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同じ目線で ②

※マガジン「311とヒトとそれ以外の何か」に格納しました※

(前回からの続き)

浜まで何キロくらいあるのかさっぱり見当もつかないが、農道をずんずん歩いていく。

・人間の足跡のほかに、鳥や獣の足跡がついていた。天災の後は餌探しの絶好のチャンスのようだ。

瓦礫や水に行く手を阻まれながら、昨日までは瓦礫じゃなかったんだなぁ、と思いながら「すまぬ、申し訳ない、ごめんなさい」という思いで越えて行く。もしかしたら踏んではいけないものを踏んだかもしれない。

・途中、墓地があった。遠くには石油精製所で起こった火災の煙が勢いよく上っていた。

瓦礫の中を進みながら、2004年末のスマトラ沖大地震「TSUNAMI」を思い出していた。津波という現象を、世界中の人がほぼ同時に映像を通してつぶさに目撃したのはあれが初めてなのではないだろうか。何もかもが濁流に飲み込まれ、何かにつかまれればラッキーだったあの映像。

それが自分の国で、こうも広範囲に起こるなんて。「大変なことになったものだ、人間は無力だ、カメラマンはもっと無力だ」というつぶやきがぐるぐる頭の中でリピートした。

・踏み外せば取材終了、第3次災害発生…という危険を冒さないように進む。

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