もしぴちゃんも働いていたら
☆ぴちゃんとまえくん175話目☆
ぴ『はいどーもー！ ぴちゃんです！』
ま『まえくんです』
ぴ『まえくん！ もしぴちゃんが正社員で働いていて、毎月お給料からまえくんに生活費を渡していたらどう思う？』
ま『そんなん、夢の生活やわ、感謝しかないけどな』
ぴ『ちょっと、ぴちゃんが稼げるようになった時の生活がどうなるか、今のうちにシミュレーションしてみようや』
ま『備えあれば憂いなし』
ま『ただいま〜。あれ、みがわりたちだけか。ぴちゃんは？』
み『今日は残業になるって連絡がありました』
ま『そうか。メシ、ちょっと待っとくか。先に風呂入ってくるわ』
み『了解です』
ぴ『ただいま〜。あれ、みがちゃん、まえくんは？』
み『お風呂入ってます』
ぴ『そーなんや、お腹空いたし、先にご飯食べちゃおうや』
み『え、いや、まえくんはぴちゃんが帰ってきてから一緒に食べるつもりだったから、まえくんを待った方が良いですよ』
ぴ『え〜、ぴちゃん明日の朝も早いから、すぐ食べて、すぐお風呂入りたいのに』
み『あと、10分もかかりませんから。我慢してください』
ぴ『ぴ〜』
ま『おう、ぴちゃん、おかえり』
ぴ『まえくん早よ。お腹すいた』
ま『はい、いただきます』
ぴ『いただきまーす！』
ま『今日残業やったん？』
ぴ『おん、変なクレーマーから電話あってな。対応に時間とられたんよ』
ま『大変やったな』
ぴ『よくあることやで』
ま『俺明日から夜勤やから』
ぴ『うい、了解。ご飯はみがちゃんたちと適当に食べとく』
ま『洗濯は昼に回して干しとくから、取り込んどいてくれるか』
ぴ『みがちゃんがやってくれるよ。ね、みがちゃん』
ま『だめ、なるべくみがわりの手は借りないって決めたじゃん』
ぴ『じゃあ、ぴちゃん働くのやめるよ』
ま『辞めたところで家事せんやんけ。最初の頃は居候生活やったんやから』
ぴ『それもそうか。むしろ働いてる方がヤバすぎる』
ま『ほんまに』
ぴ『最近おでかけしてないね』
ま『休みが合わんもんな。出かけられるなら、二人のお金で前よりも全然良い旅行ができるのに』
ぴ『そうだよね、ごちそうさま、お風呂入ってくるね』
ま『ほーい。片付けはしとくから』
ぴ『さんきゅ。任せた』
ま『なぁ、みがわりよ』
み『なんですか？』
ま『どう思う今の生活？』
み『なんというか、僕からしたら奇妙です』
ま『だよなぁ。なんか、しっくりこないよなぁ。良いことなんやけどなぁ』
み『そうですよね』
ま『ぴちゃんとおはなしって、こんな業務連絡みたいなことを話してたんやっけ？ なんかもっと違うこと話してたような』
み『どこ行ったとか、何食べたとか、誰に会いに行ったとかですよ。こんな家事の役割分担なんて話してませんよ』
ま『だよなぁ、なーんか違うんだよなぁ』
ぴ『なになに、何話してたん？』
ま『え？ いや、ぴちゃんも俺もお互い忙しくなったなぁって』
ぴ『今はちゃんと働いてるでな。夜更かしもしてないし。他の人たちともコミュニケーションとってるし』
ま『週末ちょっとライブでも観に行く？』
ぴ『まえくん、もうぴちゃんと観てた頃のアイドルさん誰もおらんくなったよ。みんな卒業したり辞めたりしたんやん。誰を観に行くって言うん？』
ま『いや、まぁ、ふらっと行っても楽しいかなって』
ぴ『やめてや〜、今はそんなふらふら遊ぶお金はないやろ。ちゃんと貯金して、投資して、余ったお金でたまに旅行とか行く計画立てようや』
ま『あぁ、うん、そうなんやけど。たまにはどうかなって』
ぴ『ダメやで。まえくんはすぐそうやって散財しちゃうんやから。よかったな、ぴちゃんがいて。そうそう、先月分のお給料は共通口座に入れといたから。これでしっかり蓄財続いてるで』
ま『あぁ、うん』
ぴ『じゃあ、ぴちゃんもう寝るから、明日6時起きでカフェ行って、資料作ってから出社するんだ。おやすみ』
ま『うん、おやしみべいべ』
ぴ『まえくん、みがちゃん家族の子どもたちがマネするから、ちゃんと「おやすみ」って言って』
ま『あぁ、ごめん、おやすみ』
ぴ『うん、おやすみ』
ま『・・・』
み『あの、まえくん』
ま『こんな生活は嫌じゃ〜！ 元に戻れ〜！』
ぴ『うお、現実に戻った』
ま『ぴちゃん、これに関しては備えなくていい』
ぴ『いやいや、そーゆーわけにも』
ま『備えなくていい！』
ぴ『お、おん。まぁ、まえくんが言うなら』
ま『これからも、ぴちゃんは好き勝手に生きてくれ』
ぴ『いや、それもそれでやりづらいんだけど』
ま『ぴちゃんが働く方がやりづらいわ』
ぴ『そうかそうか、じゃあ遠慮なく今まで通りでいさせてもらうね』
ま『頼むからそうしてくれ』
ぴ（よし、計画通り(ニヤ)）
#3分間の暇つぶし #ぴちゃんとおはなし