大学奨学金申請マニュアル
1. はじめに
*作成にあたっての思い
本マニュアルは経済的な理由で大学進学を
諦めて欲しくないため作成しました。
また、在学中に経済的な不安の軽減に貢献
したいと思っています。
大学奨学金についての情報をなるべく
多くの方に知ってもらい、教育機会の格差が
少しでも是正されることを願っています。
*作成者について
私は母子家庭で母に負担をかけずに
大学進学したいと思っていました。
しかし、学びたいことを妥協せず私立の中でも
学費が高い大学に進学しました。
経済的な不安を取り除きたいと思い、
奨学金の申請に力を入れ、
大学3年生の時には学費を全て給付型の奨学金で
支払えるようになりました。
奨学金の申請を通じてノウハウやコツを
学ぶことができました。
*奨学金申請の情報の一つとしての活用
このマニュアルは作成者の経験のもと
作成しています。
そのため、一部は主観的な情報です。
大学、ネット、本など奨学金についての情報は
多くはないが存在します。
多角的な視点で奨学金の情報を収集してください。
2. 奨学金の種類
奨学金には主に4つの種類があります。
また、奨学金を貸与 / 給付している団体は4つに分けられます。
【奨学金の種類】
① 給付型
返さなくてよい奨学金
② 貸与型(無利子)
利息をつけずに借りた金額の返済義務がある奨学金
③ 貸与型(有利子)
借りた金額+利息の返済義務がある奨学金
④ その他
様々な条件で学費の肩代わりや奨学金を
貸与 / 給付する (新聞奨学生など)
【団体の種類】
① 日本学生支援機構(HP)
・ 独立行政法人が実施している奨学金
・ 経済的な困難のある人は応募必須
・ 給付型 / 貸与型(無利子&有利子)あり
・ 基本的に4年間受給(変動あり)
・ 高校3年に申し込む「予約採用」
と大学入学後に申し込む「在学採用」
・ 他奨学金と併用OK
② 地方公共団体(一覧)
・ 都道府県や市区町村が実施している奨学金
・ 貸与型が多い
・ 応募資格が多い
(〇〇に居住 / 県内就職 etc)
③ 民間育英団体
・ 民間団体が実施している奨学金
・ 給付型 / 貸与型あり
(他団体に比べて給付が多い)
・ 応募資格は多様
④ 大学独自制度
・ 大学が自ら実施している奨学金制度
・ 給付型 / 貸与型 / 学費(一部)免除あり
・入学試験の成績か在学中の成績での審査ある
3. 奨学金応募方法
学生専用サイト / ポータルに奨学金に関するページがあります。
奨学金の募集時期や応募資格は学生専用サイトの奨学金ページに記載されています。
また、どの大学にも学生のサポートをする部署があります。
わからないことは実際に部署の方に質問することをお勧めします。
主流の特徴は以下の通りです。
【応募時期】
各学期開始時期の募集が多い
・学期終わりと始めは学校の奨学金ページで情報を確認
【応募方法】
直接応募と学内選考の2種類
<直接応募>
・奨学金の団体のみが書類 / 面接の選考を実施
・提出書類を直接提出する場合と
学校に提出する場合あり
<学内選考>
・学内で書類 / 面接選考を実施、
数名を奨学金の団体に推薦
・大学独自制度は学内選考のみ
【必要書類】
「募集要項」に全て記載
・応募理由 / 自己PRなどを記載した願書
・親の所得証明証
・成績証明書
・教授の推薦書 など...
【応募条件】
「募集要項」に全て記載
・成績(GPA〇〇以上)
・親の所得
・専攻分野
・課外活動 など...
4. 奨学金に採用されるコツ
下記は給付型奨学金申請時に学んだことです。
しかし、貸与型にも適用すると思います。
【基本編】と【応用編】の2部構成です。
【基本編】
① 日本学生支援機構への応募は絶対
給付型の所得基準は年々緩くなっています。
募集時期には必ず基準を確認しましょう。
また、貸与型も基準さえクリアしていれば
受かるため他の団体より楽です。
情報が多くて混乱するかもしれません。
わからないことは大学の奨学金担当の部署に
質問すれば、丁寧にサポートしてくれます。
② 大学独自の「学費免除」への応募は絶対
多くの大学に「学費免除」があります。
親の所得と成績の応募資格があります。
学費の全額〜1/3と免除額はバラバラです。
春学期、または各学期の初めに
募集されることが多いです。
③ 応募数はなるべく多く
募集資格を満たしている奨学金には全て応募するべきです。
給付型の奨学金は少なく、倍率が高いです。
求める人物像、成績、活動実績、雰囲気など
相性がよければ採用されます。
基本的に落ちるメンタリティーで臨みましょう。
多くの奨学金に応募し、採用される確率を上げるべきです。
その際には、期限、内容や必要資料などの情報をまとめておくと、
混乱せずスムーズにミスなく進めることもできます。
④ 志望動機には将来の目標を記載
給付型奨学金は一種の「投資」です。
「この人に頑張ってほしい」「応援したい」
と思わせないといけません。
つまり、大学生活を通して何をしたいのか、
を明確にしてください。
下記のポイントを含めるといいと思います。
a. 将来の目標 / やりたいこと (+なぜ)
b. なぜそれが採用側や社会に重要であるのか
c. 目標達成のためにやっていること
(又は、したこと / したいこと)
d. aとcのために金銭的な援助が必要な理由
⑤ 就活用テンプレを活用
書類選考では志望動機以外に様々な質問
に対して答えなければなりません。
自己PR、学生時代頑張ったこと、
長所・短所などを書く場合があります。
これらの質問は就職活動で書くことが多いです。
ネットで就活用のテンプレを探し、
アレンジすると綺麗に書けます。
可能な限り他の人に添削をお願いしましょう。
⑥ 面接の事前準備は丁寧に
面接では「自分らしさ」を出すべきです。
しかし、準備なしに挑むのは無謀です。
どのような質問に対して、
どのように答えるか事前に考えるべきです。
また、頭の中で考えるだけでなく
実際に声に出して練習しましょう。
そして、実際に他人に頼んで、
面接のリハーサルもしましょう。
下記の質問はよくある質問です。
・奨学金の申請理由
・将来の夢
・経済状況
・奨学金の利用方法
・大学 / 学部の志望動機
・部活動などの課外活動
・自己PR(長所&短所)
・今まで頑張ってきたこと
また、特に心配なことがある場合は、
その点も対策しておきましょう。
話すのが苦手、緊張してしまう、
自信がないように見えてしまう、など。
対策がわからないときは調べて、
根拠ある情報を集め、練習しましょう。
⑦ 面接マナーに気をつける
面接マナーは事前にしっかり調べましょう。
面接は主観的な判断が多いです。
いかに印象を良く、強くできるかが重要です。
ネットで「面接 マナー」で調べれば簡単です。
【応用編】
① 好成績を維持
成績は応募要件にある場合が多いです。
悪い成績だと応募すらできないです。
また、好成績であれば奨学金の申請や 2年目以降の継続申請に有利です。
ただひたすら頑張るのではなく、よく考え、
戦略的に好成績を獲得しましょう。
例えば、授業の難易度、課題の多さなど
授業の組み合わせをよく考える、など。
② アピールポイントを作る
他の応募者と自分自身を差別化できる
要因があると有利です。
特に書類審査である一次選考で大切です。
「大きいこと」でなくてもいいです。
好成績や部活動、ボランティア、インターン、なんでも良いです。
学んだ事、成長したところ、結果など、
明確で伝わりやすいものだと良いです。
自分らしさや強みをアピールできるポイント
を積極的に作りましょう。
③ 団体が求めている人物像に近づく
全ての奨学金の団体に「理念」があります。
ホームページなどに掲載されている設立経緯や
ビジョンを読めば、その団体が大切にしている
考え方や求める人物像があります。
嘘をつく必要はありません。
ですが、団体の理念に近いアピールポイントや
志望理由を書くことを勧めます。