プリファードネットワークス(PFN)って何?
お疲れ様です。
皆さんは、プリファードネットワークス(PFN)という会社をご存じでしょうか?
私はよく知らなかったため、少し調べてみました。
プリファードネットワークスは、2014年に設立された日本のスタートアップで、深層学習を用いたサービス開発に力を入れています。生成AIブーム以降、特に大規模言語モデル(LLM)の開発に注力しており、その活動が注目を集めています。
LLMの開発を行っている企業は、NTT、NEC、ソフトバンク、サイバーエージェントなど多岐にわたりますが、プリファードネットワークスの特徴は、LLMモデルの開発だけでなく、それを支える計算基盤や計算処理の要となる半導体チップの開発にも積極的に取り組んでいる点です。
① 半導体チップの開発
プリファードネットワークスは、MN-coreシリーズという半導体チップを開発しており、プロセスルールが7nmクラスのチップの開発を完了、今後はTSMCに製造を委託する予定とのことです。
私が展示会でPFNの社員の方とお話しした際、創業当初から半導体チップの重要性に気づき、開発に向けた準備を進めていたと伺いました。2017年にTransformerアーキテクチャが登場した後のチップ開発ならまだ理解できるのですが、登場前から目をつけていたというのは、驚くべき洞察力だと思います。
なお、今後はサムスン電子に2nmクラスのチップの設計開発を委託する方針だそうです。これまで培った設計開発の知見を活かしつつ、他社の優れたチップを活用する姿勢も、柔軟かつ戦略的であると感じました。
② 計算サーバの開発
PFNは、MN-coreシリーズを搭載した計算サーバMNシリーズ(MN1, MN2, MN3, MN4)を展開しており、現在はMN-core2を搭載したMN4の開発が進行中です。
計算サーバの開発には、単にハードウェアを作るだけでなく、複数のサーバやチップを効率よく連携させ、巨大なAIモデルを学習させる仕組みを構築する必要があります。特定のサーバがダウンした場合のリカバリー方法など、実務に即した問題解決が求められるため、非常に泥臭い作業が伴います。こうした計算基盤の開発をも自社内で進めているPFNのAIに対する本気度には、驚かされます。
③ AIモデルの開発
次に来るのが、計算サーバを使ったAIモデルの開発です。現在はLLMブームの中で、PFNもこの分野に特化しており、PLaMo-100Bという1000億パラメータ規模のLLMを開発し、リリースしています。日本の大企業が開発しているLLMが数百億パラメータ規模である中、PFNはそれを超える規模のLLMを開発しており、その意欲的な取り組みが伝わってきます。
④ AIモデルを使ったサービス展開
最後に、開発されたAIモデルをどのようにサービスに組み込んでいくかという点です。PLaMo-100BなどのLLMを活用したサービスの展開が進んでおり、今後、私たちがPFNの技術を身近に感じる機会が増える可能性があります。
まとめると、プリファードネットワークスはLLMの開発やサービス展開だけでなく、AIモデルの基盤となる半導体チップや計算サーバの開発にも取り組む、非常に多角的な企業です。
調べてみて改めて、PFNの素晴らしさを感じました。今後の動向から目が離せませんね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。