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「攻めのAI」と「守りのAI」の違いは?企業をさらに成長させるヒント

「攻めのAI」という言葉をご存じでしょうか。AIは今もなお大きな注目を浴びていますが、そのトレンドは移り変わっています。

これまでは「守りのAI」としての使い方が多かったのですが、今後は「攻めのAI」としての活用が欠かせなくなってきています。

とはいえ、「攻めのAI」と「守りのAI」の違いを理解しないと、使いこなすことはできません。

本記事では、「攻めのAI」と「守りのAI」の違いやトレンドの移り変わり、「攻めのAI」としての活用事例を紹介します。

中小企業の「攻めのAI」を実現するsLLMについても紹介するので、「AI導入を検討している」「今後AIをさらに活用していきたい」という場合はぜひチェックしておいてください。

「攻めのAI」と「守りのAI」の違い

「AI活用」と一言で言っても、「攻めのAI」と「守りのAI」の2つがあります。今後、企業としてAIを活用していくには、この2つの違いを知っておかなければなりません。

「まだうまくAIを活用できていない」「どのようにAIを活用すればいいかわからず、乗り遅れている」という場合は、この機会に知っておきましょう。

「攻めのAI」とは

「攻めのAI」とは、顧客満足度を向上させたり新サービスを開発したりなど、企業の価値を上げるためにAIを活用する方法です。

たとえば、結婚相談所の例に考えてみましょう。利用者のプロフィールや結婚が成立した組み合わせなどのデータをAIに分析させ、成功率を数値化できるサービスを開発したとします。

それを有料で提供してもいいですし、ホームページ上で公開して問い合わせの足掛かりとして使ってもいいでしょう。これは自社の価値を上げ、問い合わせの増加につながると考えられるので「攻めのAI」と言えます。

「守りのAI」とは

「守りのAI」とは、業務効率化やコスト削減のためにAIを活用する方法です。

たとえば「AIを活用したチャットボットを導入して、カスタマーサポートの人員を減らす」「AIに会議の議事録を取ってもらい、書記係をなくす」などは、「守りのAI」と言えます。

はじめてAIを導入するなら、「守りのAI」としての使い方のほうがイメージしやすく、扱いやすいでしょう。

トレンドは「守りのAI」から「攻めのAI」へ

2022年11月にChatGPTがリリースされたあたりから、今もAIは大きな注目を浴びています。当初は「守りのAI」としての活用が目立ちましたが、トレンドは移り変わり、今は「攻めのAI」としての使い方が注目されています。

株式会社野村総合研究所の調査によると、現状では原稿作成や要約などの「守りのAI」としての活用がメインですが、今後は広告や動画・音楽作成など、企業の価値を上げる「攻めのAI」としての活用を検討している割合が増えているようです。

参考:アンケート調査にみる「生成AI」のビジネス利用の実態と意向|株式会社野村総合研究所

もちろん、入りは「守りのAI」としての活用でまったく問題ないのですが、今後も企業として生き残っていくためには「攻めのAI」としての活用が欠かせません。

将来のためにも、「攻めのAI」として活用する方法は知っておくべきでしょう。

「攻めのAI」としての活用事例

「攻めのAI」としての主な活用事例は、以下の3つです。

・顧客分析
・マーケティング分析
・非構造化データ分析

それぞれどのようなAIの活用方法があるのか、一つずつ見ていきましょう。

顧客分析

AIを活用して顧客分析を行うと、潜在的なニーズの発見や商品・サービスの最適化のためのヒントを得られる可能性があります。

たとえば、オンラインショップを運営している企業がAIで顧客分析をしたところ、日中と夜では購買量や商品に違いが見られました。そこで、タイムセールのタイミングやトップページに表示させる商品を日中と夜で変えると、売上が1.5倍に上がったのです。

このように、顧客分析という「攻めのAI」としての活用で売り上げを上げることもできます。

マーケティング分析

AIを活用してマーケティング分析を行うと、費用対効果を最大限にできる可能性があります。

具体的には、新商品発売の前にAIを使ってマーケティング分析をしたとします。すると、当初予定していた販売価格より、もう少し値段を上げても売れそうなことがわかりました。

AIを使って価格を上げたことによるリスクも考慮した結果、価格を上げて販売することにしました。すると、収益は価格改定前より上がり、新たなサービスに投資できるようになったのです。

このように、マーケティング分析という「攻めのAI」としての活用で費用対効果を最大限にし、新たなサービスへつなげることもできるのです。

非構造化データ分析

数値化しにくい非構造化データも、AIを活用して分析することで、顧客満足度を高められる可能性があります。

たとえば、顧客アンケートをAIによって自動で分類します。顧客属性と併せて分析すれば、顧客満足度が高いグループと低いグループに分けられるでしょう。

顧客満足度が低いグループの共通点に対して対策を打ち、顧客満足度が高いグループに近づけられるようにすれば、改善が見込めます。

特定の状況化でクレームが発生している場合は、社員教育や仕組みの改善などで顧客満足度をさらに上げられる可能性もあるでしょう。

このように、非構造化データ分析という「攻めのAI」としての活用で数値化できないものも最大限に生かし、顧客満足度や企業価値の向上につなげられるのです。

中小企業の「攻めのAI」を実現するsLLM

AIに関して、予算や規模の問題で導入が難しい中小企業でも「攻めのAI」を実現できる技術がsLLMです。

sLLM(small Large Language Models)はLLMに代わるコンパクトな自然言語処理モデルのことで、コストを抑えてコンパクトに運用できます。「ここにだけAIを導入したい」という場合にうってつけで、まさに「中小企業の助け舟」と言える存在です。

sLLMなら中小企業でのAI自社開発も可能なので、「攻めのAI」を活用して企業価値を向上させられます。

sLLMに関しては「【AI革命】中小企業の助け舟!sLLMをどのように導入する?」でさらに詳しく解説しています。こちらもぜひご覧ください。

まとめ:「攻めのAI」で企業をさらに成長させましょう

「守りのAI」は導入しやすく、その役割も非常に重要です。しかし、近年は「攻めのAI」としての活用が注目されており、企業として生き残るためには欠かせなくなっています。

まずは本記事で両者の違いを把握し、「攻めのAI」で企業をさらに成長させていきましょう。


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