「謝罪」と「感謝」の距離感
ウェブディレクターをやっていると、
本当に謝ってばっかりだなって、感じることがある。
「すみません、遅くなって……」
「わかりにくくて、ごめんなさい……」。
そんな言葉が日常的に繰り返されている。
例えば、同僚が手伝ってくれた時も、感謝する前に
「ごめんね、迷惑かけて」と言ってしまう。
そして、謝ってばかりの自分の存在が他人にとって負担でしかないように感じ、心が少しずつ疲弊していくのを感じていた。
私は自分が欠陥のある人間だと思っている。
誰かに迷惑をかけずに生きることなんて、実際にはできない。
だからこそ、迷惑をかけてしまうことを恐れるよりも、「迷惑をかけても嫌な顔をせずに、力になれる人でありたい」と思って生きてきた。
もちろん、仕事でミスをしたり、怠惰によって、相手に迷惑をかけたときには誠心誠意の「謝罪」をしなければならない場面はたくさんある。
ただ、そうではない「謝罪に依存したコミュニケーション」でバランスが崩れていたのだと思う。
その「謝罪」は、「感謝」の言葉に置き換えられないだろうか。
「感謝」には、不思議な力がある。
「ありがとう」と言うだけで、相手との距離感がぐっと心地良くなる。
例えば、同僚が忙しい中で手伝ってくれた時。「手間かけてごめん」と言うかわりに、「ありがとう!本当に助かったよ!」と伝えたら・・・
「理解できなくてごめん」ではなく、「丁寧に説明してくれてありがとう」といえたら・・・
「すみません、もう少し早く報告するべきでした」ではなく、「ありがとうございました、急な依頼にも関わらず対応していただいて助かりました」と伝えたら・・・・・・
そもそも「謝罪」は、相手に敬意を示し、自分の過ちを認める行為なのだが、過剰に使うと、どこか自分を卑下しているように見えたり、相手との関係が不均衡になりがちなものだ。
逆に「感謝」は、相手に対するリスペクトやポジティブな評価を伝えることで、相手も自分も前向きな気持ちになれる。だから、「感謝」の言葉が増えると、相手との関係が自然と対等で、健全なものになっていくんだと思う。
「謝罪」も「感謝」もどっちも大事なんだけど、その距離感がポイントなのだと思う。
謝ってばかりだと心も疲れてしまうし、いつの間にか自分が下の立場に置かれて、関係が上下関係のようになってしまうことが多い。
「謝罪」に依存せず、「感謝」でバランスを取ることで、前向きに対等で信頼できる関係を築いていきたい。