推しの抱き枕をかかげて、大衆の中を走り回ったことがあるやついる?
ぴ『ついにパンドラの箱を開けるのか』
ま『まぁ、せっかくなので、結構リアルガチな感情を話そうかな』
ぴ『何のことか分からない人もいるだろうから、簡単に歴史を振り返ってもらっていい?』
ま『そうだねぇ。俺の抱き枕に絡むオタク簡易年表はこんな感じです。はい、ドン!』
ぴ『えぐっ』
ま『まぁ、ざっと重要なところを抜き出してもこんな感じかな。一応、抱き枕芸って自分では呼んでるんやけど。この抱き枕芸も、はしもん編とまこぴ(🐹)編で2つに分けられるんよね』
ぴ『えっと、ぴちゃんもまえくんの家に来たのが2019年6月やから、それ以前のことは写真や動画データでしか確認とれてないんやけど。全ての始まりである抱き枕自体は、チャオベラさんの公式グッズで出てたんだね』
ま『チャオベラってのがもう解散してるグループなので、馴染みない読者の人もいるかもしれないんだけど。簡単なイメージで言うと、アップフロント所属のハロプロ家系のグループなのよね。だから、そもそも抱き枕というグッズが、オフィシャルとしてたまに出るんだよね』
ぴ『規模が大きい老舗ならではの感覚だよね。そこから、はしもんさん抱き枕編が始まってくんだね』
ま『まぁそうね。はしもん推しだからグッズとして抱き枕を買うでしょ。で、開けてチェキ撮るでしょ。で、走る。はい、思い出です』
ぴ『あ、ごめんごめん、だいぶはしょってるわそれ。最初やからもうちょっと詳しく。抱き枕がグッズやから買うのは分かるわ。で、抱き枕って圧縮された状態で届くんだよね』
ま『そうね、この画像の通り、ペッタンコの状態で届くよ』
ぴ『それを、なんで東京に持って行って開封したのよ』
ま『とりあえず届いた内の1つを家で開封してツイートしたの。そしたら、はしもんオタさんがリプで「買いはしたけど諸事情で家では開けられない」と。それを見て「だったら、僕、東京遠征の時に持ってって開封しますんで、膨らんだ抱き枕を見てくださいよ」ってなったわけ。あと、はしもん推し以外のオタさんにも抱き枕見てもらいたかったしね。面白いじゃん、みんなでワイワイやりながら開けた方がさ』
ぴ『あっ、だからこの家に膨らんだ抱き枕が2つあるのか』
ま『そ、1つはずっと家にある自宅用抱き枕。もう1つは、これから武器として活躍する遠征用抱き枕。そして、封印されし未開封抱き枕が1つやね』
ぴ『エクゾディアみたいに言うなし。なるほどね。だから、2つ目を東京で開けたんだ』
ま『チーム負けん気公演だったから、同じアップフロントのアプガ(仮)や吉川友さんのにも、はしもん抱き枕見せたかったしね』
ぴ『まぁ、そこまでは分かった。公式グッズやし、他のオタさんのことも考えての行動やったと。それでや! それがどうして、そっからの関ケ原の行為につながんねん!』
ま『1つは、関ケ原がチャオベラにとって最後に参加するアイドルフェスとなったこと。そしてもう1つ大事なのが、今回の環境は、抱き枕がライブ中に他の人の邪魔になりにくい野外フェスであったこと。大きくこの2点やな』
ぴ『あーなるほど、たしかにライブハウスでこの大きさの抱き枕持ってこられたら邪魔で仕方ないよな』
ま『そう。そもそも俺は、どうしたら野外フェスという、箱よりも比較的自由度の大きい環境で、ステージにいるはしもんに良い思い出、楽しい思い出を持って帰ってもらえるかって考えたの』
ぴ『うん。推しメンの笑顔は大事ね』
ま『当時の俺のオタクとしてのステータスって「東海勢」「若手」「ガチ恋」「ツンツン頭」「愛Tシャツ」「ジャンパー」って、感じだったわけよ。この中で、ライブ中に発動出来るスキルって「ジャンパー」しかないやんね。でも、あんなクソ広い野外でただ跳んでても、面白くないし、それで愛を十分に届けられてるんかなって疑問が生じたんよ』
ぴ『おい、真面目な性格が変な方向へと思考を巡らす最悪の流れやんけ』
ま『そこで、思いついたの。「そうだ、抱き枕持と」』
ぴ『京都行く感覚でサイコパス発想やめーや』
ま『もともと抱き枕自体は、最初から関ケ原に持ってく予定やったんよ。チェキ撮影用に持ってって、あとは負けん気ライブに行ってないお仲間さんもいたから、その人たちにも抱き枕を見てもらえるように。だから、「どうせ持ってくなら、ライブもそれ持って参加すりゃいーやん」って』
ぴ『とはいえやで、よく「抱き枕を持つ」って発想になったよな。さっきも言ってた通り、ライブ中は邪魔でしかないやろ』
ま『おん、邪魔やで。それに俺の「ジャンパー」っていう、唯一のライブスキルも失うわけやしな。抱き枕案外重いから、跳躍の高さが出せないのよ。その辺のピンチケと同じくらいにしかならんからね』
ぴ『じゃあ何で?』
ま『2017年の関ケ原やったと思うんやけど。のぼり旗あるやんね、メンバーの写真と名前が入ったやつ、あれをアイドルさんがパフォーマンス中にそこの複数のオタさんたちが後ろの方で持ってるの見てさ、「あっ、俺も他の人の邪魔にならん後ろにいれば、抱き枕上げ放題なんじゃね? 俺が普通に最高打点の跳躍決めるよりも、抱き枕めいっぱいあげた方が打点高くね? その方が普通に跳ぶより面白くね?」って』
ぴ『うわー。色々な条件や体験が重なって、その思考が構築されていったんや』
ま『実際、当時は浮き輪とかイルカとかのプールグッズなんかも見受けられてたやんね、「アレがオッケーなら抱き枕もいけるっしょ、こちとら公式グッズやぞ」ってな』
ぴ『ガチ恋オタクの謎理論展開が怖すぎて草』
ま『これにより、「俺は今年の関ケ原では、スキル「ジャンパー」を捨てて、武器「抱き枕」で戦うことにする」って決意したんよ』
ぴ『全ては、はしもんさんに愛を伝えるため』
ま『そ、ただそれだけ。当時の俺がはしもんに「大好きやで〜」って伝える最大で最強の選択の解が「抱き枕を持つ」ってだっただけ』
ぴ『分かった。そこまでは、一応理解した。一応ね。じゃあ次よ、徳川でのライブが始まった時、まえくんはエリアの後方にいたわけだよね?』
ま『そうだよ。ステージ、VIPエリア、通常エリア、でVIP休憩所やカメラ席。このVIP休憩所の前くらいにいたね。もうステージのはしもんの表情なんて正直見えんよね』
ぴ『よかったんかそれで? 最後の関ケ原やで?』
ま『チャオベラの徳川は夜帯で、昼帯に豊臣ステージでのライブがあったんよ。だから、普通にジャンパーとして戦う関ケ原も、ちゃんと豊臣で出し尽くしてきたわけ』
ぴ『あ、なるほどね』
ま『そ、でそのあとの特典会で抱き枕持ってってはしもんに言ったの。「徳川でもこれ持ってくから、そのかわり他の人の邪魔にならんよう後ろにいるけど、でも俺、このはしもん抱き枕、めっちゃ高くかかげるから見ててね」って。はしもんも「ほんと? 楽しみにしてるね!」って笑ってくれたよ』
ぴ『なんつーか、毎回話聞く度、まえくんとはしもんさんって、ちゃんとした良いアイドルと良いオタクの関係だよね』
ま『お互い真面目だからねぇ』
ぴ『真面目な人は抱き枕持ってかないんだよなぁ』
ま『まぁ、てなわけで宣言もしたし、ライブは後方で観てました。が、さすがチャオベラ、ここでやってくれるんですねぇ』
ぴ『何を?』
ま『「勇気スーパーボール!」通称「スパボ」って呼ばれてるんだけど、だんだんとサビに向かってハイになる楽曲があってね。この曲、サビで「走って走って」とか「とび廻れーッ!」ってフレーズがあるのよ』
ぴ『あっ、(察し)』
ま『そう、メンバーたちの振りも、走ったり追いかけっこしてるし、しかも会場はクソ広い野外ときたもんだ。これはもう、やるしかないよね』
ぴ『チャオベラさんってアップフロントさんだし、アイドルとしてはベテランのオールマイティープレイヤーって感じだけど、そんなあえて促すような選曲してくるんだね』
ま『アップフロントの中でも、ハロのコンサートスタイルとは違って、ライブで鍛えられてきた経歴だからね。楽曲数も厚いし、最後のフェスでチャオベラというグループを思いっきり楽しんでもらいたかったんだよ。今まで出演させてもらった関ケ原に感謝を込めて、自分たちの持ち曲で、会場全員を巻き込んで、最高に盛り上がりたかったんだ。経験、スキル、楽曲、そしてライブへの想い。この融合が、「チャオベラを知ってようが知らまいが、普段のスタイルがどうだろうが、そんなの関係なく、全員で楽しめ!」って、意図が明確に見えたステージになったんだね。アレを観て、「あぁ、ライブアイドルって、こうだよな」って泣いたもん』
ぴ『とても泣いてる人の後ろ姿とは思えないんですけど』
ま『あ、この時は満面の笑みです』
ぴ『なるほどね。ここで、だから、抱き枕持って走ったのか』
ま『そうだね。懐かしいね〜。もう3年前になるんだ〜』
ぴ『抱き枕芸して、後悔はなかった? 徳川って1番大きいステージだし、チャオベラさん最後のフェスだし、本音はやっぱり近くで観たかったとか。そーゆー後悔は』
ま『後悔? 無い無いw 確かに、もしスパボが無かったら、後悔はしてたかもね。最後のステージを、後ろの方でたった1人で、愚直にはしもんのために頑張って終わっただろうから。みんなと一緒に沸きたかったなぁって後悔が生まれたかもしれない。でも、スパボがあったからね。サビ前の「行こうぜ!」の時には、もう、どデカい輪に向かって、抱き枕かかげて走り出していたから。みんな、抱き枕持って走ってる俺も見て笑ってくれてたよ。はしもんのためにやった抱き枕芸やけど、他のチャオベラメンバーにも笑ってもらえたし、仲間にも笑ってもらえたしで本当に良かった。誰か1人のために全力でパワーを注ぐ行為は、もしかしたら、周囲への波及効果があるのかもしれないね』
ぴ『まえくんって、なんか時々、無茶とまでは言わないけど、ギリギリのラインの一歩手前くらいを攻めるの好きだよね』
ま『だって、その方が面白いじゃん。ギリギリ攻めてアウトだったら笑えないけど、手前で止めときゃアウトにはならないし』
ぴ『周りからしたらヤバい人とか思われそうだけど』
ま『そうだね、でも周りは関係ないから。特に、無関係の人間からどう思われようなんて、気にもとめないよ。だって、これは、俺とはしもんの間の話なんだから。はしもんが笑ってくれるなら、それでいい。ただそれだけのこと』
ぴ『はぁ〜。そうか。まえくんって昔からロマンチスト系のガチ恋やったんか。これは確かに重症化するわなぁ』
ま『はしもん編はこんな感じじゃないか?どうする?ちょっといつもの倍くらい長くなったし、まこぴ(🐹)編は次に持ち越そうか』
ぴ『そうだね。あ〜最後に大事なこと1つ聞いていい?』
ま『なんじゃい?』
ぴ『はしもんさんの抱き枕かかげて走った時って、どんな感覚だった?』
ま『正直なことを言うと、やっぱりちょっと寂しさもあった。最後のフェス、最後の野外ステージだったからね。でも、「最後にバカなことやれて良かった」「全力で楽しんだな」って思えたから。走り終わった後は、すげぇ満足感だったよ』
ぴ『ぴちゃんもYouTubeじゃなくて、生でチャオベラさんのライブ観たかったなぁ』
ま『いつか観れるよ。必ず。みんなそう信じてると思うし。まぁ、野外とは言わないけど。絶対、もう1度あの瞬間は訪れるはずだからさ』
#3分間の暇つぶし #ぴちゃんとおはなし