【6限目】 英語 : 紫園先生
*ぴちゃんと先生 6限目*
ま『1番苦手なんだよなぁ、英語』
ぴ『まえくん本当英語は点数悪いよね』
ま『うーん、しーちゃん♪ は大好きなんやけど』
ぴ『チッ』
キーンコーンカーンコーン♪
紫『みんな♪ おはよう♪ Good morning♪』
男子一同『Good morning Ms.Shisono♪』
ぴ『チッ、始まったよ』
紫『それでは♪ 今日は「If」の意味と使い方について説明していくね♪』
男子一同『よろしくお願いします!』
ぴ『しそっち〜。いつものことながら、男子の気合いの入りようがキモいでーす』
ま『コラ、ぴちゃん、授業に直接関係ないことは言わないで。紫園(しその)先生困っちゃうじゃんか』
ぴ『へいへい』
ま『先生! 構わず続けてください!』
紫『うん♪ じゃあ♪ 始めるね♪』
男子一同『押忍!』
ぴ『ここは男塾か! 田沢呼んでこい! 田沢!』
ま『ぴちゃん、シッ!』
ぴ『「If」は♪「If + 文A,文B」で♪「もしAならば、Bです」って意味に訳すことができます♪』
ま『なるほど! 勉強になります!』
ぴ『当たり前だよ、勉強しにきてんだよ』
紫『また♪』
ま『股!?』
ぴ『オメ、ぶっ飛ばすぞ(野沢ボイス)』
紫『「文B If 文A」と書き替えても♪ さっきと同じ訳になります♪』
ま『なるほど! 生涯忘れません!』
ぴ『言ったな、言質(げんち)とったかんな。ぴちゃんがIf構文使ってもうろたえんなよ!』
紫『では♪ 例題です♪ 次の英文を訳してください♪「If you go to Japan , you should visit my house.」はい♪ 訳せた人♪』
男子一同『はい! はい! はい! はい! はい! はい!』
ぴ『おい、お前らみどりーなの授業もこれくらい食い気味でいけよ!』
紫『じゃあ♪ 田中くん♪』
田中『っしゃあ!』
他の男子『くそっ!』『田中ぁ!』『なんて羨ましい!』
ぴ『なんなんだお前ら。配給でも待ってたのか』
田中『紫園先生! すいません! 分かりません!』
ぴ『なんでだよ! なんで分かんねーのに手ぇ挙げたんだよ』
ま『ぴちゃん、みんなしーちゃん♪ から名前を呼んで欲しいんだよ』
ぴ『気持ち悪っ! は? おい、田中! 正気かお前!』
紫『田中くん♪ 答えが分かってから手を挙げてね♪』
田中『押忍!』
ぴ『押忍じゃねーんだよ。大丈夫かコイツ』
紫『じゃあ♪ 他に分かる人♪』
男子一同『はい! はい! はい! はい! はい! はい!』
ぴ『なんで田中も手ぇ挙げてんだよ! ニワトリよりアホなんかお前!』
紫『じゃあ♪ 佐藤くん♪』
佐藤『キター!』
他の男子『ぐはっ!』『今のは効いたぜ』『まだまだこれからよ』
ぴ『なんなん? ぴちゃんだけおかしいん? あ、大丈夫だ、女子一同から負のオーラを感じる』
紫『佐藤くん♪ 答えをどうぞ♪』
佐藤『分かりません!』
ぴ『ライフル持ってこい! ぶっ放してやる!』
ま『ぴちゃん、みんな名前を呼んで欲しいだけだから』
ぴ『それが1番意味分かんねーよ! どこのオタクだ! おい、佐藤! お前は今すぐ早退しろ! くろやんのカツカレーの仕込みでもして来い!』
紫『うーん♪ 困りましたねぇ♪ みんな♪ 分かってから挙手してね♪』
男子一同『押忍!』
ぴ『まえくん、ちなみに答えはなんなん?』
ま『「もし日本に行くなら、あなたは私の家を訪れるべきです。」だね』
ぴ『どこで誰を誘ってんだ、このアマ』
紫『はい♪ 分かる人〜♪』
ぴ『はいはーい! しそっち当てて〜!』
紫『あら♪ ぴちゃん♪ 答えてくれる♪』
ぴ『「もし日本に行くなら、あなたは私の家を訪れるべきです。」です!』
紫『Excellent‼︎ 正解です♪』
ぴ『ぴ〜♪ やった〜♪ ん? 何か視線が?』
男子一同 (ぴちゃん空気読めよ) (名前呼ばれたかった) (しーちゃん♪の家いきてぇ)
ぴ『まえくん、男子が全員後ろ振り返ってぴちゃん見てるんやけど』
ま『そりゃ〜、みんなしーちゃん♪ に褒められたいからね〜』
ぴ『おい、まえくんもジト目やめろ』
ま『ぴちゃんに答え教えんとけばよかったわ』
紫『じゃあ♪ 同じことだけど2問目ね♪「You should go to bed early if you are tired.」訳せる人♪』
男子一同『はい! はい! はい! はい! はい! はい!』
紫『じゃあ♪ まえくん♪』
ま『っしゃおらー!「もし疲れているなら、あなたは早く寝るべきです。」で合ってますか?』
紫『Excellent‼︎ その通りですよ♪ 完璧ですね♪』
ぴ『まえくん、男子がまえくんの方をずっと睨んでるけど』
ま『あぁ、「せめて3回は泳がせろよ」って目やな。みんな名前呼ばれたいし、とはいえ、しーちゃん♪ を悲しませるわけにもいかないし』
ぴ『お前らの頭ん中は生クリームでも詰まってんのか』
ま『こっちも必死なんです』
ぴ『ところで、赤岩先生から始まって、じっちゃん、みどりーな、きよおってさ、みんな何かしら熱い言葉をかけてくれたけど。しそっちは何を言うのかな?』
ま『しーちゃん♪ は、授業に関しては、たぶんどこにでもいる普通の教師だよ』
ぴ『え? どーゆーこと?』
ま『しーちゃん♪ の専門教科は確かに英語だけど、この学園の中での主な役割は広報部長だよ』
ぴ『は? 広報部長?』
ま『県内の優秀な小学生をうちに入れるために、うちの学園の紹介パンフレットとか月別広報誌にしーちゃん♪が前面に掲載されてるんだよ』
ぴ『なんでそんなこと?』
ま『しーちゃん♪ 実は元人気アイドルだからね。どちらかというと、生徒よりも親御さんの目を引くのに活躍してるよ』
ぴ『ぴ〜。学園長、悪ど過ぎんか?』
ま『まぁ、運営していくにあたって、広告にかける人件費が浮くことになるから、学園としても経営上好都合なんだろうね。広報誌も外注じゃなくて灰木先生が作ってるって噂だし』
ぴ『しそっち、そのこと気づいてるのかな?』
ま『気づいてないわけがないよ。それでも、やり通してるんでしょ。何が、しーちゃん♪ をそこまでさせてるのかは分かんないけど。それでも、やり通してるもんね』
紫『はい♪ 山田くん3問目正解です♪ 先生嬉しい♪ みんなやれば出来るからね♪ ちゃんと勉強して♪ たくさん努力すれば♪ きっときーっと♪ みんなが3年生の受験の時には♪ 志望校に入ることができる実力になってるからね♪』
ま『たくさんの努力して夢を叶えてきたと言う点では、他の先生方にも負けないんだろうけど。なにぶん、裏での辛い顔を見せない徹底ぶりは、現役さながらなんでしょうよ』
ぴ『しそっちもたくさん泣いてきたんだろうなぁ』
ま『だから、俺たちもただただ普通に過ごすだけでは足りないんだよ。何かを成し遂げるためには、それ相応の努力をしなければならない。そして、夢を叶えた後も、まだ自分ができることに対して真摯に向き合わなければならない。しーちゃん♪ からはそんな哲学を垣間見えたよ』
ぴ『まえくん、1つ言っていい?』
ま『何?』
ぴ『それは考えすぎやと思う』
紫『あぁー♪ 蜂が入ってきたぁー♪ みんな窓開けてぇー♪』
男子一同『お前らー! 命かけて紫園先生を守るぞー!!』
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