📚Kindleペーパーバックにチャレンジ！（４）【品質】

さて、これまでキンドルペーパーバックで紙の本をつくるために問題になることを解説してきました。
そうやって作り上げた本の品質はどのようなものなのでしょうか。

ペーパーバックというと粗悪なものというイメージを持つ人もいるかもしれませんが、表紙カバーのない、ソフトカバーの本といっても同じことです。
羊皮紙や布を使用した装飾性の高いハードカバーの本にたいして、紙だけの表紙のものということです。

（１）市販されている本と比べてどうか

さて、一番気になるのは書店に並べられている本と比べて品質はどうかということです。
結論から言うと、私見ですが、市販されている本と比べてカバーと帯がないくらいで、あとは表紙・本文をしっかりと組めば何の遜色もありません。

左：キンドルペーパーバックで出した本、右：文藝春秋社が発行している本

（２）本文の紙の色とインク

紙は白とクリームがあります。
厚さはやや厚めで、そのためしっかりしています。
コピー用紙より少し厚めです。
フォントは埋め込み可能なフォントであれば何でも使用できます。
綴じ方は無線綴じです。
インクは黒かカラー。
カラーの方がコストがかかります。
カラーのときは用紙は白だけです。
カラーはプレミアムカラーと標準カラーがあります。
（ただし、日本のAmazonで売る本には標準カラーは使用できません。）
プレミアムカラーを使うとコストはかかりますが、色はきれいになります。

カラーインク オプション

（３）表紙

表紙はすべてカラーです。
紙は厚めの白い紙です。
ハードカバーの本もKindleでは出版できますが、日本のキンドルはサポートしていません。
表紙の仕上げは「光沢あり」と「光沢なし」のいずれかを選択します。
前者は絵本や児童書、後者は小説などによく使われます。
表紙の色についてははじめからあまり期待しない方がいいと思います。
どういう色がきれいかは人によって感じ方に違いがあるとは思いますが、私見では、一番きれいなのは画面で見ているものです。
これはRGBという色表現方式です。
これに次ぐのは家庭用のインクジェットプリンターだと思います。
印刷したものはこの次でしょう。
家庭用のプリンターはインクの種類も多いですし、用紙も様々な光沢紙があり、かなり綺麗に印刷することができます。
これにたいして印刷物はCMYKの４色印刷が普通です。
用紙は発色のよいアート紙やコート紙もありますが、使用すると本が重くなってしまいます。
オンデマンド印刷はこの通常の印刷よりも色は見劣りします。
といってもこれは印刷物を見慣れた眼でいうことですので、それほど色にこだわらなければオンデマンド印刷でも十分でしょう。

以上、４回にわたってキンドルのペーパーバックについて私なりの解説を書いてきました。
ぜひご参考になさってください。