藤井風 「NAN-NAN SHOW 2020 HELP EVER HURT NEVER」in武道館 から一年。あの日までの事、あの日の事。
藤井風「NAN-NAN SHOW 2020 HELP EVER HURT NEVER」から一年。
2020年9月4日
この日から私達の武道館は始まった。
「帰ろう」のMVが解禁される夜。
解禁前に10分間の風くんのライブが流れると聞き、なんのお喋りかな、新曲のことかな、それなら風くんラジオでネタバレしてたよね〜なんて言いながら、私達は画面の前に集まった。
そして始まったライブ映像。
そこには黒いHEHNマスクをし、真っ赤なiPhoneを手に「帰ろう」のティーザーで見た真っ白なシャツ(後で別物と判明)で、あの青いソファに座った風くんがいた。
そこで発表された「NAN-NAN SHOW 2020 HELP EVER HURT NEVER ゆうタイトルで10月29日木曜日、武道館でワンマンライブが決定いたしました」の言葉。
私達の頭からは「帰ろう」のティーザーの事が吹っ飛び、ぽっかーん、アタフタ、奇声をあげる等など。
そこから、すぐに飛行機を予約する、スケジュールを確認する、行けるのか行けないのか、そもそも行っても良いのか諦めるべきなのか。
人それぞれの葛藤が始まった。
私はと言えば、風くんの口から武道館と聞いた瞬間に「一生に一度の初武道館。絶対にその場に立ち会う」そう決意した。
抽選には当然当たるつもりでいた。
でも、それからコロナ禍は徐々に九州の端に住む私の周りにもやって来た。
そしてある日、私はついに行くことを諦めた。
武道館でのコロナ対策は徹底されていると信じていた。
でも、長距離の移動でコロナに罹患したとしたら「藤井風のライブでコロナ発生」と言うニュースが全国を駆け巡ることになる。
エンタメ界の惨状を切り拓こうとしているチーム風に迷惑をかけることだけは絶対にしたくない。
そしてもちろん、日々奮闘を続けてくださっている医療従事者の方々にも、、。
その思いが、私の心の中で大きくなって行き、ついに溢れた。
泣いた、家族から心配されるくらい。
当たるとも決まってないのにね。
それからは、抽選に当たった人、外れた人の泣き笑い。
MUSIC/SLASHという、今まで聞いたこともないプラットフォームでの配信に向けて、それでなくても機械に弱い年代の私達の奮闘、協力。
SNSというものの有り難さを痛感した。
当日、参加組の会場前のライブ映像がありがたかったし、羨ましかった。
音漏れが聴こえる。
そこに居たいと、心底思った。
当日、正座し、拳を握り
瞬きも忘れたように
痩せた風くんの顔を見つめていた。
どうしても観ることが叶わない人、準備万端なはずなのに何故か上手く観れない人。
そんな悔しい思いをした人もいた。
そして伝説となる
「NAN-NAN SHOW 2020 HELP EVER HURT NEVER」in武道館は
各界の方から民度の高さを称賛されるほどのものになった。
あれだけの人数が一言も発することなく拍手と手拍子、リズムを取ることでアーティストを応援し、係の指示に従って粛々と入退場をしていた、と。
あのとき、私達はなんとしても風くんを守りたかったのだと思う。
会場にいる人も画面越しに見守っている人も、こんな混沌としたエンタメ界をなんとかしようと立ち上がったチーム風と、それを自分の名前で背中に負う藤井風を守りたかったのだ。
それぞれがいる場所でそれぞれができることをやったのだ。
それは、あんなステージを目の前で見ても、一切の声を出さないことであり、どんなに駆けつけたくとも遠距離の移動を諦めること、そして 観ることは叶わなくても心を寄せ祈ること。
そして武道館から二週間と少し過ぎた11月16日、公式アプリでマーネジャーの河津
さんから「無事成功」「天晴」の言葉。
ここに、わたし達の
藤井風「NAN-NAN Show2020 HELP EVER HURT NEVER」in武道館は、無事に終わった。
あれから一年。
今の風くんを見ると武道館は遠い昔のようであり、この濃い一年はあっという間に過ぎて行ったようでもある。
これからの一年、いったいどんな姿を、どんな挑戦を見せてくれるのだろう。
藤井風は、止まらない。
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こんな長文に、お付き合い頂いた方がいらっしゃったなら、ありがとうございます。
一年前に気持ちを書き付けたもののリンクも張っております。
もしご興味がありましたら。