#11)夏休み明け。教員も生徒もピリピリしないためには。
夏休みが終わり、授業日が再開
長い(けれどあっという間)夏休みが終わり、授業が再開します。
生徒も教員もどんな気持ちで授業日を迎えるでしょうか?
「また生徒と教育活動ができるぞ!」と気合が入る教員、「友達と学校で和えるから楽しみ」と元気が出る生徒、「授業と対応の日々が始まるなぁ」と気が滅入る教員、「学校行くのめんどくさいなぁ」と嫌気がさす生徒、様々な考えがあるでしょう。
ちなみに私の場合は「夏休みあと2ヶ月くらいあればいいのに。で、冬休みは11月から始まればいいのに」と毎年言っていたような気がします…。
ダメ教員でしたので。
さて、
文科省も厚労省も中学生が、夏休み明け元気に登校できるようメッセージや方策発信しています。データ上、夏休み明けの自殺者数が多いことがその理由の一つです。
メッセージからは、夏休み明けの子どもの様子から、次のような傾向を感じたら(教員も保護者も)注意深く観察したり、声掛けをしたりしましょう、と言うようなことが読み取れます。
・これまでに関心のあった事柄に対して興味を失う
・成績が急に落ちる
・不安やイライラが増し、落ち着きがなくなる
・投げやりな態度が目立つ
・健康管理や自己管理がおろそかになる
教員も生徒も、目的を明確にして適度にがんばることが重要
夏休み明け、一番どうでもいいことに労力を割いていることの一つが「夏休みの宿題」と「各種提出物」と言う気がしています。
学校によって方針もあるでしょうから、宿題や提出物があること自体は仕方のない部分もあるでしょう。ただ、生徒・教員それぞれの「労力」を考えた場合、「生徒:終わらせなければならない」「教員:ちゃんとした内容のものを提出させなければならない」という真逆の視点になります。
どう考えても両者の矛盾した労力の視点が混じり合うことがなく、そこには成果、つまり、学力向上が期待されるとか、人間的成長期待できるとか、が生まれるとは考えにくいです。仮に「宿題をちゃんとやると学力成績が高い」というデータがあったとしてもそれは、「学力成績が高いと宿題をちゃんとやる」かも知れませんし。
であれば、もっと楽をしたらいいです。教員が、です。ちゃんと提出した生徒には「よくやったなぁ」と伝え、提出しなかった生徒には何もリアクションしなければいいです。それ以上もそれ以下もない。提出した生徒はその事実を承認され、提出していない生徒はマイナスがない。教員は厳しく指導する必要もない。win-winです。どうでしょうか。
「提出物さえ守れん奴は社会に出たら通用しない」と厳しく指導したがる教員も少なからずいますが、教員は、提出忘れをしない人の方が少ないのが実態です。私には心当たりしかありません…。
必要性を感じないことに人は努力ができない
教員が提出忘れをすることは主に「教頭からでる校内のちょっとした調査等の提出」「教育委員会からくる校務分掌上必要な調査等の提出」などです。それでも後者はそれなりに締切を守りますが、前者は普通に「忘れてました」ってことはザラです。自分の経験を振り返ってもそうでしたし…。で、とりあえず提出しなければならないから、何かを参考にしながらパパっとやっつけてしまう。けれど、大部分がそれでOK!になりますよね。
結局、大人であれ子供であれ、その提出物や課題に対して「必要性」や「やりがい」を感じなければ、忘れたり、手抜きをしたりするものです。
大人の場合は、与えられた業務の中に「必要性」や「やりがい」を自分から見出す能力(努力)の方が重要な気もしますけれど。
夏休み明けの働き方は教員も生徒ももう少し楽にいきましょう
生徒が夏休み明け後に登校不安になる理由は、夏休みの宿題の他にも、人間関係や生活習慣の変化、集団生活への抵抗感なども理由として挙げられます。個別に対応が必要な案件には十分に策を練って丁寧に進めていく必要があると思いますが、夏休みの課題の提出なんかは、この中でもっとも簡単に、しかも担任・教科担任レベルで簡略化できるものです。
地域や学校によって差はありますが、9月からはテストや行事が目白押しになるのが中学校現場です。ただでさえタスクが増加する毎日なのですから、様々な取組を実施する際に、どれだけ生産性が高いかを吟味しながら、仕事に軽重つけていけばいいと思っています。
教員も生徒も、もう少し楽に行きましょう。
よい新学期(授業日再開)を!