フォトブック「白」を手にして泣きながら書いた。藤井風 武道館ライブ NAN-NAN SHOW Blu-ray
紙ケースの裏に、あなたはいた。
なんて愛しい背中。
このときは、不安と緊張でいっぱいだったはず。
これまでのいろんなことが、一瞬にして頭のなかを駆け巡る。
あなたとチーム風の愛がこもった作品を守っている、薄い膜をそおっとそおっと剥がしていく。
行きたくて行きたくてたまらなかった、あの時のポスターが、とうとうやって来てくれた。
少し粗い質感の「白」は、飾らない普段のあなた。
美しい艶のある「黒」は、周りの方たちと創り上げた「アーティスト藤井風」
「白」
最初の見開きをみただけで、涙がこぼれそうになる。
よごしちゃうから、我慢する。
思い通りにいかないのか、唇を噛む表情、日の丸を背負って高みを見上げる顔。
ずっずさんとあなたの世界を、ちょっと離れたところから見守るコバさん。
世界に三枚しかない宝物のTシャツを広げてる三人を見守るスタッフさん。
何の飾り気もない、真っ正面からの笑顔。愛を受け取った笑顔。
歯ぁ、磨いとる。
しわくちゃな日の丸Tで、出陣していく顔。
ずっずさんとの、本番前の最後のタッチ。
よし、行ってこい。
行ってくるで。
その二人を、少し距離をおいて見守るスタッフさん。
巨大なセットの下、たったひとりでピアノに向かう姿。
孤独な、でもあなたしか創れない世界。
そして、思いを込めた衣装を纏い、歌う、踊る、弾く。
そんなあなたを、見守り続けてきた暖かな人たちの暖かな眼差し。
拍手と爆発するような笑顔で、あなたはこの舞台を終えた。
わし、やったで。
うん、よくやった。
そんな二人の背中。
そして、ケースの奥をそっと覗き見ると、最初と同じ場所で、ただ一人、弾き、歌うあなたがいた。