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地中海クルーズで船からの眺めが一番美しかった国

今年の初夏、10泊11日の地中海&エーゲ海クルーズに行ってきた。その中で一番感動したのは、「毎朝、違う風景をバルコニーから見られること」だった。

これまでの記事は、こちら。

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クルーズ船は、夜の間に移動して朝には次の港に着く。朝起きたら「今日はどんな景色かな?」とバルコニーに出てみるのが楽しみで、早起きも全く苦ではなかった。

3日目の今日は、マルタ共和国の首都ヴァレッタ寄港の日。

朝6時。マルタが見えはじめた

ちなみに、マルタとはイタリアのシチリア島の南にある小さな島からなる国。イギリス領だったので、英語(とマルタ語)が公用語になっている。ヨーロッパでは数少ない英語圏であり、イギリスよりも物価が安いことから、留学先としても人気があるらしい。

クルーズ船はスピードを落として、ゆっくりと岸に近づいていく。

朝7時、マルタのはちみつ色の建物が見えてきた

マルタが最初の寄港地で、このクルーズではその後にギリシャやトルコ、イタリアに行ったけど、このマルタへの接岸風景が一番感動した。

マルタの特徴であるはちみつ色の石造りの街

そうこうしているうちに、ルームサービスの朝食が届いた。クルーズ船では、寄港日には毎朝ルームサービスを頼んで、バルコニーから港に近づく景色を見ながら朝食を取るのが私たちのごほうび時間になった。

街も海の色もきれい
今日頼んだのはベーグルとフルーツにコーヒー

下船、旧市街へ

朝食を食べ終わって、船も港についたので、下船。

かわいい。そして日差し強い。
この船に乗ってきた

クルーズ船が港に着くと、オプショナルツアー参加者はバスに集合し、自由行動の人は自力で徒歩あるいはタクシー等で街まで行く。そしてどこの港にも、自由行動のクルーズ船客目当ての大量の客引きがいる。私たちはノーサンキューを繰り返しながら、歩いて旧市街に上がっていった。

夾竹桃(たぶん)がきれい

マルタ語ってどんな言葉?

外国ではつい標識の言語に注目してしまう

マルタではマルタ語と英語が公用語で、この標識も上はマルタ語、下は英語の2ヶ国語表記になっている。

街で見かけたゴミ分別の標示

マルタ語は、実はアラビア語の仲間。でも、アラビア文字ではなくローマ字を使う。私は、大学時代にアラビア語話者の留学生友達がたくさんいて、彼らによく片言のアラビア語を教わっていた。その程度の知識しかないが、このマルタ語を見ながら、「なんかこの部分はアラビア語っぽい」とか考えるのが楽しい。

旧市街に着いた。

聖ヨハネ大聖堂

マルタと言えばマルタ騎士団。そのゆかりの教会へ。

マルタ騎士団とは、中世に設立されたカトリックの騎士団。中東やアフリカのイスラム勢力からヨーロッパのキリスト教世界を守るために設立された、十字軍への寄付で建てられたのがこの聖堂。

左右にあわせて8つの礼拝堂がある
天井もすごい

入口では、スマホタイプのオーディオガイドを貸してくれる。日本語もあり。

やっぱ日本語ガイドがあるとうれしい
決して通話してるんじゃありません
床の墓石もひとつひとつ絵が違う

8つの礼拝堂は、それぞれ十字軍に参加した国ごとに分かれている。

これはフランスの礼拝堂。

入場料とは別料金の、2階部分や鐘楼への英語ツアーにも参加した。

2階から

ガイドさんの英語は、私にとってはちょっと聞き取りづらかった。イタリア語訛りとアラビア語訛りが混じったような、そんな英語に私には聞こえた。少なくとも、アメリカ英語ともイギリス英語とも全く違う。

留学先として人気があるそうだけど、マルタで英語ってどうなんだろう・・・とは、正直ちょっと思った。まあ、海と街が最高に美しくて、イギリスほど物価が高くなく、ご飯もおいしいので、それで英語圏というだけで十分か。

クルーズ船のデメリットは、数千人の乗客が一斉に船から降りて観光に出かけるので、その港の主要観光地が一気に大混雑すること。まあ、みんな行くとこはだいたい同じだしね。この小さな聖堂も、私たちが出る頃にはかなり混雑していた。

街歩き

マルタの街は、フラフラあてもなく歩いているだけで楽しい。マルタの石灰石(ライムストーン)で色が統一されているのが、ほんとに素敵。

向こうに海が見える

マルタは出窓がとても多い。それがカラフルでかわいい。

このパステルカラーの感じが好きすぎる

ランチ

地元のレストランでランチ。

マルタ料理の前菜の盛り合わせ。ボリューミー!
マルタ風ピザ。生地がしっかりモチモチでかなり重い
マルタで定番だというウサギ料理。おいしいけどもうお腹いっぱい!

ということで、二人で完食することができず、申し訳ないけれど少し残してしまった。食いしん坊の夫のマイクは、食べきれず本当に悲しそうな顔をしていた(笑)。マルタはイタリアにすぐ近いこともあり、食事は文句なく美味しいけど、量もすごいとこの時知った。

聖エルモ砦

地中海の真ん中にあるマルタは、戦略的にとても重要な地。16世紀のマルタ包囲戦でオスマン帝国を撃退し、第二次世界大戦でも使用された砦がある。

今は戦争博物館のようになっている
背景の海と空が美しすぎて、合成写真にしか見えないんだけど(笑)

砦から街を見たときの、この平らで黄色く乾いた街並みが、個人的にはエジプトとかシリアとかの中東のイメージと重なった。エジプトもシリアも行ったことないから知らんけど。

船に戻る

半日ほどたくさん歩いてマルタを満喫したので、そろそろ船に戻ることにする。ちなみに、クルーズ船で万が一出港時間に遅れてしまった場合、船は待ってくれない。間に合わなかったら、次の寄港地まで自力で移動しないといけない。もちろんその際の交通費や宿泊費は自腹である。

自分の部屋に戻ってきて、まだ出港まで少し時間があったので、バルコニーでマルタの景色を目に焼き付けながら、バルセロナで買っておいたワインで乾杯することにした。

バルセロナで買った、缶がかわいすぎるチョコとともに
あっという間に飲み終わった(笑)

船が動き出した。

なんというか、景色全体が非現実的で「ここ、東京ディズニーシーか何かですか?」という感じ。

マルタは街が砦に囲まれていて、長崎の軍艦島にちょっと似ている。

船がゆっくり動き、景色が移り変わっていく。

さよならマルタ〜
他の船室の乗客もバルコニーから遠ざかる街並みを見ている

このクルーズでは全部で8つの港に行ったけど、船からの景色はこのマルタがダントツで一番美しかった。他の港はカラフルなコンテナやクレーン、トラックなどがたくさん見える港が多かった。この、マルタのハチミツ色の軍艦を海から見られて本当に良かった。

続きは、また今度!


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