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「人間だからこそ描ける、人間の心に響く絵」は、確実に存在するんだよ!だから、智咲ちゃん、イラストレーターの「志」、絶対に叶えて!【社会貢献】【エッセイ】【絵師100人展】



 「人間だからこそ描ける絵」は確実に存在する、そう、「手描き(一部にCGもあるが)の絵だからこそ表現できる、『人間らしさ』を表現できる絵」が!
 だから、逆境のときがあるかもだけど、絶対にあきらめないでね!「絵が大好き」の気持ちに、「絵に携わりたい」の情熱に対して、「絵だからこそできること」の信念に対して、正直でいて欲しい!




 (←朝日新聞の「声」欄での文章を題材とした文章でだと、この「2023年3月31日」のnote記事以来、「1年8か月ぶり、2回目」です。
 ちなみにこの1回目での「強くなるより優しくなりたい」は、自分の中で、「声」欄で最も感動した、心を揺さぶった文章でもありますし、自分の信念の1つにもなっています。)



 (今回のnoteの文章。トップ画像にも載せさせて頂いてます、イラストレーターを志している中学生、笹山智咲さんの文章に心を揺さぶられまして、「1人の人間として」智咲ちゃんに向けて、趣旨としては
 「智咲ちゃん、絶対に志を叶えて欲しい!」
 という趣旨で綴らせて頂きます。尤も現実論的には、このnoteが智咲ちゃんに伝わるか、恐らくほとんどないかなと思ったりですし、実はこの、智咲さんの文章は、「2023年8月11日」。ですので「1年以上のブランク」になります。
 [ほんとうは、当初は「2023年(昨年)の9月下旬~10月」を目途に執筆の構想で、実は書き掛けてたけど、まとまった時間がとれずに最終的に断念であったのです。でも今回、「まとまった時間を確保できた」もですし、「どうしても伝えないと、自分が恐らく後悔するから」と感じて、今回このタイミングで執筆させて頂く次第です。]
 ↓
 読者に向けてですと、いわばある種の「公開書簡」的な感じと解釈して頂いてよい感じですけど、智咲ちゃんは勿論、「絵、イラストの道を志す子ども[主として10代、中高生]に向けての応援メッセージ的な文章」と解釈して読んで頂けると、とても嬉しいです。
 ↓
 尤も自分は実は、絵の造詣は正直「ほぼゼロに近い」です。
 いわば「絵心がない」。実際、学校の美術は「居残りが定位置」でした。
 そう、中高生時代の自分は、「美術・家庭科=見るのも嫌」と。
 ですけど一方で、絵を見ること自体は、好きなことの1つである感じで。
 あとで改めて言及させて頂きますが、今回のnoteの文章、
 「『絵師100人展』の鑑賞」及び「好きになった、ある絵師さんのこと」が中心軸になっています。
 [ちなみに自分の本来の専門・得意分野は、「スポーツ(バスケットボール・野球・陸上など)」「子ども・教育」のことです。ですので後者のことに関係ではあるのですが、現況でだと後者は得意というよりは「強い興味」のニュアンスがより強い感じです。]
 ↓
 この文章が、「智咲ちゃん」及び「絵、イラストの道を志す子ども[主として10代、中高生]」への「応援の想い」として伝わりますように。
 では、本題を綴らせて頂きます。)


 (なお、今回のnoteの文章、『絵師100人展』の「ネタバレ」が含まれていることに、御留意頂ければです。
 いくつか、絵の写真が登場しますが、これは「絵師100人展の図録」「Hitenさんの画集」から用いさせて頂いております。『絵師100人展』の本会場内は写真撮影が禁止ですので、それは勿論、留意している感じですので。)



今回取り上げる、『朝日新聞』「声」欄での
「笹山智咲さん、中学生、13歳、大阪府」の
「イラストレーターの夢とAI」の文章の原文です。
この文章の掲載日、自分の「39歳の誕生日」の前日でしたが、
「私は絶対にイラストレーターの志を叶えたい!」強い想い・情熱が伝わり、
自分自身、「生きる勇気」をもらえた感じですし、
もともと美術館・博物館とかで絵を観る機会は結構あったのですが
(ただ自分は性格に「癖」が強いと自覚していて、その関係で
好きな絵のタイプは、恐らく「偏りがある」感じだったりしてます。)
智咲ちゃんのこの文章に、とても心を揺さぶられたのがきっかけで、
絵への向き合い方がより深まり、「自分って、絵心自体はゼロだけど、
絵を観ること自体は好きなんだな(なおタイプによるが)」
と学ばせて頂いてる感じです。智咲ちゃん、ありがとう。



 「イラストレーターの夢とAI」
 (笹山智咲さん、中学生、13歳、大阪府)
 (『朝日新聞』2023年8月11日付朝刊「声」、8面[大阪版で])

 私の夢はイラストレーターになることだ。幼いころから絵を描くのが好きで、今は美術部で学んでいる。人々の心に響き、元気づけられる作品を作りたい。しかし、絵だけで生きていくのはかなり難しい。その上、画像生成AIが発達し、イラストレーターら芸術家の仕事が奪われつつある。
 画像生成AIとは、テキストを入力するとAIが自動的に画像を生成する技術のことだ。ウェブ上ではこれを使った作品が多く見られるようになった。また、高品質の作品を生成するための指示をAIに出す『プロンプトエンジニア』という専門の職があるそうだ。
 私が働き出す頃、人間のイラストレーターに仕事は残っているだろうか。夢を諦めるべきか。それともAIと生存競争をするのか、AIを使いこなす側になるのか。人間にはそれぞれの個性があり、絵を描く価値は揺るがないと信じたい。






 (←noteでの、「『イラストレーター』と『画家』の違い」についての記事。実質的には全4回。このうちの「2つ目の記事」は「200円の有料記事」で、今回の記事執筆の参考資料として自分も購入させて頂きました。
 有料記事を含めて、全4回、とても分かりやすく綴られてますので、拝読の意義がとてもあると感じます。)



 智咲ちゃんへ。

 あなたの『朝日新聞』の「声」の欄での文章、拝読させて頂きました。
 ほんとうならば、できるだけ早いタイミングで、1人の人間としての「応援の気持ち」を伝えたかった。でも、まとまった時間がとれないとかで、タイミングをつかめなくて、ずっともどかしい気持ちでいました。

 「智咲」という、名前の由来は何かある感じですか?
 字や言葉の意味から想像すれば、「頭脳と内面を併せ持つ感じの賢さで、大きな花を咲かせられる人間に」の意味かなと想像ですけど。

 文章から伝わるのは

 自分はどうしても、『人間の心に訴える絵を描き続ける人間になりたいんだ!絵を描き続ける使命が自分にはあるんだ!』という『すさまじく強烈な熱量』。

 です。

 少し、自分のことを綴ることを織り交ぜさせて頂くことから、話を徐々に進めさせて頂ければです。


 「人間の『人生』『生命』は、想像する以上にとても長い。それでいて、でも『最も輝ける時期は、あっという間に過ぎる』だったりする。
 大切なことは、『1年でも長く現役で』ということと共に、『歩んできた道を振り返ったとき、【後悔はない】と思えたかどうか』であること。

 だからこそ、『智咲ちゃん自身の心の声』に対して、正直でいて欲しい!
 智咲ちゃんの心の中は、恐らく『絵が大好きでたまらない!』『絵を通して、誰かに希望・感動・メッセージを伝えたい!』だと想像です。

 『人間は、何かを仕事として生きる存在である』ならば、その仕事は
 『【好きでないこと、得意でないこと】よりも、【好きなこと、得意なこと】に携わることでこそ、その人間が持っている能力・特徴・長所をより最大級に活かせると思うよ!』と、自分は伝えたい!

 これからおいおい説明していくけど、結論から述べると、
 『手書きの絵は、これからも恐らく絶対に奏で続けられる!なぜならば、【手書きの絵でしか表現できない細かい表現】が確実に存在するから!』
 確かに、いま既に、『AIイラスト』が、『ツイッター(X)』『ピクシブ』では結構な比率である。これは自分も、実感として感じてる。
 それに、AIとは別に、『グラフィックデザイン(CG)を活用した絵』も存在している。で、『AI』や『グラフィックデザイン』には、恐らくそれを活用することでの、長所・特徴が恐らくあるのかなと想像する(実際、自分が出会ったある絵は、グラフィックデザインを活用した絵だけど、それはそれで学び感じることがあった絵でしたから)。

 だから、これから恐らくは、『手描き』『CG』『AI』がそれぞれに共存しながら、それは視点を変えれば確かに『生存競争』といえるかもだけど、智咲ちゃんの『理想』『信念』『貫きたいこと』を貫ければ、きっと『智咲ちゃんだからこその、オリジナリティーに満ちる手描きの絵』を、社会に発表できるときを叶えらえるよ!と伝えたいです。


 そう。

 「手描きの絵は、絶対に存在し続けるよ!だから、智咲ちゃんは、智咲ちゃんが人生をかけて届けたい理想の絵を追い求めていいんだよ!
 でもそれを叶えるには、『ただ絵が上手いだけでは、人間の心に訴える絵は、恐らく永遠に叶わない』。そう、
 『1つでも多くのことを学び感じる』こと、特に『社会で起きている事象、身の回りで起きている事象』に、心の興味を積極的に向けて欲しいこともだし、『内面を高め続ける姿勢を心掛け続けて欲しい』、そう、『絵師である前に、人間であれ』と伝えたいからこそ!
 そして、智咲ちゃん自身にとって『憧れを持つ存在』『尊敬できる存在』『理想といえる存在』ってどんな人間であるのかも、問い続けて欲しい!
 そうすれば、『智咲ちゃんにとっての、渾身の1枚』を描けるときが叶うんじゃないかな?と。


 「絵師である前に、人間であれ」
 これは、絵師に限らず、どのような道に携わるであれ、自分が「人間としてとても大切なこと」と考えてることです。

 そう、「人間って、人それぞれに個性・長所・特徴を持っている」
 自分はこれを「100人いれば、100通りの個性がある」と表現してますし、「十人十色」「三者三様」という言葉だってこの意味です。

 ですので、自分の個性・長所・特徴を最大級に育もう(伸ばそう)、と伝えたいですし、それと共に、「人間として大切なこと」、特に「優しさ・思いやり」「学び続ける姿勢・努力」を育むことを心掛けること、これは特に、どのような個性・特徴であろうとも、とりわけとても大切な資質能力であると思いますし、後天的に育めることとも思いますのでと。


 ここで、自分自身のことに言及させて頂きます。
 いま、自分は「40歳」です。住んでるのは大阪ですが、中学3年生までは「西宮(兵庫県)」でした。いまは大阪、特に天王寺(あべのハルカス、あべのキューズモールとか)がメインフィールドです。

 自分は、絵については、完全なる専門外です。
 というか、絵は「大の苦手」です。超がいくつも付くほどに「手先が不器用」なこともあり、美術・図工は「居残りの常連」でした。というか、「最後は級友の誰かに手伝ってもらっての完成」が、正直ざらでした。

 というか自分は、子ども時代、いわば「癖がとても強い子ども」だったんですよね。
 家庭科も全くだめ。体育も苦手(特に「泳げない」「投げる系が全くだめ」「握力、特に左が全くだめ」)でした。
 それと、理系教科も苦手で。特に「数学で、高校2年生のとき、『0点』を2回とる」という、とても情けない経験をしてます(それでいて実は、小学生時代の算数はむしろ好きだったりしますし、いまでも計算は「平均よりは恐らく早い」と感じてます)。


 で、自分はもともと、「中学校の社会科の教員」を志望してました。
 理由はいくつかありますが、特に「子どもが大好きだから」「自分が泣き虫でいじめられっ子であったから、子どもの心に親身に寄り添える人間になりたいから」。それと、中学生(~高校生)の時期は、人間の成長という意味で、「一気にポーンと成長できる時期であるから」も理由の1つでした。

 ですけど自分の場合、正直「紆余曲折、回り道の歩み」でした。
 いくつかの転機を経て、最終的に辿り着いた道は、いわば「全く異なる道だけど、根っこでは歩んできた道は活きているといえるかな」が正直な感じです。

 先述した、「100人いれば、100通りの個性がある」という言葉。
 これは「東日本大震災(東北。自分の場合は、特に宮城県)の復興支援活動」に、微力ながら向き合わせて頂いた過程で出会った言葉です。この「東日本大震災の復興支援活動」(2011年9月~2015年3月。延べで10回、東北を訪れました)は、自分自身の生き方・価値観をがらりと大きく変えて、いまの自分自身の基礎・土台になっています。

 あるいは、「微力だけど、無力じゃない」という言葉。
 これは、「(広島・長崎の高校生を中心に、全国の有志でなされている)高校生平和大使」「高校生1万人署名活動」による言葉です。いまでは広く浸透しつつある言葉ですが、この言葉の発信源は「広島・長崎の、平和活動に向き合う高校生」であること、とても素敵だなと感じてます。


 …と、そのような感じですけど、最終的に辿り着いた道は、「書くこと」「伝えること」、いわば「ライターの端くれ」でした(現況だと、まだ軌道に乗れている感じではないですから、「インフルエンサーもどき」って感じですけどね。苦笑)。
 で、「伝えること」で生きていく、理由はいくつかありますけど、特に
 「自分の性格の大きな特徴として『まっすぐで情熱的』なところがある、この特徴をより活かせること」
 「『内向的な性格』『マイペース(リズムによって影響を受けやすい)』の自分でも、無理なくできること」
 これがあります。でもそれ以上に、自分を突き動かしているのは

 自分自身の心の原動力は『社会に貢献できる、社会をよりよくできる一助でありたい』こと。
 でも、『プレイヤー』としての資質能力はない。それに『指導者』としても向いてないことも突き付けられた。
 だけど、『応援者』でならば、自分の持っている資質能力を活かせる。そう、『社会をよりよくしよう』『志を絶対に叶えよう』という、特に若い世代のことを『発信する』を通して応援することでならば、『社会をよりよくできる一助になれる』と判断したからと。
 これは、社会の変化により、『自分自身の資質能力をより活かせる道』という環境ができ始めたという判断も大きい(組織に合うタイプとは全くイメージできなかったことを含めて、『フリーランスという生き方』にもっと早く気付けてたら、と正直感じてたりしてます。尤もいまはいわば、自分にとっては『過渡期』的な感じかな、と感じてますけど)。
 
 でも、自分の最大の専門は、実は『スポーツ』、特に『野球・バスケットボール・陸上』です。とりわけいまは『バスケットボール』がメインです。
 なぜって?これも理由はいくつもありますけど、実は自分がとりわけ得意にしてることが『物事を分析すること』です。特にバスケットボール(や野球)って、ここ5年~8年程度で、一気に『統計技術の開発・進歩・成長』が進んできてるんですよね、これにより『選手・戦術の数字的な可視化』ができるようになってると。それでいて、『数字だけでは伝わり切れない、生観戦や映像でこそ感じられる【不可視的な要素】をも総合的に判断すること』が併せて求められる、そういった『奥深さ』にも惹かれるのです。
 
 ですけど、自分のより理想なのは、『人間らしさ』を感じたいんですよね。人間自体が完全ではないが故に、社会を完全な理想にすることは難しいかもしれない、でも『その人間の素晴らしさ・特徴・魅力』を発信することを通して、『社会としての理想へのヒント』を提示することはできるかもしれない、これが、自分が辿り着いた道である、って感じなんですよね。」


 そう、「人間らしさ」。うまく言葉に落とし込めない感じが正直もどかしいですけど、「人間だからこその、生々しさ」「理屈だけでは説明し切れない、その人間だからこその独特さ」、これに自分は心を惹かれるのかな、と感じるんですよね。

 自分の場合は、それが「スポーツ」です。例えばバスケットボールでだと、観客席から、「選手は勿論、コーチ・マネージャー・トレーナー、さらには球団職員(球団や状況によっては、社長・GMをもの場合も)まで、まる見え」、ですので、「息づかいをとても感じられる」、これがとても好きな理由の1つです。
 あるいは、「陸上」。陸上や競泳って、「自分自身との戦い」であるのが、このスポーツ独特の特徴です。そう、「昨日の自分よりも、今日の自分」と。でも、どれほど全力を出し切っているつもりでも、うまくいくとは限らないこと。
 で、個人走(マラソン・トラック・フィールド)であれ、駅伝であれ、そこに「人間ドラマ」がとても伝わることなのです。歩んできた道がそれぞれに異なっていて、「挫折を経験した人間」「遅咲きの人間」とかも混ざっているのです。そういうところに、特に心を惹かれるんですよね。


 ですので、智咲ちゃん、「絵」のことについて、これから話を進めていこうと思ってますけど、

 「人々の心に響き、元気づけられる作品を作りたい」
 「人間にはそれぞれの個性があり、絵を描く価値は揺るがない」

 これは確かに、「AI」「CG」でも、できなくはないかなですし、少なくとも自分が出会った絵では、「CG絵」だけど「それがむしろ、より強い説得力をもたらしてる」絵があったことは事実です。
 ですけど、恐らくですが、

 「人々の心に響き、元気づけられる作品」「人間が持つそれぞれの個性こそに、絵を描く価値がある」、それこそが「手書きの絵だからこそ表現できる『人間らしさ』」と、より密接にリンクできる、といえると思うよ!

 と伝えたいんですよね。


 ではここで、話をより核心へと進めていきましょう。
 自分は、先述のように、絵のことは「専門外」ですので、もしかしたらピント外れなところが少なからずあるかもですけど、「こういう考え・意見・解釈もあるんだ」の感じで読み進めて頂けると、とても嬉しいです。








 これから話を進めていくキーフレーズ。

 ・「絵師100人展」
 (例年、GW頃に東京・秋葉原で、9月中旬頃に大阪・南港ATCで開催される絵画展覧会。この展覧会への出展は、「絵師・イラストレーターにとっての最高到達点の1つ」といわれている。
 自分は「2023年」「2024年(今年)」と、いずれも大阪で2回鑑賞。これを知ったのは2022年にツイッター上でのプロモーション広告でだが、当時は日程が合わずに[シンプルに先約があった]参加できなかったが。)

 ・「神絵祭」
 (「アールジュネス」というイラスト販売企業が主催の絵画展覧会。出展絵師の数は「絵師100人展」より少ないが、その顔触れは、「絵師100人展より、恐らくむしろ大物がずらり」という感じ。
 自分はまだ参加したことがないが、テイスト的には恐らく「絵師100人展」に近い[いつか鑑賞を叶えたいですが、日程が合うか]。)



 恐らく、いわゆる「絵師」「イラストレーター」を扱う展覧会は、他にもあるかもの想像です。で、もう最初に述べますと、この「絵師100人展」、言葉通り「100の絵」が展示されてますけど、このうちの「90%超~95%程度」が「美少女系統の絵」です(恐らく「神絵祭」も似た感じでしょう)。
 (例年、このうちの10~15程度の絵が、「音声ガイド」でより細かく説明されます。勿論自分も、「音声ガイド」を購入させて頂いての鑑賞です、この音声ガイドで、その絵の特徴・魅力をより深く感じられるので。)

 智咲ちゃんは、「絵師100人展」「神絵祭」は、鑑賞した経験はありますか?いずれも毎年開催されてますし、関西圏でも開催されてます。
 特に「絵師100人展」は、「音声ガイド」の活用の推奨もですけど、「図録」がとても素敵なんですよね。



「絵師100人展 14」(2024年版)の図録。
「2700円」しますが、実際に拝読すると「むしろ激安」といえるほど
「『素敵な絵の数々』が、2700円(映画の1.5回分)で読めるんだ!」
といえる感じです。図録とは、絵(100の絵の全てです)は勿論、
その絵の1つ1つに、絵師さんが「この絵に込めた想い」のメッセージが添えられてるのです。
(絵師さんによって、コメントがハイボリュームな人も、さらりと一言のみの人もいます)
ちなみに自分は、鑑賞させて頂いた2回分は勿論、
鑑賞が叶わなかった2022年の回(第12回)を含めて、
「3回分の図録」を持ってます。自分自身を元気付ける存在になってます。



 で、「絵師100人展」に参加している画家さん。
 参加している100人、展覧会では「絵師」と呼称されてます。
 では画家自身はどう呼称してるかと申しますと、ほとんどが「イラストレーター」、たまに「絵描き」と称してます。「画家」と呼称してるのは、把握できてる限りはいなかったです。

 これは、「イラストレーター」と「画家」の定義が、かつてと近年(恐らく、コロナ危機の以前と以後?)で変化してきてるのもあるのだそうです。
 どういうことか。たとえ話的な感じになりますことを、何卒御許しされたしです。




 「東野圭吾さん」「湊かなえさん」「角田光代さん」。
 智咲ちゃんも、恐らく、この3人の作家さんは、名前を聴いたことがあるのでは?と想像です。
 そう、3人共に、いくつもの作品が「映像化」、つまり「映画化」あるいは「ドラマ化」されている。というか、これは恐らくですけど、この3人は特に「作品が映像化されることを意識して書いているタイプの作家さん」である訳です。

 東野さん、湊さんら3人は、いわば「いまの作家さん」です。
 では、もう少し古い時代の作家さんを挙げさせて頂きます。



 「西村京太郎さん」「山村美紗さん」「赤川次郎さん」。
 智咲ちゃんも、恐らく、この3人の作家さんも、名前を聴いたことがあるのでは?と想像です。
 そう、西村京太郎さんら3人は、それこそ「いまをときめく」東野圭吾さんらよりも、「映像化された作品がたくさん」あります。



 西村京太郎さんら3人に共通するのが、「2時間ドラマの原作者として、とても重宝された」ことです。いまは「2時間ドラマ」でやることは、「映画にとって代わられた」感じでして、「2時間ドラマが一気に衰退・消滅していった」理由は、実はいくつものことが複合的に起きたが故ですけど。
 (ただ、自分はいま「40歳」ですけど、「2010年代前半までは、『2時間ドラマは日本独特の文化』であるとして、とても重宝されていた」んですよね。実際、高視聴率の番組は「2時間ドラマの作品」がずらりでしたから。
 なぜって?シンプルに「2時間ドラマには『固定ファン』がいるから」。かくいう自分も、自宅では2時間ドラマがバンバン掛かってましたし、70歳代になった母は、「2時間ドラマの再放送がBSであることがどれほど貴重であるか」と、毎月のように言ってますから。)

 なぜ、「2時間ドラマが一気に衰退したのか」。

 ・「製作費が高騰しやすい(現地ロケにこだわるため。特に西村京太郎作品がそう)」
 ・「このジャンルを得意とする役者さんの高齢化(特に「刑事・警察もの」は「警察官の実際の定年は60歳」なのに、役者さんの実年齢は「役の設定年齢よりも10歳前後[あるいはそれ以上]の年上」であることが半ば常態化していた)」
 ・「『放送禁止用語』『残酷な場面』という時代の流れに抗えなく(あらがえなく)なったから」

 これらのことが複合的に起きてしまったから。いま風に述べれば、「『コスパ』『タイパ』に見合わないから」ともいえますね。
 確かにこれらも理由の1つです。でも自分は、「2時間ドラマの原作者」として重宝された上述の3人(あるいは「和久峻三さん」「森村誠一さん」「内田康夫さん」とかを含めてです)が、「高齢化した」「逝去した」により、いわば「原作のストック(手持ちの作品)が尽きていった」も、正直大きかったと想像するのです。
 東野さん、湊さんとかの作品だと、「『ひねり』がきつくて独特である」んですよね、ですので「わかる人にはわかるかもだけど、少なからず難解になってしまう」、それ故に「視聴者側がついていけなくなる」意味で、「2時間ドラマ向きではない」訳です。



 余談ですけど、自分は実は「鉄道ファン」でもあります(「乗り鉄」「車両鉄」。自分の場合は、より厳密には「電車から見える景色・風景を楽しむ」タイプです)。
 なぜ、自分が「鉄道ファン」になったのかは、「単純に、電車から見える景色が好きだから」もありますけど(母曰く、自分が物心がついたときには既にそうであったと伺う。この場合の「物心がつく」は、恐らく「幼稚園を終える頃くらい?」と)、正直、「西村京太郎さんの作品の影響」も少なからずあると感じてます。

 で、西村京太郎さんの作品、「トラベルミステリー」とよく呼称されてますけど、そこで多用されるのが「時刻表トリック」です。これを崩していくのが、自分的には「テンションが爆上がり」の感じで。


 …と、話を脱線させたかもですけど、どういうことかと申しますと、
 「東野圭吾さん」「湊かなえさん」「角田光代さん」、あるいは「西村京太郎さん」「山村美紗さん」「赤川次郎さん」、この6人に共通するのは「作品が映像化されることを前提としているタイプの作家さん」です。
 いわば、東野さん、西村さんら6人の作家は「大衆文学タイプの作家」=「イラストレータータイプの作家」であると映るんですよね。


 そう、これを言い換えると、「純文学タイプの作家」=「画家タイプの作家」であるといえると。「古典的なタッチをより得意とする画家」は、確かに「純文学タイプの画家」といえますので。
 勿論、「大衆文学タイプ」「純文学タイプ」、それぞれによさがあると想像ですけど、物語の世界に、より「すっと入っていける」のは、「大衆文学タイプ」である傾向が強い、少なくとも自分の感覚はそうです。


 確かに、より一般的な定義では、「画家」は「個人として好きなタイプの絵を、好きなタイミングで発表する」です。
 その一方で「イラストレーター」は「クライアント(依頼者)との協働で、絵をつくりあげていく」です。



自分が大好きになった絵師さんである「Hitenさん」。
この第1画集である『ADOLESCENCE』(3600円)。
意味は「青春」とのこと。得意とする「美少女絵」がずらりですが、
Hitenさん曰く「その背景の風景をも併せて観て欲しい、それもセットで1枚の絵」
とのことです。
Hitenさんが大好きになった理由は後述ですけど、
「あっ、この『目』『瞳』が、Hitenさんの独特さ!」って感じで、
これが自分自身の感受性にとても合うんだろうなと。


で、ここで注目であるのが、
「Personal Works」「Client Works」の2章構成であることです。
そう、「Personal Works」は「ただシンプルに、好きで発表している絵」。
一方で「Client Works」は「アニメ・漫画・合同展覧会のための絵」。
実は、Hitenさんのような「トップレベルの絵師」は、
いわば「イラストレーターでも画家でもある」の理屈になる。
本人曰く「イラストレーター・絵師」とのことですが、
そう、「イラストレーターと画家の線引きが、なおさら曖昧になってる」、
いわば「よりボーダーレス化してきている」と映るんですよね。





 「この度は、初画集『ADOLESCENCE』を
 お手に取ってくださりありがとうございます。

 小さい頃から絵を描くのが好きでしたが、
 イラストレーターになって日本に来て
 画集まで出版させていただけるなんて想像もしていませんでした。

 自分が好きなものを好きでいてくれる方々がいるからこそ、
 これまで描き続けることができたのだと思います。

 いつも見てくれる方々、支えてくれる方々、
 画集の出版に携わったすべての方々に感謝いたします。

 これからも変わらず好きなものをたくさん描いていきます。
 またどこかで自分の絵を見てくれたら嬉しいです。

 (Hitenさん、自身の第1画集『ADOLESCENCE』、175頁での「Afterword[あとがき]」での言葉より。2022年1月に発表。
 ちなみにHitenさんは「故郷が台湾」であるため、「日本に来て」という表現になってます。現在は東京を活動拠点にしてるとのことです。)


 そう、「イラストレーター」といっても、「自分の好きな絵」を描くことは、普通にできる訳です。というか「絵師」「絵描き」って、そもそも論として、「絵師の分だけ、得意とする描き方がある」はずである訳で、「絵の描き方がそれぞれに異なっていて、むしろ当然である」ですのでね。


 で、智咲ちゃん、朝日新聞の「声」欄に文章を寄せたとき(2023年8月11日)が「13歳」とのことですけど、「当時が中学1年生→いまが中学2年生」、「当時が中学2年生→いまが中学3年生」になる訳でと。
 いまだと、「ツイッター(X)」「ピクシブ」は、閲読できるのかな?という感じで。





 自分は、絵を描く才能が皆無なこともあるので、「ツイッター(X)」での話をさせて頂きますけど、ツイッターで有名な絵師さんは、正直恐らく結構いると想像です。
 そもそも、絵のことを「自分ごと」と考えるきっかけになったのは、「2015年7月、『ラブライブ』との出会い」なんですよね。当時、自分は31歳。この「ラブライブとの出会い」も、自分の大きな転機の1つでしたけど、「ラブライブ」に出会ったことで、「『ほんとうの自分』=『オタク気質』」であることに気付いたのです。
 いま思えば、子ども時代、『美少女戦士セーラームーン』が大好きだったんですよね(なお自分は男性)。その一方で、中学生・高校生~20歳代の自分は、いわば「オタク気質という、ほんとうの自分」に無意識的に心を背けながら生きてきた、といえるかもですけど。

 尤も、自分が好きな「アニメ作品」は、正直偏りがあります。

 基本的に「音楽アニメ」「青春・学園・恋愛アニメ」「美少女アニメ」にほぼ集中。かつ、「アニメ絵」(「漫画絵」は、一部の作品を除いてなぜかアウト)。

 なぜでしょうねえ、自分でも不思議です。ただ、「この絵柄は無理!」と、脳が反応してしまうんですよね。
 でも、漫画絵が一律にだめという訳ではないのです、実際、自分が特に大好きな作品である『五等分の花嫁』は、絵柄が「漫画絵」ですから。



 はい、「ラブライバー」(「ラブライブ!シリーズ」のファンのこと)であることは、「自分自身のアイデンティティー」である感じですので。
 「2015年7月」、そう、「μ’s(初代のラブライブ)の劇場版からのファン」ですので、「ラブライバー」になって、気が付けば「9年以上」になります。




 そう、20歳代のときには、まさか自分がこうして、(頻度的には「年に数回程度」ですが)大阪の「なんば・日本橋・恵美須町」の「オタロード」「アニメイト大阪日本橋店」を利用する(出入りする)人間になるとは、全く想像していなかった訳です。「人生って、とても不思議だな」、これは自分の正直な実感なんですよね。





 で、そう、もともとは「画家」「イラストレーター」と表現してきた訳です。もちろん今でも、正式にはこの表現である訳です。
 ですけど近年ではむしろ、「絵師」「絵描き」という表現がより多く使用されてきている感覚があります。
 感覚的には、絵が好き・得意な人間は、誰もが「絵描き」であること。その上位形態が「絵師」であるが、自分の解釈です。



 で、ツイッター上で有名な絵師さん、正直、恐らく100人以上?の感じでいらっしゃいますけど、ここでは、有名な絵師さんを1人、代表例的な感じで挙げます。
 「めざし」さん。「ラブライブ」関係ではとても有名な絵師さんです。
 特に『ラブライブ!サンシャイン!!(2代目のラブライブ)』での「よしまる」絵のイメージが強い人間、という感じです(「めざし≒よしまる」といっていいほどに「自他共に認める代名詞」ですね)。




 この「めざし」さんの場合、『ラブライブ』という特定の作品によって、道を拓いた人間、の感じになります。ですけど、「有名な絵師」ではありますし、プロとして勝負できてるといえますけど、ツイッター上での有名な絵師は、その多くはいわば、恐らく「セミプロ」です。

 そう、「セミプロ」といま述べましたけど、ツイッター上での有名な絵師(この場合、「手描きの絵」に絞らせて頂いてます)、「技術レベルはプロ級である」の人間、それこそ何人もいるのです。
 「間違いなく上手いのに、セミプロ」と「プロ(さらにはトップ絵師)へと上り詰めた」、その違いって何だろう?ととても考えさせられてます。



 智咲ちゃん、ここまでの話だけでも、既に長くなってしまってごめんね。
 そして、「絵」の素晴らしさ、ここからがより核心になる感じで。

 では、「絵師100人展の図録」「Hitenさんの第1画集」を使用資料と明記させて頂いた上で、話を進めさせて頂きます。




(資料絵画1)「しらほ」さん、「トレンドは巡る」。
「絵師100人展13(2023年版)、82頁~83頁」。
この絵、「CG絵」です。いわゆる「グラフィック絵」。
「手描きではないけど、AIでもない」絵です。
個人的には、この「CG絵を活用する絵師さん」は、今後増えるだろうと読んでます。
正直、「手描き」の方が、より細かい個所まで描写できると感じてますけど、
でもこの、しらほさんの絵は「CG絵だからこそできる表現」の長所が伝わると。
わずか1枚の絵で、社会が歩んできた道を凝縮して表現できてる。
青を基調とした少女と、文字や色彩による説明が、絶妙にリンクしている。
しらほさん曰く、「服や小物などの流行は20年周期で繰り返すといわれており」
と仰ってますが、いわれてみれば確かにそうかもと。
いずれにせよ、この独特のCG絵は、「AI絵との生存競争のヒント」になり得るかも、
それを含めて、とても心を揺さぶられた絵の1つです。




 「資料絵画1」。「しらほ」さん、「トレンドは巡る」。
 「手描きの絵だからできる素晴らしさ」を説明したい感じですけど、1枚目にCG絵を持ってきたのは、「CG絵だからできる表現だって、あるんだよ」と伝えたかったからです(実際、この「しらほ」さんの絵って、「CG絵だからこそできる表現」を追い求めている感じで、「CG絵だって、細かい描写ができる」と。
 近年、「ふわふわ言葉」(簡単に述べれば「優しい言葉」です)の重要性がいわれてますけど、この「しらほ」さんの絵って、いわば「ふわふわイラスト」です。描かれてる少女が、プラスの意味で「ふわふわしてる、でもそのふわふわ感が躍動感になってる」と。
 「オリジナリティーを確立できていて、すごいなあ」です。




(資料絵画2)「necomi」さん、「振り返れば、すべてが。」。
「絵師100人展14(2024年版)、130頁~131頁」。
自分が出会った、あらゆる絵の中で、「ダントツno.1で、とても感動した絵」です!
老年になった女性が、自分の歩んできた道を振り返る描写です。
中央にドンとある、結婚式を挙げた姿、この中央の絵だけでも
「なんと神々しい、とても素敵な絵だろう」の感じですけど、
「嬉しいこと、悲しいこと、1つ1つのすべてに意味がある、
その人らしさを形作っている」が描写されている、これにとても感動なのです。
右上の、バレーボールに熱中する姿(中学校or高校時代?)、
左上の、何かに挫折して海岸で涙を流す姿、
左下の、出産をして、赤ちゃんを愛おしそうに接する姿。
(「愛おしそうに」は「いとおしそうに」と読みます。)
1つ1つそれぞれが、その人の「人生」「歩んできた道」。
挫折をしたこと、何かに熱中したこと、いずれのことだって
最終的にはその人にとってプラスになってるんだよ、というメッセージ。
この絵に出会い、「生きてきてよかった。これからも『自分らしさ』を追い求めよう」
と、「生きる勇気」をもらえた、「最高にとても素敵な1枚の絵」です。
necomiさん、自分にとって「永遠の心の宝物」です、ありがとうございます。






 写真を撮ったとき、撮られたときに「もっといい笑顔だったら」と思うことは少なくないと思います。
 誰だってその時の最高の一枚を残しておきたいと思いますよね。

 幼少期のアルバムや写真フォルダを見返すといろんな自分の姿を振り返ることができますが、そんな時につい目で追ってしまうのは、ふとあくびをした時の間抜け面(まぬけづら)や、悔し涙を流した表情だったりと、その瞬間の思い出までよみがえるような一瞬をとらえた写真でした。

 長い人生の中では、楽しいこと、辛いこと、悔しいこと、後悔など、いろんなことがありますが、後で振り返ってみたときに、全て一度しかない輝きを持つ自分だけのかけがえのない瞬間であると、私はそう思うのでした。」

 (「絵師100人展14[2024年版]の図録、130頁~131頁、necomiさんの「振り返れば、すべてが。」の説明コメント。)



 この絵に出会ったとき、自分は、感動のあまり、嬉し涙が溢れ出てきて、しばらく立ち尽くしていました。
 智咲ちゃんの言葉でいう、「人々の心に響き、元気づけられる作品」「人間が持つそれぞれの個性こそに、絵を描く価値がある」を、まさしく体現している「渾身の1枚」である!と。そう、「人間の心に訴える絵」って、存在するんだよ!そしてそれは(CG絵でも可能ではあるが)「手描きの絵だからこそ表現できる絵」といえるんだよ!と。

 確かに、例えば中央の結婚式の女性の絵だけでならば、AI絵でも描けるかもしれません。ですけど、「1人の人間の歩んできた道を、1枚の絵という限られたスペースに、過不足なく投影できる絵」は、「手描きの絵だからこそ表現できる」、自分はそう伝えたいのです。

 そう、このnecomiさんの「振り返れば、すべてが。」は、この絵師さんにとっての「渾身の1枚」であることもですし、「絵だからこそできる表現、手描きの絵だからこそ描ける価値は、明確に存在する」を雄弁に語りかけてる1枚と映るのです。




(資料絵画3)「フカヒレ」さん、「in a cage」。
「絵師100人展13(2023年版)、146頁~147頁」。
この絵は、「絵師100人展13 大阪展」のキービジュアルになった絵です。
この前年(2022年版、第12回)を、日程的な理由から泣く泣く断念してた自分ですが、
2023年版の回、キービジュアルのこの絵を見て、
「絶対に生鑑賞を叶えないと、恐らく一生後悔する」
と強く感じたんですよね。で、初日の朝一で鑑賞。
(今年の第14回は、平日[水曜日]の朝一にしました。
なぜって、平日にすれば「混雑がよりまし」ですし、
平日でも「図録を入手できる」の言質を頂いてましたし、
自分はフリーランスなこともあり、平日の鑑賞も可能ですのでと。)
ですけど、この1枚の絵。実に「奥が深い」。
「かわいらしい」中に、「悲しみ」と「立ち上がろうの姿勢」が伝わる。
「これからできれば、よほど日程的に無理でない限り、
『絵師100人展』、毎年、生鑑賞を叶えたい」、
そう強く感じた絵だったんですよね。






 足枷(あしかせ)、首輪、鳥籠(とりかご)。
 「輪」ということばから私が連想したのは、前向きな情景ではなく、どこか自分を閉じ込める、縛り付けるようなイメージばかりでした。

 自分自身の人生について思い悩んだ時期だったからかもしれません。
 もともとの悲観的な性格のせいかもしれません。

 ただ、そんなイメージを否定はしたくなくて、きれいなものに昇華できたらと思いこの絵を描きました。

 そして、絵の中の女の子には遠くにいける翼と、枷(かせ)を解くための鍵をあげました。きっと夜明けには飛んでいけるはず。

 (「絵師100人展13[2023年版]の図録、146頁~147頁、フカヒレさんの「in a cage」の説明コメント。)


 自分にとって、「『絵』って、こんな可能性があるんだ」と感じたのが、このフカヒレさんの「in a cage」です。
 ただ「かわいい」だけではない。そこにいくつもの意味を含ませてることが伝わることもですし、「何かを訴え掛けるような絵」「メッセージ性が伝わる絵」に、自分には感じたんですよね。
 そう、この絵をツイッター(X)の広告上で見たとき、自分の中で、不思議と心を揺さぶる感覚を覚えた訳です。

 自分は、「文章」で生きています(まだ「端くれ」レベルですが)。でも、「絵」や「文章」って、時として「ナイフ」「銃」にもなり得ますけど、一方で「光」「希望」「感動」にもなり得る、自分はそう強く信じているのです。

 で、この「in a cage」って、「陰」でも「光」でもある絵といえると感じていて。
 これが、「自分自身の持っている個性」「歩んできた道」とも重なることが、「よりとても共感できる」感じでと。
 自分って、どこか陰(影)がある。それが自分自身が、人間関係で苦しめられたり、人生の勝負どころで持てる全力を出し切れなかったりと、自分自身を苦しめてきたと。
 でも一方で、こうも実感してるのです。

 「影がある人間であるが故に、他者よりも逆境を多く経験を余儀なくされたかもしれない。
 でも、影がある人間だからこそ、『人間の心の痛み、悲しみ』を誰よりも知っている・学んでいる。だから自分は、『優しさ・思いやり』を人一倍育むことができてるかもしれないと感じてる。」


 で、この「フカヒレ」さん、『絵師100人展』のキービジュアルに起用されるほどに、いわば「現役のトップ絵師の1人」です。
 ここでは、2023年版の「in a cage」を取り上げてますけど、その前年(2022年版)の「祝福の花道」、これも「心を揺さぶる絵」で。

 いずれにせよ、そう、この「in a cage」は、「この1枚だけで、自分にとっては『プライスレスの有意義さ』」の1枚と実感です。




(資料絵画4)「遠坂あさぎ」さん、「Select」。
「絵師100人展12(2022年版)、102頁~103頁」。
実に「とても立体的な絵」。憂いを帯びた少女と、
螺旋状(らせん状)の階段が、「人生の岐路」を描写してるのです。
これもまた、「手描きの生々しさだからこそできる輝き、細かい描写」の賜物ではと。
で、この、遠坂あさぎさん、女性とのことです。
そう、智咲ちゃん、あなたの「志」の先人といえるんだよ!と。
「ね?人間の心に響く、生きる勇気を与える作品」といえるでしょう?と。






 こんにちは。遠坂あさぎと申します。
 去年に引き続き、今年も「絵師100人展」にお招きいただきありがとうございます。

 人は生きている限り必ず「選択」しなくてはならない場面に遭遇(そうぐう)します。
 とても小さくて些細(ささい)な選択や、今後の人生に関わるような大きな選択まで様々。
 そして、自分自身が得た知識や経験などを頼りに考えを巡らせ(めぐらせ)、選び取る。
 私にはそれがまるで、大きな書庫の中から自分の求める本を探し出すようだなと思いました。
 自身が巨大な書庫で、中には培われた(つちかわれた)知識や経験という本たち。膨大(ぼうだい)な数の本から必要な本を選んでいく。
 そうしたイメージでイラストを描かせていただきました。

 今回のテーマは「道」ですが、人生は自身の選択次第でありとあらゆる分岐ができ、そして二度と戻ることのできない一方通行の「道」だと思っています。

 どうかこれから先の人生に悔いのない「選択」をできますように。

 (「絵師100人展12[2022年版]の図録、102頁~103頁、遠坂あさぎさんの「Select」の説明コメント。)



 「なんと立体的な絵だろう!」。この絵に出会ったときの、自分の正直な感覚です。
 それは、「構図的な立体さ」「色づかい的な立体さ」もあります。でもそれだけではない。
 「表現しようとしてることの立体さ」。これこそ、この「Select」の秀逸さを示してると映るのです。まさしく、「渾身の1枚」であると。



 「名作」といえるからか、なんとこの絵、「2025年の年明け」に「フィギュア化」が決定してるとのことです。値段がえげつないですが「そりゃあ、この名作だもんね」と解釈すると、正直納得できます。

 「人生の岐路」でもあるけど、

 「人生は自身の選択次第でありとあらゆる分岐ができ、そして二度と戻ることのできない一方通行の『道』だと思っています。」

 「自身が巨大な書庫で、中には培われた(つちかわれた)知識や経験という本たち。膨大(ぼうだい)な数の本から必要な本を選んでいく。」

 いわれてみれば、確かにそうだよなと。そしてその選択というのは、「プラスの転機」にもなり得れば、「一気に逆境へと転落」にもなり得る。
 実際、自分自身、この両方を経験しています。自分の場合でだと「大学受験、選択の失敗」(受験校自体、及び日程の選定で。「人生で最大の後悔」を、最大の大一番でやらかした、「永遠に消えないトラウマ」です)による転落・逆境。

 その一方で

 「(東日本大震災の)東北でのボランティア活動への参加」(2011年、27歳)
 「『ラブライブ』との出会い(これにより、「アニメ好き」という「ほんとうの自分」に出会う。『絵師100人展』との出会いも、正直この延長線上)」(2015年、31歳)
 「バスケットボール(Bリーグ)との出会い。『時間を忘れて、夢中になれること』に出会う」(2020年、35歳。コロナ危機の突入の直前)
 [厳密には、もともとNBA[米国のバスケ]を観てた素地はありましたが、「こうして生観戦を年に何回も」という意味で、大きな転機でした。]


 「逆境」も何回も経験してきたけど、その一方で、「転機」も何回も経験してきて、「いまの自分」がいる
 いまならば理解できる、「逆境」も、自分に必要な経験といえるかもしれないと。「逆境」を経験したから、「人間として大切なこと」「人間としての引き出し」を拡げて深められて、そういった「努力」ができたから、「転機」を引き寄せることができたんだと

 智咲ちゃんも、恐らくこれから、いろいろな「学び」「経験」をしていくと想像です。その中には、恐らく「転機・チャンス」もあれば「逆境・ピンチ」もあるかなと想像です。
 でも、これははっきりといえる。「『努力』し続けられる人間」「『信念』を貫ける人間」こそが、「転機・チャンス」を叶えられるんだよ!と。
 智咲ちゃんならば、きっとそれができるよ!なぜって、「どうしても絶対に自分は、絵をずっと描き続けたいんだ!」という「志」が明確にあるから!

 いつか、智咲ちゃんが「渾身の1枚」を叶えるとき、1人の人間として、是非とも観たいです!
 そう、この「遠坂あさぎ」さんが、この「Select」という「渾身の1枚」を叶えたように。


 ちなみに、この「遠坂あさぎ」さん、素顔は女性とのことですが、ファンからは「ママ」という愛称で親しまれてると伺います(理由は存じません)。
 智咲ちゃんも、そう、「絵師志望の女性」という意味で、画集に手を取ってみるのも一案かなです、値段が結構するけど、「バスケットボールの生観戦の1試合分」と思えばと。



(資料絵画5)「ふーみ」さん、「夜明け前、天に星を、心に花束を」。
「絵師100人展13(2023年版)、144頁~145頁」。
優雅にたたずむ少女、そこに彩られてる
花束、大きな鳥、そして教会。そして「青」を強調した色合い。
まるで「ファイナルファンタジー」(有名なRPGゲームです)の世界にいるよう。
ああ、美しい、実に素敵な絵です!と。
で、この、ふーみさん、女性とのことです。
しかもなんとこの絵、後述で言及させて頂きますけど、
「Hiten版画展」(今年の10月中旬に鑑賞)を訪れさせて頂いた際に
(会場は「アールジュネス日本橋、3階」。
「手前側が常設スペース、奥側が企画スペース」の感じ。)
なんと、常設スペースにこの絵が!
スタッフさん曰く「ふーみ先生の代表作の1枚です」。
うん、とても納得。「渾身の1枚」って感じですもん!






 「輪」という漢字から、月と日、繰り返す朝と夜、そして、人々の輪を思い浮かべました。

 現在、日々忙しく、一生懸命に生きているとふと心にぽっかり穴があいたような、何か大切なことを忘れているような、寂しさを感じることがあります。

 例えば花をきれいだと思うような心のゆとりや、美しいものを美しいと感じる気持ちを忘れずに、毎日を大切に過ごせたら良いなと思ったこと、ひとりひとりの想い、願いをつないでいくことできっと大きな力になって、私達を照らす光になりますように、という気持ちでこの絵を制作しました。

 背景には、毎日を数える暦(こよみ)である「グレゴリオ暦」から着想を得て洋風のモチーフを主軸に取り入れてみました。
 暦にちなんで、日本独自の五節句(七草、桃、菖蒲[あやめ]、星、菊)を石の模様や服の柄などに、こっそり忍ばせています。
 イラストの雰囲気とともに、楽しんでいただけたら嬉しいです。

 (「絵師100人展13[2023年版]の図録、144頁~145頁、ふーみさんの「夜明け前、天に星を、心に花束を」の説明コメント。)



 この絵に出会ったときの衝撃。「うわあ、なんと幻想的」
 「青」系統の色合いが、自分好みの色合いであることもあるかなですが、
 (最も大好きは「白」。それと「紫」「青」も好きな1つです。)
 いくつもの要素を過不足なく1枚の絵に収めていて、それを「輪」、この場合でだと「つなぐ」「つながり」の意味に落とし込めていること。
 中心に描かれてる少女の「強く、温かく、凛とした感じ」を、彩りを添える背景や花束とかでより説得力をもたらしてて、「うわあ、優勝!」って感じでした。


 「例えば花をきれいだと思うような心のゆとりや、美しいものを美しいと感じる気持ちを忘れずに、毎日を大切に過ごせたら良いなと思ったこと。」
 「ひとりひとりの想い、願いをつないでいくことできっと大きな力になって、私達を照らす光になりますように、という気持ちでこの絵を制作しました。」


 ああ、なるほど。「ひとりひとりの想い、願いをつないでいくことで、私たちを照らす光になりますように」、うん、「すとんと落ちる」(とても納得できる)と。
 これこそまさしく、「人間の心に訴える作品」「人間の心に響き、元気づけられる作品」といえる!そう強く抱くのです。

 この「ふーみ」さんも、女性の絵師さんです。そう考えると、智咲ちゃんが志す道を歩んでいる「目標といえる先人の1人」です。


 ちなみに、ここまで綴った時点で、取り上げてる5つの絵のいずれもが「青系統の色合い」ですけど、先述の(絵画資料4)での「遠坂あさぎ」さんは、むしろ「赤系統」をより得意としている感じです。

 そう、遠坂あさぎさんの、2023年版での「四季廻り」は、「赤系統の色合い」を基調としてますけど、赤が持つ特徴の1つ、「情熱」をうまく落とし込んでいます。「輪」に沿うべく、「赤いリボン」(新体操とかで使うような)で表現していることも、より説得力を持たせてます。




 …と、ここまで(というか、ここから先もそうですが)、
 「えー、全員『美少女の絵』じゃないですか。」
 と感じるかもです。はい、そうです。というか、「90%以上が『美少女系統の絵』」、はい、「偏りが過ぎてるでしょう?」と感じます。

 ですけど、(自分は絵は全くの専門外ですので、「恐らくの域を出ない」の注釈付きになりますけど、)
 「シンプルに、『ニーズ・需要が最もある』から。」
 結局は、これに尽きるということでしょう。

 これは、絵師・イラストレーターは、「ライトノベル」「映画のノベライズ(小説化)」及び「Vtuber」「ゲームのキャラクターデザイン」「アニメのキャラクター原案」が主たる仕事の感じですけど、
 「アニメ・漫画自体が、主人公の年齢設定が若い(10代~20代が多い)」
 こと。あるいは、近年にニーズを伸ばしてきている「Vtuber」は



 そう、「Vtuber」のキャラクター設定自体が、いわゆる「萌え擬人化」の傾向が顕著である訳です。
 「風景画はありですか?」、ない訳ではないです。
 はい、美少女絵の背景として、「実はより描きたいこと」としての風景画テイストは、あります。ですけど、一般にイメージする風景画だと、「古典的な絵」に位置付けられる傾向がより強いかなと想像です。

 「『人間の心に訴える物語・映画』と『数字として売れる・成功する物語・映画』は、イコールではない。これは絵でも正直、恐らく同様。
 でも、より大切なのは、『人間の心に訴える絵』に『絶対的正解は恐らく存在しないよ』と、自分は伝えたいです。
 智咲ちゃんが『どうしても伝えたいメッセージ』があるなら、『そのメッセージを、智咲ちゃん自身のイメージに正直に、1枚の絵に落とし込む』、そうすれば『渾身(こんしん)の1枚』のイメージがより伝わるんじゃないかな?」


 …と、自分は正直、そう感じるのです。


 「好き」を、「理想」を、追い求めて欲しい!「絵の技術」を高めることも、勿論大切にして欲しいけど、それと同等以上に、「人間として大切なこと」「社会・身の回りの諸問題のこと」に目を向けて、そういった事象を「『自分ごと』として考える・向き合う」、これを育み続けて欲しい!
 そうすれば、「智咲ちゃん自身が『ほんとうに描きたい絵』」が、よりイメージしやすいと思うよ!


 と、1人の人間として、自分は伝えたいです。


 では、いよいよ、「自分が最も大好きな絵師さん」へと、話を進めます。
 (…って、既に長くなっていますけど、ごめんね。)



(資料絵画6)「Hiten」さん、「On The Stage」。
「絵師100人展14(2024年版)、142頁~143頁」。
そう、後述で言及させて頂きますが、自分は、「絵師100人展」での3つの絵
(2022年版~2024年版)、いずれをもで、Hitenさんの絵に、とても感動して、
心を強く揺さぶられたのです。なんと美しい、なんと細やかだ(こまやかだ)、
まるでそこに、ほんものの人間が存在しているかのようだ!と。
「絵が、何かを雄弁に語り掛けている」、自分にはまるでそう映るのです。
特に、この「On The Stage」。実に「躍動感が伝わる」。
そう、この絵に出会っての、直感的な第一印象。「神々しい」(こうごうしい)!
necomiさんの「振り返れば、すべてが。」が「あまりに異次元過ぎる」のであって、
それを除けば、「この絵こそ至高!」って感じです。
そして、この絵を含めた、絵師100人展での3つの絵を通して、
「いつか、Hitenさんの個展が叶うならば、生鑑賞できるとより嬉しいなあ」
と感じるようになったんですよね。そしたら、
YouTube上での広告がきっかけで、10月中旬に大阪で
「Hiten版画展」、いわば「Hitenさんの、事実上の個展」を
鑑賞させて頂く機会を得たのです。
個展の感想?そりゃあ「優勝」でしたよ!





 (←文字化けしてるっぽいですが、「Hitenさんの版画展」のHPのリンク添付です。)


 はい、昨年(2023年)・今年(2024年)と、「絵師100人展」を鑑賞させて頂いて(これは、生鑑賞を叶えられずに、2023年の回のときに図録を購入させて頂いた「2022年の回」を含めてです)、自分が
 「この3年分を通して、最も心を強く揺さぶられた絵師さんが、『Hitenさん』です。」

 なぜって?と聞かれると、「心がそう反応したんだ。」と。
 「世界観」「絵柄」「表情や表現の機敏」「色合いを含めての全体の雰囲気」を総合してですね。



 はい、いま、意識的に重ね合わさせて頂きました、この『心が叫びたがってるんだ。』というアニメ映画を。
 自分が、31歳にして「ほんとうの自分」に出会った際に(『ラブライブ』に出会い、「アニメ好き」である自分自身に気付いたとき)、同じ2015年の夏に公開されて、話題になった作品です。



 で、この『心が叫びたがってるんだ。』(通称「ここさけ」)で、主人公を務めたのが、「水瀬いのり」さんです(「水瀬」と書いて、「みなせ」と読みます。当時、なんとまだ19歳でした)。
 この「ここさけ」での表現が称賛で(そもそも映画作品に起用されたこと自体も、とてもすごいのですが)、一気にスター声優に。程なくして歌手デビューも叶えて、いわゆる「声優アーティスト」として成功を叶えます。

 で、これ、「2019年~2022年(その後もOVAが2つ制作されてるが)」に、『五等分の花嫁』という大型作品で、「五つ子ちゃん」の1人(中野五月役)を務めました。
 はい、この『五等分の花嫁』も、『ラブライブ』と同等以上に大好きな作品です(この作品に出会えたこと自体、「生きていてよかった」と実感です!)。
 この『五等分の花嫁』と同時期に話題を集めたアニメ映画が『鬼滅の刃』『呪術廻戦』です。いわば、コロナ危機から映画界・アニメ界を救ったといわれている「2020年代前半の、アニメ映画の『ビッグ3』」といえます。
 智咲ちゃんも、『鬼滅の刃』『呪術廻戦』『五等分の花嫁』は、このうちの1つ以上は、名前を聴いたことはあるのでは?と想像です。
 (尤も自分は、『鬼滅の刃』『呪術廻戦』は、「ごめんね、絵柄が合わないんだ…。【おいしそうだけど、アレルギーでどうしても食べられない食品のような感じ】と解釈して頂ければと。)



 …って、話を完全に脱線させて、ごめんね。話を戻します。

 Hitenさんの、「絵師100人展」の作品。

 2022年版(第12回)「君と」
 2023年版(第13回)「約束」
 2024年版(第14回)「On The Stage」


 「かわいらしく、美しく、でもそれだけで収まってる訳ではなくて、その中に『影』あるいは『光』が包含されていて、独特の世界観を創出してる。
 それと特に、『表情や表現の細やかさ、いわば【機敏】が伝わること』。これと共に、背景として描く風景も、メッセージ性の1つとして意味を持たせてる感じ。
 正直に述べれば、『絵柄に【変な癖がない】、でもそれでいて【オリジナリティー】を持ってる』ことも併せて大きい。」


 自分が、Hitenさんを「大好き」と感じてる、特に大きな理由が上述のことです。
 「等身大」であり「リアリティー」があるから。「こういう人間がいると、とても素敵だよね」って感じの人物描写なのです。

 特に「目」「瞳」の描写で「あっ、この絵、Hitenさんだ」と伝わる感じですけど、「演出過剰感がない」、つまり「過不足がない」も恐らく大きいと感じてます。


 ちなみに、このHitenさん、出身は台湾です。で、絵師・イラストレーターとして、日本で成功を収めたと。

 では、(資料絵画7)(資料絵画8)へと、話を進めます。



(資料絵画7)「Hiten」さん、「4月の雨」。
第1画集「ADOLESCENCE」28頁(Personal Works)。
(もとは、同人誌『Ephemeral Colors』に収録とのこと。)
Hitenさんの絵の特徴って、「目」「眼差し」「瞳」である、
自分はそう感じてます、いい意味で独特なんですよね。
で、「表情の機敏」がとても伝わること。
半開きの口元にも「らしさ」を感じます。
凛とした、優しそうだけど、それでいて芯を感じる少女。
ちなみに、このHitenさんの第1画集の序盤部分、
何枚も、恐らく「同一キャラである少女」が描かれてます。
トップレベルの絵師さんの中には、「この絵師さんを象徴のキャラ」が存在するっぽい?
感じですが、それがHitenさんにとっては「金髪の耳出しのロブヘアの少女」と想像です。
ああ、かわいい!それでいて、背景とのコントラストが実に鮮やかです。



(資料絵画8)「Hiten」さん、「Limonium」。
第1画集「ADOLESCENCE」56頁(Personal Works)。
(もとは、同人誌『IM/PERMANENT』の表紙に収録とのこと。)
「Hitenさんらしさ」が凝縮の1枚で、「独特の瞳、眼差し」に
「ウェーブが掛かった長い髪」。
そして、この絵の最大の重要要素は、恐らく「掲げるように持つ、花」。
「Limonium」とは「スターチス」という花の英語名とのこと。
(ごめんなさい、今回調べるまで、「スターチス」という花さえ知らなかった…。)
で、「スターチス」の花言葉は「永遠の愛」「永久不変」「上品」「知識」とのこと。
恐らくこの絵は「永遠の愛」あるいは「永久不変」を描写してると想像です。
これもまた、「人間の心に訴える、心を揺さぶる絵」と映るんですよね。



 いま、2つの絵を一気に紹介させて頂きましたけど、そう、『絵師100人展』で、自分が最も感動して、「いつか、個展が叶ったら、鑑賞に伺いたいな。尤も、『日程・資金が合えば』ではあるけど。」と感じるようになってたのが、Hitenさんです。
 そしたら、YouTubeの広告で、偶然にも
 「Hiten版画展、開催」
 と出たのです。これを知った瞬間、「えーっ!マジで!?うおーっ!」。



 しかも、10月中旬、「アールジュネス日本橋」で開催とあるのです。
 要は「大阪」であると。遠征せずに鑑賞できると。
 場所は、「アニメイト大阪日本橋店」の近く。アニメイトの手前を左折して、堺筋沿いに店舗・会場があります。いわば「オタロード」でも「でんでんタウン」でもある場所です。

 この機会を、絶対に逃したくない。版画展の日程まで「1週間を切ってた」のですけど、「全身全霊で日程を捻出」することに、迷いはありませんでした。

 自分はフリーランスですので、時間の融通がある程度はできる。
 ですので、木曜日の開始時(13時)に、生鑑賞をさせて頂きました。

 平日の昼間ならば、人間の数がわりとすいてますから(混雑率が抑えられてるので、「精神的なゆとりを持って、鑑賞できる」)、日程が捻出できるならばの注釈付きですが、自分にはこの方が合う訳です。
 実際、意図通り、「Hiten版画展」、じっくりと鑑賞できましたし。


 特に自分が、とても感動したのが、今回の版画展のキービジュアルでもあります、「Hazy Light」です。この絵については、いまの段階では、多くは触れませんけど、「とても心を揺さぶられた、強い共感を抱いた」と。
 「Hazy Light」が収録された画集が叶えば、って?そりゃあ、「議論の余地はない」といっていいほどに、全身全霊で購入させて頂きたいです!
 なぜって、まさしく「Hitenさんの『渾身の1枚』」って感じですので!


 で、Hitenさんの版画展を観終えて、「画集も2022年に発表されてて、新訂版が2023年に発表されてます」とのこと。ですけど、画集を購入する資金までは用意できていなかったので、後日にと。
 で、11月になり、Hitenさんの第1画集を購入。いざ購入させて頂くと、「絵柄や世界観が、自分にとても合う」って感じで、それを含めて、はい、「優勝!」でした。
 「3600円」でしたけど、これに見合う価値は存分にあると。


 で、ここで、2枚の絵を一気に取り上げさせて頂いてますけど、そう、「あっ、『Hitenさんらしさ』だ!」と感じる1つが、Hitenさんの人物描写って、「髪にウェーブが掛かってる」傾向が強いんですよね。
 はい、ごめんね、ここで「とても恥ずかしいこと」を話します。

 自分、「髪フェチ」なんですよ。長い髪(これはロブを含めて「結べる髪の長さ」であればよい)が似合う女性に、無意識的に「きゅん」と心が反応する(勿論、あくまでも「似合う」ことが大前提ですが)、これが正直あります。

 それはともかくとして、髪にウェーブが掛かってることで、「より曲線的」になる。この「より曲線的」な感じが、何らかの「付加価値」を与えてるのかもと想像です。

 で、(資料絵画7)の「4月の雨」。「Hitenさんを象徴するキャラクター」と想像の「同一キャラである少女」の絵の1つです。
 「耳出しが特徴の、金髪のロブヘアの少女」です。
 実は多くは、左耳に「編み込み&リボン」ですけど、この絵は制服姿だからか、左耳に「編み込み&ヘアゴム」。
 「かわいらしさ」のみならず、「内に秘める芯の強さ」(一見すると穏やかだけど、その内面に「軸」を持っているイメージ)が伝わるところが、特に素敵と感じるんですよね。
 半開きの口元も、「Hitenさんらしさ」を感じます。「等身大」「ありのまま」の感じがより伝わる感じでと。「誇張感、演出過剰感がないことに、魅力を感じる」のかもしれません。

 では、(資料絵画9)(資料絵画10)へと、話を進めます。



(資料絵画9)「Hiten」さん、「『義妹生活』表紙」。
第1画集「ADOLESCENCE」113頁(Client Works)。
Hitenさんの代表作です。そう、イラストレーターの大目標の1つが
「アニメ作品・ライトノベルのイラストを務めること」とのこと。
こう書いてるように、原作は「ライトノベル」。
「小説と漫画の中間的な作風」のイメージです。
「義妹生活」と書いて「ぎまいせいかつ」と読みます。
で、テレビアニメ版は「2024年の7月クール」であったとのこと。
へえ、とてもかわいらしい。さらりと聞く「あらすじ」も、
少なくとも「自分の性に合うかもの範囲内」の感じっぽい。
ヒロインのアニメ版の担当声優は「中島由貴さん」。
『BanG Dream!』(通称「バンドリ」)で知られてますが、本作で
「1人の声優としての代表作」をついに叶えた感じ、おめでとう!
いつかまとまった時間がとれたら、見逃し配信で観たいなあ、です。



(資料絵画10)「Hiten」さん、「コミックマーケット99 キービジュアル」。
第1画集「ADOLESCENCE」127頁(Client Works)。
いわゆる「C99」。「2021年12月の開催回」。
この開催回は「コロナ危機による制限下での開催」でしたが、
絵師・イラストレーターにとって、「コミケのキービジュアル」の起用は
恐らく「最高到達点」。スポーツ選手でいう「五輪で金メダル」「タイトルに輝く」
と同義と考えて頂けると、恐らくよりイメージできるかなです。
(コミケ=コミックマーケットの略称。)
セーラームーンから着想を得た?が直感的な感想ですけど、
でも、Hitenさんのオリジナリティーになってる、これが「プロの技術」。
「暗闇から、光をつかみ取ろうとする少女」を描写してる?の感じです。







 (資料絵画9)(資料絵画10)。いわば、Hitenさんの「絵師・イラストレーターとしての『最高到達点』『輝き・努力の結晶』」といえるでしょう。
 特に、「コミックマーケット」。このキービジュアルの起用は、歌手でいう「紅白歌合戦に出場」「日本レコード大賞を受賞」をイメージして頂ければの感じです、そう、「とてつもなくすごいこと」であると。

 で、「絵師・イラストレーター」といっても、資料絵画の(1~6,9,10)は、いわゆる「商業活動」になります。
 一方で、資料絵画の(7,8)は「同人活動」になります。いわば(7,8)は「完全に、好きで書いている絵」ということになります(何も決まった枠組みがない、絵師さんが「描きたいように描いてる絵」の感じです)。
 一方で、(1~6,9,10)は、程度の差こそあれ、「何らかの決まった枠組み」があって、いわば「決まった枠組みに沿う感じで、それでいて、その絵師さんらしさを落とし込むように描く絵」といえます。

 そう考えると、いわゆる「トップレベルの絵師・イラストレーター」さんは、「商業絵師でもあり、同人絵師でもある」という、いわば独特の感じ・立ち位置といえますね。




 …と、このような感じですけど、「絵師100人展」「神絵祭」、あるいは、「トップレベルの何人かの絵師さんの個展・版画展」、智咲ちゃんも、訪れる機会を持てると、より意義があると伝えたいです。そうすれば、「自分が目指す景色・領域って、こういう世界なんだ」とか、きっと感じることがあるから!と。
 勿論、トップレベルになることが全てではないと思う、大切なことは、「絵を描くことが好き」という気持ちは勿論ですし、「絵を通して、自分にはどうしても表現したいことがあるんだ!」「『叶えたい景色』『やり遂げたいこと』が自分にはあるんだ!」の気持ち・想いであると思うよ!と。

 だから、メールとかで、

 「どうすれば、絵師・イラストレーターになれますか?なるために最も大切な資質能力(技術的なこと・それ以外を含めてです)は何ですか?」

 と、思い切って聞くことができれば、聞くことがより望ましいと思うと。尤も「お仕事のご依頼」ではない訳ですので、最初の方の文章で「私は現在、中学◎年生の◎◎と申します」と明確に伝えてからがより望ましいかなです(読んでもらえないと本末転倒になるリスクですので)。
 (手紙という方法ができればよりよかったかなだけど、見つからなかった…。

 (尤も、それにしても、トップレベルの絵師さんが、「美少女絵」の比率がとても高い[はっきり正直に言えば、かなり偏ってる]。偏り感は否めないですが、「美少女絵」が「大衆文学的な絵」という意味での「需要・ニーズ」として、他のタイプの絵に比して圧倒しているということでしょう。)


 ありがとうございました。読みづらかったかもで、ごめんなさい。
 でも、「伝えたいこと」が伝わっていると、とても嬉しいです。
 なぜって、智咲ちゃんには、「人々の心に響き、元気づける作品を作る」という「志」「使命」を叶えて欲しいから!
 応援しています、いつの日か(10数年後とかかな?その場合でだと、いま自分は40歳だから、50歳代半ばとかか)、あなたの絵を、展覧会とかで鑑賞できることが叶うと、とても嬉しいから(でも恐らくペンネーム表記だから、正体が「智咲ちゃん」であるとわからないかもしれないけど、それでも全然いい)。
 智咲ちゃん、絶対にあきらめないでね!絵の道に携わりたい理由が、あなたにはあることがとても伝わるから!あきらめそうになったとき、「初心」「原点」を、「貫きたいこと」「こだわりたいこと」を思い起こして!そうすれば、道がきっと拓ける(ひらける)から!だからこそ、「絵が大好き」の気持ちに、「絵に携わりたい」の情熱に対して、「絵だからこそできること」の信念に対して、正直でいて欲しい!
 ささやかながらですけど、ずっと応援しています!この文章が、智咲ちゃんに届くと、とても嬉しいです!


 2024年11月16日
 愛球人(あいきゅうじん)


 【社会貢献#11A】【エッセイ#47A】

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愛球人
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