【フリーランス覚書】報酬不払~少額訴訟まで・その9
こんにちは!子育てクリエイターの中川治之です。
前回は、少額訴訟当日に被告のT氏が欠席したため、あっけなく勝訴で終わったところまでを書きました。
今回は、その後の顛末を書きます。
目次
第1章 「発端」 出会い~業務開始
第2章 「疑惑」 会社設立の誘い~支払遅延
第3章 「未払」 再三の催促
第4章 「不払」 やがて音信不通
第5章 「行動①」 法的措置開始~内容証明
第6章 「行動②」 少額訴訟申し立て
第7章 「行動③」 付郵便送達(?)
第8章 「決着」 審理当日
★ 第9章 「顛末」 強制執行とは
最終章 「後書」 エピローグ・おまけ
第9章 「顛末」 強制執行とは
判決は勝訴となりましたが、不払い確定から既に約半年が経っていました。
少額訴訟とは言え、非常に手間と時間がかかるのだと思い知りました。
準備や手続きをするたびに嫌なことを思い出し、魂が濁っていくのを感じながら過ごす半年間は本当に辛かったです。
でも、勝訴を勝ち取ることができたので、そんな苦労もすべて報われる……!
…
……
………
といきたいトコロでしたが、残念ながらそうではありませんでした。
実際、この記事を書いている現在もお金は回収できていません。
民事裁判で判決が出ても、裁判所は「あなた(原告)は、T氏(被告)からお金を受け取る権利があるよ。」というお墨付きをくれるだけです。
裁判所はお金の徴収まではしてくれないので、あくまで被告が自主的に支払う必要があります。
そして、当然のことながら素直に支払わない人もいますし、被告のT氏もそちら側の人間でした。
…だいたい、これで払うくらいなら内容証明の時点で払っている気もします。
ではこういう場合、原告はどうするのかというと、強制執行というカードを切るしかありません。
強制執行とは、相手の資産を差し押さえて強制的に回収することです。
訴訟で判決が出ても相手が支払わずに逃げ続ける場合は、この強制執行によってお金や財産を回収します。
これでようやく本当の決着がつくので、そもそも少額訴訟は、強制執行のための謂わばお膳立てみたいなもののようです。
強制執行には、給料や預金を差し押さえるものや、不動産や家財道具を差し押さえるものなど、種類があります。
僕の場合は銀行預金の差し押さえということになるのですが、ここに異様に高いハードルがあります。
それは…
相手の口座がある銀行と支店名を、自力で調べなければならない
です。
…もう一回言います。
相手の口座がある銀行と支店名を、『自力で』調べなければならない
こんなの無理やん…。
相手は会社を設立していますが、残念ながらコーポレートサイトに取引銀行などは記載がありません。
当然、本人が教えてくれる筈もありません。
どこの世界に「おたくの口座を差し押さえるから、銀行名と支店名教えて。」という問いに正直に答える不払い業者がおるねん。
そもそも連絡しても無視されてるんですけどね。
何とか方法がないかとネットで調べていると、探偵を雇うとか、果ては相手の住んでいる家の近くの銀行を空振り覚悟で片っ端から強制執行してみる、というものも出てきました。
強制執行手続きはもちろん有料なので、片っ端からやるというのはあまりにも非現実的です。(回収する金額が多ければやってみる価値はあるかも知れません)
探偵を雇うにしても、費用が不払い金額を余裕で超えてしまいます。
また、仮に銀行と支店名がわかったとしても、残高が足りなければ回収できません。
相手が強制執行を警戒して事前に口座からお金を移していたらゲームオーバー、という無理ゲーっぷり。
とても一般人の僕にはできそうにありません。
そういうわけで、実に無念ですが回収を諦めるしかありませんでした。
<第9章・おわり>
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