歌うVtuber①-1
Vtuberと「歌ってみた(cover)」文化は切っては切り離せないところにある。アイドル路線のキズナアイを始めとして、おめがシスターズ・ヒメヒナのようなデュエットパワー、ときのそら・富士葵を代表とする正統派歌唱力、ワンマンリアルバンドライブを達成した樋口楓、そしてYuNiを起点とするVsinger....
いろんなVが歌を歌って、毎日のようにアップロードされていく。そんな中でも、「取りあえず聞いておけ!」なVたちを紹介しよう(いろいろシリーズしようかなとは思ってるけど、限界があるので許してください)。
【キズナアイ】
upd8参加。紛う事なきVの親分。歌唱力はもとより、ダンスとMVの演出も凝っている。
特に「AIAIAI」は中田ヤスタカ協力ということもあって、キャッチーでポップ、万人にオススメできると思う。
特にMVはなかなか珍しいタイプで、まさにVirtualとRealの垣根を越えたアイドルとして、ならではの演出。最後まで見て欲しい。
そして2018年10月から9週連続オリジナルソング発表プロジェクトも、どれを紹介すればいいのか分からないほど素晴らしい曲ばかり……
個人的には「Hello, World」を推したい。
2018年12月29/30日にはZepp Diversity/Osakaでライブを実施。大盛況だった。
中国への進出も果たし、いよいよ大きくなっていく親分から目が離せない。
【電脳少女シロ】
アップランド所属。.LIVEを引き連れる電脳少女シロ。かわいらしい見た目やしゃべり方・声とは裏腹にFPSでサイコパスと評されたり、英語がぺらぺらだったりと活躍の幅も拡がっている。あまり歌を歌うタイプではないが、1年生誕祭で披露された「君の知らない物語」は.LIVE史に残る歌となった。
かわいい
【ミライアカリ】
ENTUM所属。下ネタに振り切れたえっちなふにゃふにゃお姉さんみたいな登場の仕方をしたのがミライアカリ。エイレーン一家なので仕方無い。
スタイル抜群にもかかわらず、頭の弱そうなしゃべり方をする(失礼)というギャップがあった一方で、2018年5月にカバー「Echo」が投稿される。
え、かっこよ……
「これホントにミライアカリなのか!?」と騒然となった投稿。この後のライブ配信で実際に歌ってくれと振られてもだいたい普段の調子で歌ったり、恥ずかしかったのか……
いつものミライアカリっぽい歌であるオリジナルソング「ミライトミライ」もオススメ、ナユタン星人らしい曲。
2019年4月のニコ超Vtuber fesでも大いにフロアを湧かせてくれた。
【輝夜月】
V人気黎明期のひとりとして、それまで”かわいい”アイドル路線だった流れにぶち込まれてきた首締めハムスターストロングゼロ。Mika Pikazo先生のスタイリッシュデザインも相俟って、どちらかというとポップで若者寄りの存在(だと思ってるんだけど)。歌うとめっちゃかっこいい。
ファンキーな感じの曲調が好き。途中にいつもの声になるのも良い。VRライブも経験しており、全身をフル活用したダンスも気持ちいい。
「NEW ERA」のサビの盛り上がりは何度聞いても気持ちいい。
【ときのそら】
V清楚代表。正統派歌姫。ピアノ弾き語りもできる。高音も綺麗に響いて、気持ちいい。「夢色アスタリスク」は初の彼女のオリジナルソングとして名高い。
疾走感と爽やかさ、そしてときのそらの柔らかくもしっかりした歌声がマッチして、心地良い。
個人的に「アスノヨゾラ哨戒班」は何度聴いたことか……
【富士葵】
正統派歌姫その2。元気いっぱいの女の子、名前の通り、ザ・和風といった感じ。歌声は力強く、低めから高めまで出る音域の広さ。特に透き通るような低い音から、ドスの利いたような低い声も出せる。
透き通る低音は「アスノヨゾラ哨戒班」がオススメ。低音もさることながらサビの力強い高音が伸びて気持ちいい。
ドスの利いた歌声といったら「ロキ」でしょう。デュエットソングを1人で歌いきれる力量もすごい。
さらにときのそら・富士葵の2人は初期歌ってみたVとして繋がりが多く、コラボもよくしている。
ほんとにこれが発表されたときには大興奮でしたね。
孫娘はこういうことするから好き。
【燦鳥ノム】
ときのそら・富士葵ときたらノムさんでしょう。おっとりとしたしゃべり方、ヤスダスズヒトデザインのフェチが詰まったスタイル、そして圧倒的歌唱力。MVの完成度もさながら、何度聞いても飽きが来ない歌声。
《その眼に写るのは……》の息の抜け方が溜まらない。この曲を生ライブで何度も披露していることからも、実力がうかがえる。
「Echo」。かっこよさ全振りというより、かっこよさの中にかわいらしさが入り込んでいてノムさんらしい感じに仕上がっている。
そして「Life is tasty!」。
なんかもう冒頭の英語からハマってしまった。サントリーのCMソングだと言われても違和感がないくらい脱・インターネットな曲だと思う。もちろん、じん(自然の敵P)とノムさんの相乗効果によるもの。
このときのそら・富士葵・燦鳥ノムがいわるゆ清楚V3人組として「ゲキテイ」を組んだので大盛り上がりでした。
ニコ超でも披露されましたね。
【YuNi】
upd8参加。Vsingerという名乗りをし始めたのはYuNiが初。
歌詞の詰まり方と音の移動が激しい「シャルル」を歌いきれる、ハスキーな声を特徴。「雨とペトラ」は特にカッコイイ方向に全振りした歌声が聴ける。
オリジナル曲「透明声彩」はYuNiの魅力が詰まっていると共に、MVにはファン協力のおもとにできあがった。「Winter berry」は可愛い系。
当初は数日に1曲淡々とアップロードしていくミステリアスなシンガーだと思われていたが、喋ると案外ふわふわした声で「なにしてるかよくわかんないけど隣に住んでるねーちゃん」くらいの存在になった。歌声は変わらないけど。
結構いろんなVとコラボをしていて、響木アオと「からくりピエロ」、おめがシスターズと「Happy Halloween」、ときのそら・ちゃんまり・響木アオと「Mrs.Pumpkinの滑稽な夢」、天神子兎音と「脳症炸裂ガール」、そして燦鳥ノムと「だから僕は音楽を辞めた」。
【おめがシスターズ】
upd8参加。おめがレイ(髪が青い方)とおめがリオ(髪が赤い方)の双子。特にリオの芯が通った低音の響きは他に追随を許さない。おそらく男性でも出せない。この2人の声が合わさったときの体を震わせる音はそうそう味わえるものではない。
MVはレイちゃんが作っているらしい。すごい。
【HIMEHINA】
田中工務店所属。田中ヒメ・鈴木ヒナのコンビ。歌える・踊れる上に体力はおそらくVトップクラスじゃないだろうか……悪く聞こえるかも知れないが、どちらかといえば子供っぽいしゃべり方・声と騒がしい動きをするが、それを使って空気を盛り上げる能力も随一。
そしてそういうヒメヒナは「ロキ」。
そしてそんな”子供っぽい”一方でかっこよさを追求した時の爆発力は桁外れになる。「劣等上等」「ヒトガタ」であらわになった黒に反転したヒメヒナの隙の無いハモリと無駄の無いダンスは必見。
そしてしっとりとした、時に激しい「ヒバリ」が公開されて更にこの2人の可能性が露わになった。
先日開催されたbilibiliによる大型ライブでも「いーあるファンクラブ」で、場を盛り上げた。活動初期からbilibiliを照準に入れた活動もしており、大陸での知名度も高い。
ライブでこの2人とミライアカリが出た時の全力で体力を奪っていくパワーは凄い。疲れてても体が勝手に動くのだから。
【樋口楓】
にじさんじ所属(元・1期生)。にじさんじという、配信形態をメインとする活動柄、人間性がリスナーとふれ合うことが多く、その生き様・考え方に感化されたリスナーがイメージソングを投稿するという現象が起こる。
投稿されたイメソンに対して、それを本人が歌うという形で応えたのが樋口楓になる。おそらくファンによるオリジナルイメソンの数は全Vの中でもトップクラスで、おそらく今現在(2019/7/21)で50曲以上あるんじゃないだろうか……
元々「歌が得意」という事はなく、彼女自身も歌を武器としてデビューしたわけではなかった。芯の強い、硬質な声と魂に響く歌声は人々の胸に届き、そして念願の初ライブに続く。
ぶっちゃけ全部の曲が好きなんだけど、個人的なイチオシは「WISH!」。
MVもファンメイド。本当に樋口楓のクリエイターファンの熱量はすごい……この、アニメOPみたいな空気感が本当に好き。
2019年1月に開かれた1st LIVE"KANA-DERO"で披露されたオリジナル曲「響鳴」のかっこよさは惚れる。
ライブ映像みてもらえれば分かるが、とにかくオーディエンスを盛り上げる能力に長けている(もちろん、ここに居るのが全員ファンだからというのもあるが)。1st LIVEでこの対応が出来るのも彼女ならでは。
話はちょっと長くなるが、この"KANA-DERO"のライブ演出(ライトの配色など)について彼女が主体になって進めたという、演出へのこだわりも強い。演出担当スタッフにも物怖じせずに意見していたというところから、ライブへの思い入れの強さがうかがい知れる。
彼女の相方(?)であるエンターテイナー・月ノ美兎からも「ライブするとしたら、演出は(樋口)楓ちゃんに一任する」と言われるほどであり、同じにじさんじライバーのみならず、内外のVからも絶賛の嵐だった。特にバンドマンである夢追翔などは感極まり、ライブ直後の配信では大変な事になっていた。
VARK主催のVRライブでも演出に力を入れ、ファンをあっと言わせた(蹴られた)。
樋口楓自身がかなりコミュニケーション能力が高いため、コラボも多い。にじさんじ内のみならず、ホロライブ・ロボ子さんや天神子兎音、おめがシスターズ、キツネDJなど。
つづく。