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混声合唱でアルトを歌う私が、アルトについて考える

アマチュア合唱人のあいかなです。
これまで混声合唱でアルトを歌ってきました。今日は、そんなアルト人の私がアルトというパートについて考えてきたことを書いてみたいと思います。

はじめに 私がアルトを歌う理由

高校の部活で合唱を始めたときから、ずっとアルト(アルトの下)を歌ってきました。

しかし、最初はアルトがやりたいとは思っていませんでした。
(そもそも合唱やりたいとも思っていなかったのですが、この話はまた別の機会に。)

アルトやりたい!って思って始めた人はどのくらいいるのでしょう?ソプラノよりは少ない気がします。

顧問の先生に声を見てもらって、「あなたはアルトね。」と言われた時、「あなたは高音出ないからダメね」って言われたのかなという気がしてしまいました。実際には、アルトの音域が合っていそうだから、という理由だと思いますが、合唱初心者の私は、なぜ自分の声がアルトなのか、誰かの歌声と自分の歌声を比較する経験に乏しかったからか、いまいちピンときませんでした。

でも今は、アルトこそが私の一番得意とするパートであると自覚し、アルトが大好きで歌っています。

私にとってのアルトの魅力の一つは、他パート以上にいろいろな声のニュアンスが求められるところです。抽象的な表現ですが、ほとんどがあたたかみのある声を求められる一方、時にはソプラノと一体化するような軽やかな声、カウンターテナーのような声、力強さのある声など、これほど多彩な声を求められるのはアルト以外ないのでは?と思っていて、そこに面白みを感じつつやっています。

アルトあるある

おそらく全国のアルト人に共感してもらえるのでは?と思うあるあるを。(一部私の中だけのあるあるかもしれませんが)
ちょっと失礼なまでに本音が出ているかもしれませんが、広い心で読んでいただければと思います。

①指揮者「アルトもっと出して!」

「(心の声)最高レベルで出してますけど!」
と周囲のアルトメンバーで顔を見合わせる。

アルトの声域で、破綻しない声で音量出すの、ほんとに苦労しますよね。
因みに昔の私だったら、一生懸命必死で出そうと頑張ってました。今の私は、カウンターテナーの助っ人ほしい!って気分になります。

②指揮者「アルトこわい」

っていう指摘、私たちも自覚はあって気をつけてるんです。でもなんか言われるとすごく嫌な気分になるんです。自覚があるだけに。なので、言われると指揮者さんの好感度、ちょっと下がります。ごめんなさい。

(真面目な話、指揮者が指摘するときの言葉選びによって、歌い手のモチベーション変わりますよね。)

③今さらソプラノ、歌えない。

  1. 楽譜にE5の音を見つけた辺りから緊張が走る。

  2. F5は気合いで出す。(発声的には問題あるけど、大概他パートも高音で音量もマックスで気合い入れて出す部分なので問題なし)

  3. 五線を超えるともう色々大変。(だけどまぁ曲には出てこない)

④懐かしい曲、歌えない。

わー懐かしい、と昔歌った曲を一人歌ってみるとアルトの旋律でなく、ソプラノの旋律で歌ってる。今さらソプラノ歌えなかったはずなのに。そしてアルトの旋律思い出せない。。

⑤アルト、ラの音、歌わされがち。

でも、特別得意な音でもない。

⑥この作曲家って、絶対アルトのこと嫌いだよね〜。

(某曲練習時の会話)
なんで最後に「Sanctus」だけ歌わすの?
寝ないように緊張しとけってこと?
でも普通に歌い忘れちゃうよねー。

⑦この作曲家の曲、アルトの音めっちゃとりにくい。。

逆に、アルトの旋律が美しいと「この作曲家、好き♡」ってなる。

⑧アルト放置されがち

アルトに対してあんまり指摘がない指揮者さんの練習時に思うこと。
出来が良いからもしくは技術的に簡単だから言う事ないのか、悪すぎてちょっと言ったくらいでは直らないだろうと思われてるのか、そもそも聴いてもらってないのか、とにかく放置されがちもしくはさらっと通して終わりがち。もう少し練習させて!いただけたら嬉しいのになぁというあくまで謙虚なアルト。

アルトの私って要らない?

私はアルトが大好き、その思いが確固たるものになるまで、いくつか私の中で事件がありました。

①カウンターテナーとの出会い

大学合唱団に入った頃、ルネサンス音楽が大好きだった私に、先輩がCDを貸してくれました。
「このアルト、全部カウンターテナーが歌ってるんだよ」
カウンターテナー? 私の中では、もののけ姫の米良さんのイメージ。
聞いてみると、確かに女性の声ではない感じだと分かりました。しかし、何となく違和感。そのカウンターテナーの方の歌声がたまたま好みでなかったのか、私はカウンターテナーの存在を受け入れることが出来ませんでした。

その後、元々は男性が歌っていた時代を知ったり、カウンターテナーの方が声量もあって、音色もピッタリとはまるというような場面に出会ったり。

あれ、アルトに女性って要らない?
カウンターテナーだけで良いのでは?
元々男声が歌っていたものを女声が歌う意義って何だろう?

などと悶々と考え続けた時期もありました。
しかし、とあるカウンターテナーの方との出会いで、私の心は癒やされ、今では、カウンターテナーと一緒に歌えることに感謝と喜びを覚えています。自分ではない誰かと声や気持ちを合わせて歌うことが意義深いことで、性別なんてどうでもいいのだと気づいたのです。

②「そこのアルトのメロディ、ソプラノ代わりに歌って」

とある合唱団で、アルトに主旋律が来たとき、ほぼ必ずと言っていいほど指揮者に言われた言葉。

かなり衝撃を受けました。高校の部活時に、「あなたはそこ(上手く歌えてないから)歌わないで」というセリフは聞いたことがあります。しかし、練習して上手くなれば、また歌うことを許されました。

でも、その合唱団ではアルトに救済措置(練習して上手くなったら楽譜通りアルトが歌う)はありませんでした。
確かに、指揮者の求める極上のふわふわ軽いアルトに対して私達はかなり重めだったのだろうと思います。
しかし、アルトへのアドバイスもなくそのセリフばかり言われたので、
アルトの私って要らない? もうソプラノだけ2つに分けて歌ったほうが。 なんで、私はこの合唱団に誘われたのだろう? 人数要員? もう指揮者は簡単に信用してはいけない・・・と謎のトラウマも発生しました。

その時の指揮者の真意は分かりませんが、自分の発声について見直すきっかけとなり、大幅に声が変わったので、今では感謝しています。


これら2つの事件は、当時はショックな出来事ではありましたが、合唱人生を振り返ってみると、良い結果をもたらしてくれました。


おわりに アルト人のやる気をアップさせてくれる至言たち

最後に、アルト人のやる気をアップさせてくれるであろう至言たちを紹介します。

①シューマンさんのお言葉

シューマンさんの曲は歌ったことありませんが、精魂込めて歌います!

②当間修一先生のお言葉

アルトの柔らかく、ふくよかな響き。低音域の柔らかく、深い響きは合唱全体にとって奇跡を生み出すもの、と私は捉えています。事実、音色的にもハーモニー的にも予想を超えた自然倍音を生み出すことを私は何度も体験してきました。
アルト、それは合唱における《要》としての存在です

合唱講座(執筆:当間修一)第48回 女声アルトの低音作り

日頃自己肯定感が低くなりがち(私だけ?)なアルト人にとって、なんとも嬉しい言葉ですね。



ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
アルト人の皆様(もしくは読んでくださった貴方様)の更なるご発展をお祈り申し上げます。

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