クラウドファンディング達成のため「プラスα」でやった5つのこと
時々、ブランドを立ち上げようとしている人からクラウドファンディングをどうやって実施したかや達成のコツについて聞かれます。Makuakeの過去プロジェクト→ファッション→その中でもサクセスした一例、という流れで私のブランドにリーチするようです。
これ↓が私がブランドのローンチでやったクラウドファンディングのプロジェクトです。
実施したのは2年前。私は今ほどSNSのフォロワーもいなかったですし、拡散力はほぼゼロでした。(ツイッターに関してはクラウドファンディングを始めてからちゃんと活用し始めた程度...)
しかも日本で仕事もしたことがなく、イタリアにがっつり住んでいたころだったので、日本での知り合いも友達くらい...
そんな私が目標金額50万円の229%、114万円を調達することまでにした具体的なこと5つを紹介していきます。
※成功までのノウハウは調べればあらゆるサイトに書いてあるので、それを踏まえた上で「プラスα」で私がやったこと、です。
目次
・私が「プラスα」でやった5つのこと
その1. クラウドファンディングの説明
その2. Facebook内の密なグループ
その3. 最初の勢いをとにかく加速
その4. インタビュー企画
その5. Web記事への掲載
・そして迎えた最終日
・クラウドファンディングを考えている人へ
私が「プラスα」でやった5つのこと
その1. クラウドファンディングの説明
先日こんなツイートをしました。
私がクラウドファンディングを実施したのは2016年2月2日〜3月30日の2ヶ月間弱。ミラノ在住の日本人友達のパタンナーにパートナーとなってもらい始めました。(彼女はそのあと勤めていたところが忙しくなって抜けてしまったのですけどね…立ち上げ時はかなり助けてもらいました)
当時はクラウドファンディング自体があまり知られていなくて、支援を集るにはまずクラウドファンディングとは何か。を説明することから始まりました。
“renacnatta”のFacebookページを遡ったら
・クラウドファンディングとは?
・なぜ私たちがクラウドファンディングを利用するのか?
を実施の数日前に書いていたポストを見つけました。
今回の記事の前置きにもなると思うのでそのままコピペしておきます。
長いのでクラウドファンディングがよくわかっている方はどうぞ飛ばしてくださいね。
2016年1月28日
みなさまこんにちは。"renacnatta"です。このFBページが出来てから「クラウドファンディング」というワードを繰り返しておりますが、、フォローしてくださっている方の中には「クラウドファンディングって何?」という方いらっしゃると思います。今日は「クラウドファンディングとは何か」と「なぜ私たちがそれを利用するのか」について書きたいと思います。長くなるかもしれませんがお付き合い下さい。
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◆クラウドファンディングとは?◆
◎WEB上で達成させたいブロジェクトや叶えたい夢などを投稿しそれに賛同した人から資金を募るサービスのことです。
◎リターンを求めない「寄付型」、商品やイベントへの招待などリターンが後日が届く「購入型」、金銭的リターンが前提の「投資型」があります。私たちは2000円からご参加頂ける「購入型」のクラウドファンディングを実施します。(詳細は次の投稿で。)
◎もともとアメリカで生まれたサービスですが、現在日本でも様々なクラウドファンディングサイトがあります。今回私たちはサイバーエージェントさんの「Makuake」を利用します。
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◆なぜ私たちがクラウドファンディングを利用するのか?◆
これまでは会社を設立したい、新しい商品を作りたいと思ったとき、そのために必要な資金は銀行からお金を借りるのが当たり前でした。または親に借りたりとか、違う会社の社長さんに出資をしてもらったりとか。それがクラウドファンディングを使えば、自分の「作りたい。実現させたい。」という想いに賛同してもらった人(不特定多数)から資金を集められます。
システム的にはオンラインショップと一緒ですが、違う点はオンラインショップだと払ったお金が会社の儲けになりますが、クラウドファンディングでは払ったお金が設立や運営のための資金になるということです。
また、クラウドファンディングをすることで、多くの人に知ってもらえるという点でプロモーションにもなりますし、果たして私たちの考えているものは受け入れられるのか、という市場マーケティングにもなります。
これらの点も今回クラウドファンディングを実施しようと思った理由です。今回のクラウドファンディングは日本に住んでいる方向けです。
本来でしたら私たちがサンプル品を友人の皆様のところへお持ちし直接プレゼンをしたいのですが、それも出来ず心苦しいです。ですので皆様とこのFBページでつながり私たちの想いをミラノから発信していきます。
クラウドファンディングでは「拡散」が重要な要素のひとつです。多くの支援を受けるにはこのプロジェクトをより多くの人に知ってもらう必要があります。私たちのプロジェクトに賛同してくださる皆様、ぜひこのページの「拡散」にご協力よろしくお願い致します。
今だったらほとんどの人が知っていることも当時は丁寧に説明する必要がありました。今はここまで詳しく書かなくてはいいとは思いますが、支援してくれようとしている人、そして始まってから支援してくれた方には丁寧に対応し、真っ正面から向き合う姿勢を分かりやすく見せるべきだと思います。ECショップと仕組みはほぼ一緒でも「買ってもらう」ではなく「支援してもらう」という意識を持つことが大事です。
なぜMakuakeにしたか、ともよく聞かれます。これは単純で、取締役の方がお世話になった(なっている)尊敬する方だったから!です。あと、ビジュアルとかもCAMPFIREやReadyforなど他サイトに比べてMakuakeの方が好きだったので私は迷いなくMakuakeにしました。
Makuakeの手数料は20%です。正直これは大きい!(笑)だって100万円調達しても20万は引かれてしまうんですからね…大きいとは思いつつ、当時は20%は大手の中では相場だったのでこれも私的にはクリアで。
今は色々なサイトが下げているので手数料を見比べるのは大事。でもそれだけでなく、どんなジャンルに強いか?という点のリサーチも重要になってくるかと思います。
その2. Facebook内の密なグループ
クラウドファンディングは最初の勢いがとにかく大切。その勢いは身内(家族や友人)の拡散&支援から始まります。最初から全く知らない人がクラウドファンディング開始とともに「いい!」と思って支援してくれることなんてないと思っておいた方がいいでしょう...
Makuakeのキュレーターの方には「開始から24時間以内で30%到達したプロジェクトの8割はサクセスします。なのでそれを第一目標にしてみてください!」と言われました。
正直「きっつー!」と思いました。(笑)
でもその安心感は欲しいと思ったので、最初の拡散の種まきをするために、頼れる友人・知り合いだけを集めたFacebookグループを開始前日に作りました。そこで改めて拡散協力のお願いと、できたら支援のお願いを自分の想いとともに書きました。
この人ならわかってくれるだろう、協力してくれるだろう、という人達だけを集めたのでそのグループ内の信頼の密度はとても濃いものでした。
その3. 最初の勢いをとにかく加速
そんなこんなで、ドキドキのままスタートしましたが、24時間以内に無事38%達成することができました。
ここまではほとんどFacebookグループの中の人たちのおかげでした。
第一関門突破でひとまず安心。
そして、キュレーターさんの言った通りそこからさらに勢いがつきました。
支援の勢いがあるとランキングにも連日入り、サイトトップページでの露出が高くなるというポジティブな連鎖も起きました。
こうして、
2日目に51%
3日目に70%
4日目に80%
そして5日目に100%!
となりました。
始まる前の目標はとりあえず100%到達したい!だったのでこの最初の数日間の嬉しさと驚きと興奮は今でも覚えています。
その4. インタビュー企画
5日目にして目標の100%に達成しましたが、残りはまだ53日ありました。ぼーっと終わるのを待つのも嫌だったのでここからパーセンテージを伸ばすことに専念しました。数字はやっぱり今後のブランドの履歴にもなるので行けるとこまで行こうと。。。
そこで考えたのがインタビュー企画。
ミラノに住む日本人の女性たち(友達)にレナクナッタのスカートを履いてもらい着こなしを紹介しながら簡単なインタビュー記事を書いていくという連載もの。
彼女達がなぜイタリアに来たのか、ミラノでどんなことをしているのか、日々何を感じているのか...
様々な分野で活躍をしている友人達をスカートとともに紹介していきました。
誕生したばかりのブランド、そして今クラウドファンディングをやっていることをより多くの人に知ってもらうというのが目的だったものの、次々と面白いことを話してくれる友人達のおかげでインタビュー内容は毎度濃い、質の良いものとなり企画自体にとても好評をいただきました。
友人たちの今まで知らない一面も覗けて私自身、書いてて本当に楽しかったです。
気になる方はぜひ読んでみてくださいね。海外留学や生活を考えている人にはかなり参考になるかと思います。
(リンク先は当時の同内容を私のブログに転載したものです。)
その5. Webマガジンへの掲載
あと実施中に一気に注目度があがるキッカケとなったのが、ウェブマガジンTABILABOの記事になったことでした。これは開始から3日目に掲載されました。
色々なメディアにプレスリリースを送ったのですが、そこは名も知れないブランド、、、取り上げてくださったのはTABILABOさんだけでした。(TABILABOさんありがとうございましたぁああ)
しかし、その記事が色々なサイトに転載されてYahoo!ニュース、ライブドアニュース、その他色々なメディアに露出することができたので結果とっても良かったです!
そして迎えた最終日
こうしてどんどん数字は伸びたものの、今度は作れるスカートの数に物理的な限界が出てきてしまい、ずっと数字だけを伸ばしていくことは不可能になりリターンの用意数に制限を設けました。それも次々と売り切れ、最終日3月30日、目標229%で終わりました。
クラウドファンディングを考えている人へ
これが私が2年前にやったクラウドファンディングの話でした。
この前Makuakeの取締役の方と会った時に言われたのが、今はサイト訪問者数もだいぶ増えたため、支援も格段に集まりやすいのだとか。
確かにTwitterのタイムラインにも頻繁に何かしらのクラウドファンディングのプロジェクトの情報が流れてきていて、日常的なものになっている印象。
なので、明確な企画、まっすぐな想い、魅力的なリターンがあれば今はきっと目を向けてくれる人は多くいるはず。
ただ、私自身はもうやりたくないです。(笑)準備期間からクラウドファンディングが終わるまで、さらに終わった後のリターン返しまで大変で大変で。。。予想以上にリターンの数が膨れ上がってしまったのに対して工場生産ではなく1枚1枚縫製担当の方に作ってもらっていたので...神経を日々すり減らしながら生きていましたよ。。。(完全な私のプランニングミスが原因なのですが...)
でも、後悔したことは一度もなく、むしろ実施して良かったと心から思っています。プロジェクトの規模に関わらず、人に支援をしていただくというのは自分への大きな自信となりパワーとなります。
しかもクラウドファンディングから今までずっと応援してくださる人たちがいます。これは本当に大きな財産です。
クラウドファンディングはやりたい人・応援したい人がダイレクトに結びつく本当に素敵なプラットフォーム。
これからもどう発展していくか、楽しみです。
Cover photo from my Instagram (@by_aika): ミラノの中心
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