物の数え方って時々トラップがあるよね
☆ぴちゃんとまえくん129話目☆
ぴ『まえく〜ん。暇だよ〜』
ま『暇ならなんかネタになるようなことしてくれ。もう最近「何買った」「何届いた」の繰り返しで、noteがマジでただの日記になってきた』
ぴ『ぴ? よ〜し、たまにはまえくんのために一肌脱いでやるか』
ま『おっ、何してくれるん?』
ぴ『それでは小噺を一つ。ある村に体の小さな男がいました。男はいつものように山へ山菜を採りに行きました。すると、男の目の前を一匹のうさぎが通りました』
ま『ちょっと待て、うさぎは「匹」やなくて「羽(わ)」やろ』
ぴ『ぴ?』
ま『いや、だから数え方。うさぎは昔、1羽2羽って数えるんや。今は「匹」でも間違いではないけど』
ぴ『もう! 今そんな細かいこといいでしょ! 雰囲気で聞いてて!』
ま『あぁ、ごめんごめん。話の続きをお願いします』
ぴ『コホン。すると、うさぎは男に言いました。「お兄さん。お忙しいところごめんよ。あそこの細い木を切り倒して欲しいから、その斧を1本貸してくれないかい?」』
ま『1挺(丁)な』
ぴ『ぴ?』
ま『斧の数え方。昔は1挺(ちょう)2挺じゃなかったっけ? ハサミや包丁も挺で数えるやろ。斧も確か同じやったと思うけど』
ぴ『ぴ〜! ぴちゃんはそうやって聞いたの! 黙ってて!』
ま『あぁ、すまん』
ぴ『コホン。お兄さんはうさぎに言いました。「君があの木を切り倒すのは無理だろう。僕が代わりに切り倒してあげるよ」男は持っていた斧で木を切り倒しました。すると、うさぎは言いました。「ありがとう。お礼にこの綺麗な櫛(くし)を1個あげるよ」』
ま『櫛は1枚2枚だな』
ぴ『男は言いました。「これはどうも、でも僕には伴侶がいないから、町娘にでもあげるとするよ」男は町に行き、町娘に会いに行きました。「ちょっといいかい?」「あら、小吉さんいいところに来た。ちょっとこのタンスを2つ並べておきたいんだよ。手伝ってくれないかい?」』
ま『タンスは1棹(さお)2棹』
ぴ『「これは重そうだ。でも良いとこ見せるぜ、あらよっと」「さすが小吉さん。体は小さいのに優しいねぇ。お礼にこの重箱を1箱もらっておくれよ」』
ま『重箱は1組2組』
ぴ『男は家に帰り、干し蛸を1匹切り分けて』
ま『タコは1杯2杯』
ぴ『ついでにスルメイカも1匹取り出して』
ま『イカも1杯2杯』
ぴ『山へ行き、櫛のお礼にとうさぎの元へ重箱を届けました。するとうさぎが言いました。「わざわざ持ってきてくれたのかい? なんてお兄さんは心が優しいんだ。この山積みのキャベツ、さっき分けてもらったんだけど、1個でも2個でも好きなだけ持っていきなよ」』
ま『キャベツは1玉2玉』
ぴ『「それはありがたい。おっ、将棋盤が1つあるじゃないか。どうだいうさぎさん、まだ日も長いし1回お手合わせお願い出来ないかい?』
ま『将棋盤は1面2面。将棋は1局2局』
ぴ『「そうしたいのは山々なんだけど、これから隣山のタヌキのために、太鼓を1個作らないといけなくてね」』
ま『太鼓は1張(はり)2張』
ぴ『「そうかい、じゃあ僕もその太鼓作りを手伝うよ」すっかり日も暮れ、太鼓を仕上げて家に帰ると、玄関に1本の巻物が置いてありました』
ま『巻物は1軸もしくは1巻』
ぴ『男が巻物を広げると、そこから神様が現れました。「小吉、お前はなんて気の利くやつなんだ。どれ、わしからささやかな褒美をやろう」そういうと、神様は男の頭に手を置きました。するとどうでしょう。男の体はみるみる大きくなり、町いちばんの体へと成長しました。それから男は「小吉」と言う名前が似合わなくなり、みんなから「大吉」と呼ばれるようになりました。男は言いました。「僕はなんて運が良いんだ。まさに、おみくじで大吉を引いたみたいだ」と』
ま『ほう。なるほど』
ぴ『まえくん、ちゃんと話聞いてた?』
ま『おう、良いことしたら運が回ってくるぞってことやろ』
ぴ『いや、そうじゃなくて。なんか横槍が5000回くらい飛んできたけど』
ま『槍自体の数え方は1本2本。ただ昔は「筋」や「条」と数えてて。槍での攻撃になると1回2回ではなく、1槍(そう)2槍やから、この場合は5000槍というかもしれんけど、でも横槍って表現になると5000回の方が合ってるのか』
ぴ『それやそれ! なんやそのぶっ壊れたSiriは! ぴちゃんがいつ「Hey Siri. 槍の数え方教えて!」って言ったよ!』
ま『小吉は大吉となった後に町娘と結婚するってストーリーはありますか?』
ぴ『ありません! あと、まえくんに今後創作小噺をすることもありません!』
ま『あ〜、ぴちゃんの創作小噺やったんか。通りで初めて聞く内容やったで。流れもオチもめちゃくちゃで良くわからんし、どこのサイトの小噺拾ってきたんかと思ったわ』
ぴ『神様、どうかぴちゃんを大きくしてこの男をぶっ飛ばす力をください』
#3分間の暇つぶし #ぴちゃんとおはなし
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