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治安の悪い国に暮らして(ブルキナファソから)

治安の悪い国に暮らすとは

私たちが暮らすブルキナファソの治安は、ここ数年で急激に悪化しています。

首都のワガドゥーグーはわりと落ち着いていて、私たちはおだやかに過ごしているけれど、国全体で見ると、イスラム過激派組織による襲撃事件や誘拐が相次いでいます。


まあ、おだやかにって言っても

・赴任してから、首都で大規模テロが2回発生

・治安が悪くて、ほぼ首都から出られない

・大きなスーパーでは銃を持った警備員が必ず待機して、入店時には荷物チェック+金属探知器で全身チェック

・レストランや病院は、二重扉のところも少なくない

・夜間の外出は控える

・人混みや外国人が多く集まる場所は避ける

・外国人が多く集まるレストランなどへ行ったときには、緊急時に逃げられる出口をいくつか見つけて、その近くに席をとるようにする


なんていうのが、当たり前の生活。


・テロに遭遇した場合
・銃声が聞こえた場合
・手榴弾に遭遇した場合

を想定した護身術も受けました。


大使館からの注意喚起メールには必ず目を通して、「危ない」と言われているところには絶対に近づかないようにしています。

地域によっては、退避勧告が出されているところもあります。


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(画像引用:外務省 海外安全ホームページより)


治安の悪い国に暮らすというのは、こういうこと。



銃を持った警備員にも

二重扉のレストランや病院にも

スーパーに入るたびに金属探知機でボディチェックされるのも

すっかり慣れちゃったけどね。


ブルキナファソ北東部での襲撃事件

6月4〜5日、ブルキナファソでまた悲しい事件が起こりました。


北東部のSolhanという村が武装集団に襲撃され、たった一晩の間に、住民(子ども20人を含む)160人が犠牲に。

このニュースは日本のメディアでも取り上げられて、日本にいる家族や友人が心配して連絡をくれました。


はじめに書いておくと、私たち家族とウチにいる猫たちも、みんな無事で元気です。


襲撃があったのはブルキナファソ北東部、ニジェールとの国境近くで、私たちが暮らす首都からはとっても遠い。


首都から離れているとはいえ、少なからず襲撃事件の影響を目の当たりにします。


多くの犠牲者が出たことから、6月5〜7日の3日間、国全体が喪に服すことを大統領が宣言。


友人たちは、週末に予定していたアクティビティーをすべて中止にしました。


私の目の前で、ラジオでこのニュースを耳にするブルキナべたちがいます。

彼らになんて声をかけたらいいのだろう。

私のフランス語が拙いせいもあるけれど、彼らにかける言葉が見つかりません。いや、日本語ですら、なんて声をかけたらいいか、わからない。


私のSNSのタイムラインには、ブルキナべの友人やグループが投稿した目を覆いたくなるような写真や映像がたくさん並んでいます。


犠牲となった人々を集団埋葬している村の人たちの写真。


ケガをして病院で治療しているまだ幼い子ども、赤ちゃんたちの写真。


生まれ育ってきた村を「もう危ない」と判断して、なけなしの荷物や子どもを背負って、村から歩いて逃げ出す何百人もの人たちの様子。

160人の犠牲者ひとりひとりに、私たちと同じように家族や友人がいるでしょう。彼らの悲しみや怒りは、計り知れません。


写真には、犠牲者を埋葬する人たちの細かい表情まで写し出されています。


病院にいる子どもたちの家族は?


まだ生まれて数カ月であろう赤ちゃんのお父さんとお母さんは生きてるの?


この子たちの面倒を見てくれる人はいるの?


村を出た人たちはどこに向かうの?


どこまで歩いていったら安全な暮らしが手に入るの?


住むところは?


食べるものはあるの?


いろんな疑問が頭の中に浮かんでやみません。


ブルキナファソの現状

UNHCRのデータによると、ブルキナファソでは、2021年4月末の時点で1,218,754人が国内避難民となっていて、その数はいまだに増え続けています。


これは昨年8月にリリースされた記事↓

この記事に書かれていることを、かいつまんで日本語で書くと、

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ブルキナファソの国内避難民が100万人を超えた(2020年8月時点)。

その数は、ブルキナファソの人口5%にも及ぶ。


国内避難民の人たちには、

・シェルター
・食料
・水
・保護(安全な場所)
・健康維持

が必要。

さらに、武装グループに学校が狙われたために、国内では2,500以上の学校が閉鎖。

その影響で、350,000人の子どもたちが学校に通えないため、教育援助も必要不可欠。

生活環境が悪化したり、安全が脅かされたため、別の場所への移動を余儀なくされている避難民キャンプもある。

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という内容。


私たちが暮らす首都から車で2時間行った町にも、国内避難民キャンプがあって、そこで多くの人たちが不安を抱えながら生活しています。

そう、ここからたった2時間のところに。


ブルキナファソから伝えたいこと


こういう内容を書くと

ブルキナファソ=危ない

っていうイメージだけが持たれがちだから、ブルキナファソの治安について書くのは、正直あまり好きじゃありません。

でも自分たちが住んでいる国で起こっていることについて、どうしても無視できなくて。


私がいちばん伝えたいことは、

日常生活において注意すべき点や制約はあるけれど、すみからすみまで危険で100%の国ではない

っていうこと。


どんなに治安が悪化しても、

明るい笑顔がたくさんあって、

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外国人の私たちを温かく迎え入れて、たすけてくれる人がたくさんいます。

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そこに新しく生まれる命もあります。

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もう一度書くけど、ブルキナファソの治安は悪いです。

ふらっと遊びにくることは、お勧めできません(特に陸路での国境越えは本当にやめた方がいいと思う)。


でも、ブルキナファソに関するニュースを見たときには、彼らの笑顔と温かさもいっしょに思い出してほしい。


そして、すみからすみまで危険で100%の国ではないということを覚えていてほしい。



不便で大変なことばっかりなのに、ぜーんぜん嫌いになれない国だから。


いつでもどこに行っても、私たちのことを温かく迎えてくれる人たちが暮らす国だから。

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それだけは、伝えたい。

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