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嘘の武勇伝001

僕がはじめて素手でヒグマを倒したのは15の時でした。

その頃と言えばZOOの「チューチュートレイン」やバブルガム・ブラザーズの「ウオンビーロング」やチャゲアスの「ヤーヤーヤー」やら近藤房之助と織田哲郎の「ボンバーガール」やらそんな時代です(うろ覚えですネットで調べれば確認出来ますが面倒なのでしません)

牧瀬理穂やら一色紗英やらがトレンディーだったあの頃です。

北海道の南(道南)の田舎で暮らす僕らの遊びと言えば、早い子はセッ●ス、僕みたいなタイプは山や川や海で遊ぶか、トモダチンチでスーファミやメガドライブをするか、家でセシールのカタログでオナニ●するか、オリジナルのラジオ番組をカセットテープに吹き込むか(実家探せばまだあるかも...たぶん今聞いても下手な芸人のラジオより面白いと思う)

と言った感じでして

その日は川沿いを下流から上流に向かって進む所謂「沢登り」をして童貞5人ほどで遊んでいたのですが

その山(通称天狗山)には「ドグラとマグラ」というそれはそれは恐ろしい人喰いヒグマが住んでいました。

小さな田舎町、住民のほとんどが身内を「ドグラマグラ」に殺された“遺族”な訳で...ただでさえ大きなヒグマの中でも規格外にデカイ双子の兄弟熊で、常に身体中に松ヤニや樹液や泥を擦り込んで乾燥させたガビガビの体毛をしており、散弾は勿論ライフル弾も通らないので警察や猟友会では歯が立たず、三度の自衛隊の討伐作戦も失敗に終わり、戦車2台、装甲車1台、ヘリコプター1機、自衛官19名の犠牲を出し、もはや自然死を待つ以外に成す術はないと言った状況でした。

馬鹿デカイヒグマが2体いるってだけでもヤバいのに、ドグラマグラは知能も高く「罠」には絶対にかからないどころか、逆に人間を罠にかけるほどのIQを持っているとか噂されていました。

更に双子ならではの必殺技「デビル・スカイ・フルボトム」も使うのです...

ドグラが仰向けに寝て4本の足を天に向けるとそこにマグラが足を乗せて、2匹同時に足を蹴り出す事でマグラが30メートル位ジャンプして800キロの巨体で真上から人間を襲い地面にめり込ませる殺人技です。

※キャプ●ン翼の例のヤツと同じシステムです。

で、僕たちが沢登りをしている時にドグラマグラと遭遇してしまい、当時空手の茶帯で寸止め組手の北海道2位だった僕は「ここは俺に任せろ!」と言って友達を逃がし、1対2でドグラマグラと戦う事になりました。

果たして勝負の行方は如何に!?

続く。