「私たちも助けられたから。」華々しさの裏にある残酷な現実を知った彼が、それでも世界に抱く希望
こんにちは!そして新入生の皆さんは、ご入学おめでとうございます。
どの学生団体やサークルも新入生歓迎会をしている時期ですが、昨年に引き続きコロナ禍での入学となり、不安を抱えている人も少なくないと思います。
そんなみなさんのなかには、「アイセックってどんな活動をしているの?」「実際に活動している先輩の話を聞いてみたい!」と思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は、現役メンバーとして活躍中の孫光浩(そんこうほう)さんにインタビューをしました!
少しでもアイセックの活動の様子や魅力をお伝えできれば嬉しいです。
孫光浩(そんこうほう)さん
現在、大阪市立大学商学部の4年生で、アイセックの活動も今年で4年目になります。
1年生の頃は海外インターンシップ受け入れ事業部のメンバーとして活動し、2年生で送り出し事業のなかのチームリーダーを、3年生で大阪市立大学委員会の委員長を務めたのち、4年生の現在はアイセック・ジャパン事務局で副代表を務めています。
ボランティアではなくアイセックを選んだのは「高め合える環境」があったから。
-アイセックに入会した理由やきっかけを教えてください!
入会した理由はただ一つで、アイセックには周りと高め合える環境があると感じたからです。
入学当初、大学ではボランティアをしようと思っていましたが、世界中に支部があるという規模の大きさと刺激をもらえる仲間がいるという点で、アイセックを選びました。
大学に入ってできた最初の友達がアイセックに入ったからというのも一つの理由ですね(笑)。
「見たい景色を見るなら自分が作り上げるしかない」と知ったシンガポールでの体験
-入会後アイセックではどのような経験をしてきたのでしょうか。特に印象的なものがあれば教えてください。
シンガポールでの海外インターンシップですね。
まず、僕は中国人なのですが、生まれも育ちも日本で、名前を言わない限り外国人だと思われません。
そのようなアイデンティティを持っているため、名前を出した瞬間に他者からの見られ方が180度変わるという世の中に疑問を感じていて、外国人の移民問題にずっと課題意識を持っていました。
そういうわけで、昔から「誰にも邪魔されることなく移民の人たちが自己を表現できる環境があればいいな」と思っていたんです。
そして、そのような場所は世界のどこにあるのだろうと思い、移民で構成された国であるシンガポールに、アイセックの海外インターンシップを利用して渡航しようと決意しました。
インターンシップを通じて、アイデンティティをさらしても否定されることのない、自由な自己表現ができるヒントを日本に持って帰りたいと考えていました。
しかし実際に現地に渡航してみると、それまで僕が想像していたものとはかけ離れたシンガポールの姿に大きな衝撃を受けました。
シンガポールはきらびやかで、富裕層が集まる発達した経済都市国家だというイメージを持っていましたが、365日光り輝く都市の裏では、深夜2時まで外国人労働者が働かされていたのです。
人種差別が今も色濃く残っていることにも衝撃を受けました。
これをきっかけに、「この世の中に僕が見たい景色を見せてくれる場所はない。見たい景色を見るなら自分が作り上げるしかないんだ」と強く思うようになりました。
こんな世界があればいいな、こんな景色が見たいなと思っているものは、現在には存在しない理想郷であることがほとんどだと思います。
しかしその一方で、夢物語に聞こえるかもしれませんが、間違いなく変える余地はあると思っています。
海外インターンシップに参加し現地で暮らす中で、ほんの少しであっても希望は確かにあるんだということも、同時に肌で感じました。
世界は想像以上に残酷だった、それでも
-なるほど。海外インターンシップの内容やそれによる変化を、もう少し詳しく伺ってもいいですか?
僕のインターンシップ先は外国人女性の家政婦を支援するNPO団体で、そこで働いていました。
実は東南アジアでは、女性・外国人労働者・家政婦の3つが労働環境で忌み嫌われるマイノリティなんです。そのNPO団体でボランティアで支援を行っている方もいて、その方たちも外国人労働者の家政婦でした。
彼女たちは20年前にシンガポールに働きに来た際NPO団体に助けられた経験を持っていたのですが、そんな彼女たちにどうしてそんなに尽くせるのかと尋ねると、「私たちも助けられたから。誰かを助けることが自分の幸福に繋がっているの。」と答えてくれました。
それを聞き、お金やモノなどの物質的価値では測れない幸福があることや、人によって幅広い価値の尺度があるということに気づきました。
ボランティアはお金を持っている人や自分自身が幸せな人じゃないとできないと思っていましたが、自分を満たすことよりも他人を満たそうとする人々と出会い、確かに希望を感じました。
世界には、そうやって何かを成し遂げよう人がまだまだたくさんいる、それは確かに希望だし、自分自身もそのような希望の一つとなりたいと思った出来事でした。
-これまでの経験を活かして、今後どのようなことをしたいと思っていますか?
海外インターンシップに参加して世界の残酷さを知り、そのなかでも僕たちが作りたい未来や見たい景色は自分で実現させていかないといけないと強く実感しました。
だからこそ、実現させるためには何を大切にしないといけないか、ということを常に考え、ひたむきに走り続けたいと思っています。
海外インターンシップで目にした衝撃的な光景や外国人の状況を変えることは、地球に生きる一人の人間として、そのような経験をした自分だからこそ果たせる使命のようなものなのではないかと考えています。
チャレンジできる無数の機会、そしてそれを応援してもらえる環境
(現在アイセック・ジャパンの事務局を一緒に運営するメンバー達と)
-「アイセックならでは!」といったものがあれば教えてください!
チャレンジする機会が無数にあることだと思います。アイセックの理念である「平和で人々の可能性が最大限発揮された社会」の実現に向けて、実らせたい成果を達成する環境には恵まれていると思います。
そしてさらに印象的なのは、そのように「若者が挑戦している」ということに、大人や社会が「おもしろい」「応援したい」と思って手を差し伸べてくれることです。
"Youth"という代名詞を通じて社会が耳を傾けてくれるのは、「若者の固有性」だなと感じます。
そして、そうやって社会でご活躍されている方々とのご縁が多いのも、アイセックで活動するからこそなのではないかなと思います。
-最後に、この記事を見ている方々にひとことお願いします。
たとえどれだけ現実や世界が残酷でも、目を背けないでいたいと僕自身は思っていますし、そう思ってくれる人と活動をしたいとも思っています。
どれだけ思い通りにならないことがあっても向き合い続け、他者との対話を続け、新たな道を切り拓いていく姿勢がアイセックメンバーには求められています。
そんな姿勢を大切にできる皆さんと一緒に活動できることを、楽しみにしています。
アイセック・ジャパンではTwitter・Instagramも運営しています。
ぜひフォロー・いいねをお願いします!