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韓国社会派ドラマの本気を見た『D.P.脱走兵追跡官』
★★★☆☆星3つ
兵役義務で入隊したチョン・ヘイン演じる主人公が、脱走兵を捕まえる部署「D.P.」で働くようすを描いたドラマです。兵役ってこんなにきついのか・・・と恐ろしくなりました。
兵役義務により入隊した青年が、軍の脱走兵を追跡する部隊に配属されることに。任務にあたるなかで、脱走した兵士たちがそれぞれ抱える過酷な現実が見えてくる。
まず、脱走兵を捕まえるための部署があること自体が恐ろしいです・・・
軍の中でのいじめや暴力。どこまで真実なのかはわからないし、ドラマだから脚色はされているだろうけど、こういうドラマができるということは、多かれ少なかれ、問題があるということなんだろうなと思いました。
実際、2014年に起きた軍隊内での暴行死亡事件や銃乱射事件がもとになっているそうです。
描写もとてもリアルで、主役のチョン・ヘインが「二等兵、アン・ジュンホ」と言わなければいけないところを、「二等兵、チョン・ヘイン」と間違えて言ってしまったというエピソードも、演じながら当時のことが蘇ってきてしまうくらい強烈な経験だったんだろうなと思いました。
主人公アン・ジュンホ(チョン・ヘイン)のパートナー役のホヨル(ク・ギョハン)がちょっと軽いけどいい人で、魅力的でした。
ラストはなかなかの衝撃。いじめられていた兵士を演じたチョ・ヒョンチョルさんは、『捜査官ク・ギョンイ』にも出演されていましたが、全然雰囲気が違っていてびっくりしました。
毎回印象が大きく変わる「カメレオン俳優」と呼ばれるくらい。監督としても活躍されているそうです。
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全6話と短くて、あっという間に見終わりますが、なかなか内容の濃いドラマでした。