日本経済を分析するためのノート(14)
さて、これまで見てきたことに踏まえて、IT化のもたらすものについて考えてみましょう。
IT化のもたらす生産の効率化はすでに述べたように、節約による省力化・合理化です。IT化を進めるために巨額な設備投資が必要になるわけでもありません。
現在の日本の経済の構造を前提とするならば、IT化の進展のもたらすものは就業者数もしくは労働時間の減少でしょう。しかしそれは労働者を楽にするものではありません。IT化の進んでいない労働集約的な分野で働く人がますます増えていくことにしかなりません。