外国諸党との関係、一国一前衛党論、不当美化論
『百年』では、次の記述が新たに追加されている。『八十年』にはない。
これらの原則は、外国の共産党との関係を律する基準として実践してきたものだが、今回、外国の諸政党との関係を律するわが党の側の一般的な基準としてあらためて位置づけるため中央委員会で確認したものだという。
外国の政党との関係に関連するが、「一国一前衛党論」についてその考え方をそろそろ再整理してほしいところだ。
というのも、一国一前衛党論は、時として、3原則と衝突するからだ。
『七十年』には「一国一前衛党論」に触れているが、『八十年』と『百年』には記載がない。
宮本議長は、科学的社会主義の世界観からも、戦術面からも一国一前衛党論は明白と述べる。
中国共産党への反論。
史的唯物論の立場からも、一国一前衛党は当然で、複数前衛党や前衛党内の分派は容認できない、と主張する。
最近はこういう論調をほとんど見ないので該当箇所を略さず引用する。
宮本議長インタビュー。認識論からも複数前衛党論は誤りと指摘。
なお、2000年の第22回党大会で規約改正により「前衛政党」という用語が削除された。その削除理由は"前衛は不屈性と先進性を意味するもの。誤解を受けないようにするため"である、
用語を使わないだけでその内容は継続するわけだから、この用語削除をもって一国一前衛党論がその意義を失うわけではなく、その意義は現在も継続していると思われる。
第22回党大会の規約改正部分については後述。
外国の政党との関係に関連してもうひとつ、「美化による干渉主義」についても再整理してほしいところ。
これも、時として、3原則と衝突することがあるからだ。
不当な美化論は『百年』、『八十年』(p260。記述内容は『百年』とほぼ同じ)、『七十年』で触れられている。
2022年に行われた欧州左翼諸党との一連の交流もこの3基準にもとづいたものなのだろうが、フランスでは、共産党のほかに「服従しないフランス」(LFI)とも会談している。LFIが「前衛党」を名乗っていないから、あるいは日本共産党としてLFIを「不当に美化」していないから問題ないということだろうか。
とりわけ、アジアの諸政党の与党との関係を結ぶにあたっては、不当に美化していないかの当該国の革命運動も考慮すべきであろうが、そのあたりについての論及を望みたいところである。
ドイモイ、社会主義市場経済
『百年』の「アジア外交の積極的展開」。
『八十年』の以下の記述が削られている。
2019年の8中総報告では、ベトナムやキューバに対して体制的な判断・評価は行わないとのことである。
つづく
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