母がめっちゃ告白されてた話
うちの母は可愛い。
もちろん容姿も綺麗だけど、
少し天然な性格も可愛いし、
小動物のような仕草をするところも可愛い。
この「とにかく可愛い母」が、
小さい頃から私の自慢であり、
私のちょっとしたコンプレックスでもある。
そんな母がある日、
「私、めっちゃ告白されてきたんだよねぇ」
なんてサラリと言ってのけたもんだから、
わたしは夢中になって話を聞いた。
(ほら!世間も母のことを、かわいいと思ってるんだ!)
以下、母の甘い思い出。笑
* * *
母の学生時代、
祖父は転勤の多い仕事をしていたそうで、
小学校~高校まで、母は転校を繰り返してきた。
引っ越しが決まり、学校側に母が転校する旨が伝わると、
決まって何人かの男の子たちに、
母は呼び出された。
「転校する時に、いつも告白されるんだよねぇ。」
次第に母は、同級生の男の子たちの間で、
「どうやら自分は人気があるらしい」ということに気付きはじめる。
「私、優しいから。気の強い女の子達より話しやすかったんじゃないかな~。」
得意気に話す母の横で、
(その告白、両思いだったらどうするんだろう…?)
(文通するのかな?)
(え、もう会えないのに?)
(各地の男の子から恋文めっちゃ来るの?)
(文才問われるじゃん)
(平安時代かよ)
と、私の頭にはいくつかの疑問が浮かんたが、
ほんわかした笑顔で語る母の様子からは、
「離れ離れになってもあなたを忘れないわ!なみだなみだ、」
みたいな、ほろ苦い記憶は全くなさそうだった。
そんなに告白されたら、告白にも慣れてしまうのかな?
それはそれで、ちょっぴり寂しいかも。
母の話を思い出したのは、今日がバレンタインだから。(ガトーショコラを作りました)
告白チャンスといえば、バレンタインでしょ。
私もバレンタインに好きな子に告白して、付き合ったことがある。
(お母さん、告白するのって、すごく勇気がいるんだからね。)
そんな事を考えながら食べるガトーショコラは、
うんと甘く作ったはずなのに、少しだけ苦い。
みかん
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