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新卒デザイナー就活:道しるべとしてのポートフォリオ
この記事は「ReDesigner for Student 後輩に残すクリエイター就活の手引きAdvent Calendar 2024」の7日目です🎁
ご無沙汰しております🌱
静岡でデザインを学び、来年春から晴れてデザイナーとして働けることになりました、25卒の鈴木愛佳(@aika_suzuki_)です。
大学ではグラフィックデザインやアニメーションな表現に特化したデザインを学ぶコースに所属しながら、正課外ではUXデザインやサービスデザインを学ぶ部活動に在籍しています。
今は12月。
3年生の今頃は、夏季インターンを終えて自分の実力に焦りながら、冬季インターンに備えて作品作りに没頭していた時期であり、説明会やセミナーをチェックしながら終わりのないポートフォリオ制作にひたすら頭を抱えていた頃。
今回、ReDesigner for Studentさんから素敵なお誘いをいただいたご縁もあり、私が当時大苦戦していた「ポートフォリオ制作」について つらつらと綴ろうかなと思います。
前半は情報の構造化やレイアウトなど、技術的に気をつけていたことを。
後半は心持ちや向き合い方など、気持ち的に考えていたことを。
これをしたら絶対大丈夫!という自信はないけれど、私なりに導き出したものの微弱な一欠片でも、今を奮闘している就活生の皆さんに届いたら嬉しいです🧚
ポートフォリオってどう作ったらいいの
まさに、見出し通りの困惑から始まったのは2年生の冬。
当時は、2年生の夏に「UI・UXデザイナー」という職種を目指すことを決めてから、部活動でのプロジェクトに励んでいました。
東京で部活動の展示を行うのに合わせて、あわあわと準備を始めたポートフォリオ制作。
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Ver.1 はなんと1作品1ページという今では考えられない情報の少なさです。(これはポートフォリオと呼べるのか?というレベル)
しかし早い段階でVer.1をつくったことで、
「おやおや、これはまずいぞ」
と背筋を正す機会になったのを覚えています。
①載せられる「UI・UX」作品が無い
②作品ごとのプロセスが無い
③気づきなど、思考の記述が無い
無いもの尽くしで始まった私のVer.1ポートフォリオは、3年夏のインターン選考に向けて、大改造を試みることになります。
【ポートフォリオ作り始めに、意識してみて欲しいこと🌱】
①まずは作品の洗い出し・整理から始めてみよう
② Ver.1 は簡単に早く作り、ReDesigner for Studentにアップしよう
③「ポートフォリオは変わり続けるもの」と柔軟に捉えよう
④先輩でも同期でも教授でも、恥ずかしがらずにたくさん見てもらおう
ぶつかった3つの壁
大改造の決意を固め、早速Ver.2を作り始める中で、”3つの壁”とも呼べるものにぶつかります。
その”3つの壁”とは、
①読まれない
②分からない
③つまらない
ここでも無いもの尽くし!
ひとつずつ噛み砕いていきます。
❶読まれない
頑張って作った作品。毎日根気強く向き合ったプロジェクト。
伝えたいこと、載せたい情報がたくさんです。
しかし、長い文章は基本的に”読まれない”と思うことが大切です!
なので、情報を載せる際には必ず最初に「小見出し」をつけ、この文章は端的に◯◯について書かれていると示すことで構造化します。
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そうすることで、
①内容がすぐに伝わる👀
②ポートフォリオのプレゼンの際に楽になる😉
というメリットがありました。
また、情報の構造化という面ではポートフォリオ全体を通してルールを設けることも、読みやすさにおいて重要でした。
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もちろん、例外も時々発生するのですが、基本的なルールは一緒です。
「なんとなく」ではなく、意味に基づいて情報の扱い方を決めると、”読みやすさ”につながります◎
【ポートフォリオの読みやすさのために、意識してみて欲しいこと👀】
①長い文章を簡潔に示す「小見出し」をつけよう
② 文字の大きさにはルールを設けよう
❷分からない
読みやすくはなった!
だけど、大事な部分がどこなのかが”わからない”!
次は、「構造化した情報をどうレイアウトし、整理するのか」という問題に直面します。
そこで意識したのは、
伝えたいことは、1ページに1つにすること。
情報を1ページに詰め込みすぎると、目があっちこっちに行ってしまって分かりにくいです。
「サービスの機能」について伝えたかったら、それだけで1ページ使ってしまいます。
コツとして、余白を多く取ることが重要でした。
文字の大きさもルール化されているので、1ページに載せられる情報量とレイアウトは自ずと固まっていきます。
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印刷も想定しているのなら、上下左右の余白をたっぷりと取ってみると楽です◎
あとは、ページの構成について。
当初は制作を行った順番、つまり時系列でそのままページの構成を決めてしまっていました。
しかし、プレゼンの際に凄くやりづらいことが発覚します…
伝わりやすさ、分かりやすさのためには結論=どんなサービスなのかを初めに伝え、そこから具体的なプロセスを深ぼっていくのが大事です。
まずは虚空に向かってひとりポートフォリオを用いてプレゼンをしてみて、次のステップでは第三者にプレゼンを聞いてもらうと良い練習になります。
大事なのは、端的に分かりやすく相手が欲しい情報を話すこと!
ここはひたすら評価→改善のプロセスですね…🔥
【ポートフォリオのわかりやすさのために、意識してみて欲しいこと💭】
①特に伝えたいことは、1ページに1つにしよう
②余白はたっぷり取ろう
③結論=どんなサービスなのかを初めに伝え、第三者に説明してみよう
❸つまらない
読みやすくなったし、分かりやすくもなったのに、何かが足りない…
なんか、"つまらない"…
それは、私のポートフォリオがよくありがちなポートフォリオになってしまっていたからでした。
企業さんは、一日にいくつもの学生のポートフォリオを見るので、フォーマット化されたポートフォリオは埋もれてしまって記憶に残りづらいです。
そこで、まず私が行ったのは極力フリー素材を使わないこと。
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例えば、目的が書かれたページでは、それに合わせたイラストを自分で描き、オリジナリティを出してみました。
細部までこだわって作れます!というアピールも兼ねられると思います👀
もちろん、フリーのアイコンも沢山多用していたので、必要な部分に適宜で良いかと思います。
さらに、大事な表紙について。
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元々自分の写真を大きく使っていた表紙でした。
しかし、これはあまりパッとしないですよね…
「ふーん」で終わってしまいそうな表紙です。
「もっとコンセプチュアルに、自分らしさを出せる表紙にした方が良い」
という教授のアドバイスのもと、自分が大切にしている価値観を表現したものに変更しました。
”静かだけれど、誠実に、デザイン活動への情熱を灯し続ける”
そんな意味を込めたこの表紙は、就活においても大事な支えになりました。
なので、ポートフォリオの顔を飾る表紙は、自分の”個”や価値観などが見え隠れしていた方が、グッと目を引くのではないでしょうか👀
【ポートフォリオの個性を出すために、意識してみて欲しいこと👩】
①フリー素材を自作のものに置き換えてみよう
② 表紙は価値観や個が反映されたものにしてみよう
迷うくらいなら、”全部のせ”で
「ポートフォリオは自分を映し出す鏡だ」
就活中、そんな言葉をよく聞いた気がします。
自分が何をやってきて、自分には何ができるのか。
否が応でも、ポートフォリオが示してくれちゃいます。
でも、就活中は自分への自信を見失ってしまう時期。
「もっと情報絞った方がいいのかな」
「どのくらい作品載せればいいんだろう」
と悩んでしまう気持ち、すごく分かります。
ポートフォリオではないのですが、エントリーシートを書いて教授に見せた時、「全方面によく思われたいと思ってるんじゃない?」
と言われたことを今でも覚えています。
自分を曲げて、どの企業にも自分をよく見せようとしたことで ”ごくふつうで、曖昧な自分”だけが最後に残ってしまっていたのでした。
そんな、曲がり曲がって、自信をなくして、就活に翻弄されていた私が思うのは、
”今の自分が提示できる全部を、そのまま企業さんに委ねてしまって良い”
ということ。
ポートフォリオ=自分の手札 と考え、手の内は全部見せていました。
着飾ったり、身を削ったりするよりも、ありのままを曝け出して受け入れてくれる企業さんとのご縁の方が、長期的に考えて絶対良いはず!と思ったのです。
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そんなこんなで、最終形態のポートフォリオはかなり情報量が充実したものになりました。
第一志望で内定を頂いた企業さんのポートフォリオは、ファイル容量を20MB以内に収めなくてはいけなかったので、ギリギリの20MBで提出しました。
それくらい、私の100%を受け止めて!という気持ちで、最後までポートフォリオの情報量は絞らずに進めました。
ただ、かなり気をつけていたのは、全体の情報量が多い分、情報の構造化やレイアウトに気を配ることです。
その点は、3つの壁 ”読まない” ”分からない” ”つまらない” を意識し、企業さんに丸投げにしないように!
【ポートフォリオの情報量に関して、意識してみて欲しいこと🪞】
①どれくらい載せたら良いのか迷ったら、全部載せてみる
②全体の情報量が多い分、情報の構造化とレイアウトに気を配ってみる
おわりに
色々書きましたが、これをすれば絶対大丈夫!ということは無いと思います。
ポートフォリオの情報量を削ることで、より魅力的に見える方も居るかも知れません。
就活のやり方、スピード感は人それぞれなので、そこは1人で悩まず、いろんな方に相談してみてください🧚
私も、色んな方々の支えのおかげで今があります。
唐突にXのダイレクトメッセージを送ったのにも関わらず、親身に相談に乗ってくれた田口さん。
定期的にキャリア面談をしてくださり、就活を温かい言葉で応援してくれた森内さん。
ポートフォリオ相談会などのイベントで、まっすぐ率直な意見をくれた企業さんや先輩就活生の皆さん。
いつも一緒に戦ってくれたゼミの同期、そして的確にフィードバックくださった教授。
いつどんな時でも、ひとりでは乗り切れなかった就活でした。
そして、このnoteを読んでくださっている就活生のみなさんも、1人で抱え込まず、ちゃんと休息を挟みながら、嫌になってしまう自分も抱きしめてあげて、あなたがこれまで頑張ってきたこと、ちょっとでも良いので信じてみてください。
そして、それを思い切って、さらけ出してみてください。
そしたらきっと、光は見えてくるはずです 🌅