【フリーランス覚書】報酬不払~少額訴訟まで・その4
こんにちは!子育てクリエイターの中川治之です。
報酬不払い~少額訴訟までの思い出も、第4章まできました。
これまでは未払いでしたが、今回、とうとう正式に不払いに昇格(降格?)します。
目次
第1章 「発端」 出会い~業務開始
第2章 「疑惑」 会社設立の誘い~支払遅延
第3章 「未払」 再三の催促
★ 第4章 「不払」 やがて音信不通
第5章 「行動①」 法的措置開始~内容証明
第6章 「行動②」 少額訴訟申し立て
第7章 「行動③」 付郵便送達(?)
第8章 「決着」 審理当日
第9章 「顛末」 強制執行とは
最終章 「後書」 エピローグ・おまけ
第4章 「不払」 やがて音信不通
T氏から依頼された仕事は、全部で9件でした。
内訳はこうです。
・遅滞なく支払われた案件 : 最初の1件のみ
・遅延しながらも支払われた案件 : 5件
・不払い案件 : 3件
…つまり、前章で何とか回収できた5件を最後に、残り3件の報酬は支払われなかったということです。
今回は、残りの3件が完全に不払いになるまでの経緯を書きます。
◆◆◆
前回、進行中の作業を止めると打診したことによって、未払いだった5件の報酬を回収することができました。
それは良かったのですが、既に納品済みで未請求の2件と、進行中の1件がまだ残っています。
この時点でT氏への信頼は完全に崩れており、精神的にもかなり疲弊していたので、進行中の案件を続けることは非常に困難でした。
これ以上、T氏のために時間と労力を費やして作業をしても、また遅延→催促→遅延→催促のループにハマるかも知れない…
また、進行中の案件は50%程度の工程が終わり、ちょうど作業がひと段落して次のフェーズに移るタイミングだったのでキリが良い。
上記のような理由で、退くなら今しかないと思った僕は、けっきょく完了部分までを納品し、途中辞退したい旨を連絡しました。
※依頼を途中辞退したことについては、「不払い業者との駆け引きとして正しかったか」ということもさることながら、そもそも「プロとして正しかったか」という葛藤が今でもあります。
これはどなたかのご意見を聞きたいところです。
T氏と協議した結果、全体の50%程度が完了していることと、理由はどうあれ途中辞退することによる迷惑料を差し引くことを考慮し、もとの報酬の約35%の金額を請求する事で合意しました。
そして、既に納品済みの2件と併せて、請求書を提出しました。
あとは、期日に入金されたことを確認して、T氏とのやり取りは終了!
ヤッター!
………
…となればよかったのですが、やはり
期日になっても入金はされませんでした。
もう勘弁して…。
早くこの件に決着をつけて他の案件に専念したかったのに、またしてもT氏への催促に時間と労力を奪われることになりました。
僕はこれまで金銭トラブルの経験があまりなく、また性格的に人間の悪意に対する耐性が低いので、この件は精神的にこたえました。
そして、このダメージは創作活動にとって非常に邪魔になり、しばらくの間イラストやアニメを作るときにかなり苦労しました。
この一点だけでも本当にT氏を恨んでいます。
◆◆◆
恨み言が多くて記事が長くなってきたので、このあたりで休憩を。
よろしければ、T氏に悩まされていたのと同じ頃に、別のクライアントさんからのご依頼で作らせていただいたアニメーションをご覧ください。
ご依頼くださったシンガーソングライターのMIMOGYさんは、今でもお声掛けくださる大切なクライアントさんです。
金銭トラブルで荒んでいた僕にとって、誠実なクライアントさんとのやり取りはとても救いで、没頭して作った憶えがあります。
とても元気が出る名曲ですので、いまの困難な状況下で頑張られている全ての人達に聴いて欲しいです。
◆◆◆
閑話休題、かくしてT氏の支払い遅延に再び悩まされることになった僕。
いま思えばこれも悪手ですが、こちらはモノをすべて納品済みで、謂わば身代金を受け取る前に人質を解放してしまった状態です。
(なんで自分を誘拐犯に例えるねん…)
このままだとT氏に逃げられるかも知れないと焦った僕は、さらに催促を続けます。
しかし、ここからT氏のレスポンスが異様に遅くなり、一週間以上待っても返信がなく、こちらから何度も連絡してやっと一回返ってくるような状態になりました。
返信内容も、とうてい納得できない遅延の言い訳と、守る気のない支払いの約束ばかりです。
もしかすると、僕が途中辞退した時点で、既にT氏は報酬を払わず逃げる決心をしていたのかも知れません。
それでもしばらくの間は連絡がついていましたが、ある時とうとうチャットワークによるメッセージ、メール、電話のすべてが無視され、まったくの音信不通になってしまいました。
…晴れて、不払いが確定したわけです。
この段階で最初の遅延から約半年が経っていました。
いいかげん疲れ果てた僕は、フリーランス一年生として社会の厳しさを勉強させてもらった、高い勉強代だったけど仕方ない、と諦めそうになります。
しかし、
・これは大切な奥さんと息子にとっての損害でもある
・ここで諦めたら社会勉強としても中途半端
・何より、やっぱり逃げ得は許せない
と思い直し、気持ちを奮い立たせました。
そして、危機管理不足のために不払いの被害に遭ってしまったことを家族に打ち明け、不要なプライドや罪悪感から隠していたことを詫びました。
その上で、T氏と戦う決意をしました。
<第4章・おわり>
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