嘘の武勇伝003
天狗様にドグラマグラの骨を移植された事と、キリンの“シャッセ”と、メガドライブの“ゴールデンアックス”にハマった事以外にこれと言って何もない中学時代を過ごし、とりあえず地元の高校に入学した頃の話。
僕がドグラマグラを倒した事で天狗山の生態系が崩れたのか何なのか?単純にボスの居なくなった山が新たなボスを求めたのか?
天狗山に“雪男”が出没するという噂が聞かれるようになった...
北米でサスカッチとかビッグフットと呼ばれる、ネパール?ではイエティとか、本州ではヒバゴンとか呼ばれる猿人タイプのUMAの類だと思うけど、室蘭(むろらん)周辺ではアイヌの人たちの間で昔から語り継がれている「ムランモラン」という巨猿の伝説があり、そいつが眠りから覚めて再び活動をはじめたのでは...というのが専門家の見解だった。
ムランモランとは、身の丈3㍍50、体重は1㌧とも2㌧とも言われ、外見はヒヒやバブーンに似た巨猿で、アイヌ伝承では海に潜っては鯨やダイオウイカを主食とし、遊びでヒグマやホッキョクグマ、シベリア虎を殺め、人間の娘を犯し、毒矢でも死なず、日本で言うとこの“鬼”とか西洋で言うとこの“悪魔”とかそういうポジションの存在で
第二次大戦の際にソビエトが研究対象(軍事目的)として捕獲を試みるも軍艦二隻沈められ1700人以上の兵士を失い断念したとか
アメリカがソビエトへの牽制の為に広島、長崎に続いて根室にも新型爆弾を落とす予定があったがムランモランの反撃を恐れて中止にしたとか
ある意味、北海道の守り神的な存在でもあるんです。
ドグラマグラの骨を受け継いだ僕は、より強い相手と戦うべく、ムランモランを退治しようと息巻いて、一人天狗山に向かいましたが、その途中で、僕が小学生の頃からずっと片想いだった沢辺さんが中学の体育教師とカーセックスしてる現場に遭遇し
泣きながら家に帰ってシャッセを飲んで寝ました。
シャッセは失恋の味...
続く。