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harunatelier
evergreen
もう何年もこの曲が好きだったことを忘れていた。
島に来てたら友達になった同級生とドライブをしていたら、カーステレオからギターとピアノの前奏が聞こえてきて、一度に色んな記憶の断片が私の中に蘇ってくる。
「evergreen やん!」
この曲を聴きながら過ごした青春時代。電車で3駅先にあるTUTAYAにせっせと通って、予算をオーバーしないように計算しながらCDを借りる。帰りの電車の中でお気に入りの曲ばかりを入れたMD(懐かしすぎ)が完成するのを、うっとり想像するのだ。
半ば強引に奪い取った父のお下がりのウォークマンで、お気に入りの曲が詰まったMDを聴きながらあまり好きではなかった学校まで自転車を漕ぐ。ちょっと憂鬱な毎日。父も母も元気で、毎日守られていた。でも、私はどこか遠くに行きたくて、evergreenを聴きながら色々な想像をしていたような。どこか知らない街で、爽やかな初夏の風を感じながドライブする大人の私とか。その空想はキラキラしていて、女子高生の集団的ハイテンションついていけず常に居心地の悪さを感じていた当時の私には、尊い逃避妄想だった。
今、当時の妄想どうり?新緑がキラキラする緑の道を毎日ドライブしている。車には上下の雨がっぱと、長靴とノコギリとかナタとかが積まれているのが、女子高生の頃の妄想とは少しずれている気がするけど笑。
梅雨の晴れ間に、輝くみどりの木漏れ日に目を細めながら、今日もevergreenを聴いて島の道をかっ飛ばす。