1人ボッチの夜に、見えない"ナニカ"を探している
時計の針は21時を知らせている。
仕事が終わり、帰宅してやるべき家事をする。私の日常だ。そそくさと終わらせてソファーに座り溜息をつく。
「今日は遅くなる」と主人からのLINE。
今夜は1人で過ごすことになりそうだ。
主人は自営業で、営業から現場まで1人でこなしているのでいつも忙しい。休みが重なり2人で出かけたのはもういつだったかもわからないほどだ。
考えると、私たち夫婦はそれぞれで生きている時間が長いのかもしれない。
寂しい、つまらない、ドキドキしない。
そんなの夫婦っぽくないんじゃないという人もいるだろう。2人の時間が短すぎるって。
独占されるわけでもなく、それでいてお互いの呼吸を共鳴し、感じ合う。付かず離れずのこの距離感が私は好きだ。
あまりにも近づき過ぎると、疲れてしまうと解っているから。
今日もテレビをつけずに考え事にふける自分がいる。
私たちの最高な2人のカタチはどんなものなんだろう?
愛されているのか、ただ居場所を共有しているだけなのか。これまでは相手ではなく自分の気持ちを大切にしてきた。
好きなら好きと、嬉しいなら嬉しいと素直に伝えてきた。そして何を言うわけでもなく受け止める彼がいる。
もし、彼がすんなり愛の言葉を口にする人ならば嫌いになっていただろう。
溢れる愛を伝える私と
それをただ流していく彼と
凸凹な関係が長続きできている理由なのかもしれない。
1人ボッチの夜は想いを整理する時間に使う。
「私たちはこれでいいんだ」
今のままがこれからも続くように、明日からも自然体で触れ合っていく。
2人でいられるのは短くて濃い一瞬。
それでも私は満足している。
いつまでも優しい時間を共有出来る2人でありたい。
この距離感を崩さないように。
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