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どんな書物を読んできたのかは、人生の歩みそのもの…

 人間は誰だって平和が好きです。平和は人々の最高の願いです。ところが世界の実情は、争いと不安の中にあり、いつも動揺しています。世界は今、暗い雲に覆われたまま行き詰まっている状態です。
 これを取り払って、すべてを照らすのは、日本が神様から与えられた役割です。それをしなければ国を興した意味がなく、日本という国の存在理由を否定することになります。
 さて、最近の国民の意識を見渡しますと、この世界的な使命を忘れ、右や左に傾いていて、この先どういう方向に向かうのかよく分かりません。世の中がとても混乱しており、本当に不安になります。
 せっかく義務教育を受けても、卒業してしまうと、熱心に努力し、正直で正義を尊び、優しさと勇気を持って生きようとうとする心を段々失います。
 さらに上の学校に進むと、どうして親孝行しなければならないのか分からなくなり、自分だけよければいい、自分だけ儲かったらいいというような、自分勝手な考えに陥っていきます。そうして、世のため人のために生きようとする心が失われていきました。
 また、政治に関心のある者は、誰かを激しく攻撃する演説を聞いたり、厳しく批判する内容が書いてある雑誌を読んだりすると、すっかり気持ちが、そのほうへ動かされてしまいます。やがて何が善くて何が正しいかの判断がつかなくなり、世を惑わす悪人たちは、思うままに力を振るうようになります。
 そういうときに大切なことは、一人ひとりが自分の考えを持つということですが、困ったことにみんな浮ついていて、心を磨き高めるための話は聞こうとしてくれません。それなのに、心に悩みを持たない人は、一人もいないくらい社会が病んでいます。
 ある人は右を振り返り、またある人は左をながめ、キョロキョロするばかりで、どっしりとした信念というものがありません。本当に残念であり、堂々とした日本国民は、どこかへ消え去ったのでしょうか。その原因は、すべての国民に、立派な日本人になるための「精神の本流」が流れていないことにあります。
 これは、日本のあらゆる問題の根本であり、とても重大なことです。もしも、このまま放っておけば、私たちは日本建国の大きな使命に立つことはできません。いつの間にか他国の思う通りに操られ、日本の国も国民の生活も破壊されることになるでしょう。
 私はずっと、このことを心配してきました。熱い心で国を救う大思想家が一日も早く現れて、すべての国民を指導し、進む方向を決めて欲しいと念願しています。それは、私一人の願いではないはずです。
 しかし、誰かを頼りにしていたら、もう間に合わないところまで危機が迫っていることを強く感じました。それで、この本を出すことにしました。どうか、いろいろな人に読んで貰いたいと思います。
 この本を読んだら、今まで分からなかった疑問が解け、国民が進む大道が見つかり、世の中が正される。日本国の使命に向かって、国民が誇りと品格を取り戻せるようになる。そう願って、心を込めて書きました。
 ただし、その願いを一冊の本にまとめることは簡単ではありません。本書がそのための入門書となって、信念を持って奮闘する立派な日本人が、一人でも多く育つことを希望しています。もっと詳しく学びたい人は、自分で調べて下さるようお願いします。
 昭和2年1月25日
 著者(林平馬)

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この本(『大國民讀本』を読む)は、昭和2年出版の、文部省認定・林平馬著『大國民讀本』の内容を、私の師匠である林 英臣先生が、こども向けに“翻訳”したものです。

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戦前の日本の実態をよく知り、これから祖国再生を進める上で、心得とすべきことが山ほど出てきます。昭和2年に出版された著書ながら、今読んでも新しく、胸に突き刺さる指摘ばかり。新しいがゆえに、我が国の抱える病巣や問題の根が深いことが良くわかります。

何の為に、誰の為に生きるのか?
この世に生まれた意味は何なのか?
自分の使命は、いったい何なのか?

35歳、議員になって5年目。思うような活動が出来ず悶々としていた時、議員仲間であった松尾 崇さん(現・鎌倉市長であり、林英臣政経塾の同期)に声をかけていただき林英臣先生に出逢い、「原大本徹」という自身の天命を見出す為の大切な学びをいただく幸運に恵まれました。

学びは尽きない。悩みも尽きない。
動けば動くほど色々な壁にぶち当たる。
明らかに心ない批判にも晒される。
家族には我慢ばかりさせています。

「政治の世界に身を置くのだから、そんなことは当たり前だ。甘んじて受けるべきだ」と言われるかも知れませんが、「やれるものならやってみろ」という、口には出さない想いもあります。

たとえ、どんなに微力であったとしても。それでもなお、やらなくてはいけない何かに突き動かされ生きていることを強く実感します。

📚むすびに📚
5月1日、林一門である名古屋綜學院を主宰する尾花 智明さんに。そして、続けて翌日早朝に埼玉県本庄市長の吉田 信解さんから、このブックチャレンジのバトンを渡していただいたのですが、ノリの悪い天邪鬼な私は「独りチャレンジ」と企画替えして、勝手に進めさせていただきました。

本は人なり。

どんな書物を読んできたのかは、人生の歩みそのものだと痛感しました。

自分の人生を振り返る意味で、とても懐かしく、興味深く、改めて勉強になりました。御二方に心から感謝申し上げます。ありがとうございました☺️

七日間の独りチャレンジに。そして、私の拙い投稿に、いつもお付き合いくださっている皆さんに、心から感謝御礼申し上げます。

久野晋作 拝


最後までご覧いただき誠にありがとうございます。 引き続き、ご愛顧いただければ幸いです。