位。これがより「RC27」、つまり得点貢献値を高めている。巨人では現在「1番」だけど、多くの球団では「3番」で機能できるだろう。)

 山田哲人(ヤクルト)
 見た目の打撃成績「打率.239、13本塁打、8盗塁、出塁率.351」
 RC27「5.94」
 (打率の面では「新統一球の影響」を受けている感だが、「20本塁打-20盗塁」を見込めるペースはそれ自体が特筆。で、四球数38はリーグ2位。このため打率換算での貢献値は「打率.280程度」に跳ね上がる。
 「.280、13本塁打、8盗塁」と考えると、れっきとした「3番打者」といえるのでは。)

 西川龍馬(広島)
 見た目の打撃成績「打率.294、5本塁打、2盗塁、出塁率.337」
 RC27「5.23」
 (やや早打ち傾向のため、打率に比して出塁率が低いが、それでもRC27「5.23」はチーム内で2位で、今季は「不動の3番打者」に成長していた。負傷離脱後のチーム成績が「2勝6敗」というのは、チーム内での西川の存在意義の大きさを物語っている。)

 阿部寿樹(中日)
 見た目の打撃成績「打率.275、6本塁打、1盗塁、出塁率.336」
 RC27「4.94」
 (今季は完全復活を遂げて、「5番・二塁手」に定着。阿部の成績自体は正二塁手に値する好成績だが、問題は阿部の「4.94」がチーム内2位であること[チーム内1位はA.マルティネスの「6.79」]。本拠地球場が「極端な投手有利球場」であることを割り引いても、この低さでは…。)



 この時点で、すでに話が長くなっています。
 では、(その3)で、各球団の打線のチーム状況を、綴らせて頂きます。


 【野球#2B】

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