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遠距離恋愛は蜜の味

遠距離恋愛ってつらいよね…。
経験者なのでわかる。

うちら夫婦は、結婚前、東京と京都で、
けっこう長い間、その生活が続いた。

彼が大好きだったので、引っ越すことも考えたけど、
彼の仕事はどうしても京都じゃないとできない仕事で、
私の仕事も、どっちかというと、東京にしかない仕事で。

うーん…、にごす必要もないか。
今の旦那だけど、仕事は仏像の修復師。
私は出版社の編集をしていた。

新幹線で、月に一度、会いに行く。
おもに、彼が会いに来ていたけど、
週末の2日間が、どんなに貴重だったか

時間もお金もかかって、遠距離って本当に大変。
若くて、お金のない二人だったので、月に一度が限界。

でも、そんな中でも、逢瀬を重ねて…。
そのまま別れちゃうカップルもいるだろうけど、
うちらはなんとか結婚までいけたのでよかった。

さて。で、タイトルですが。
「遠距離恋愛」ってつらいよね、と言ったけど、
今思うと、つらいことだけじゃなかったな、と。

「会える」ということが、「触れられる」ということが、
どれだけ貴重で素晴らしいことか、その当時ほど
身に染みてわかっていたことはなかった。

「恋」って不思議。
障害があるほど燃えるって言うじゃない?
それはほんと。
障害がない恋は、安心できてほっとするけど、
ドキドキ感が足りない。

出版社の編集をしていた、と書いたけど、
私は恋愛小説の編集者。
恋に障害がないと、小説は話にならない。
どれだけ大きな障害を作れるか、
大きければ大きいほど、乗り越えたときの感動が強い。

それを考えると、現実世界での障害は、
あんまり大きいとつらすぎるんだけど、
少しくらいあったほうが、きっと恋のスパイスになる。

あの時の思い出、遠距離恋愛だった時のことを
思い出すと、つらくて、胸が締め付けられる想いがあるけど、
月に一度、会えた時の感動、幸せは何物にも代えがたかった。
甘酸っぱい思い出です。

今はというと…。
いつも隣にいて、感動はもはやない(笑)。
まぁ、これはこれで幸せなんだけど…。

恋は、若い者だけの特権かな?
いやいやそんなことはない、年を取ってからも、
甘酸っぱい思い出、心のトキメキを、いつも待っている。

緑の森の中。
今は自然いっぱいの環境で暮らしている。
東京暮らしはもうできないな…。


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