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【速報】OpenAIの新モデル:OpenAI o1 シリーズ「AIの進化、新たなステージへ」

この記事では、推論能力に特化したOpenAIの新モデル「OpenAI o1」について実際に使用した結果を詳細に分析します。これまでの最新モデルであったChatGPT 4oモデルと比較して、推論能力の性能がどれほど向上したのかに焦点をあてます。

日本時間の9月13日に、これまで苦手としていた推論に特化したモデルがOpenAIから発表されました。

ChatGPT o1-preview:推論特化、思考時間長め、週50メッセージの制約
ChatGPT o1-mini:推論得意、思考時間短め、1日50メッセージの制約

※OpenAIはこれらの制限を引き上げるように取り組んでおり、ChatGPTが与えられたプロンプトに対して自動的に適切なモデルを選択できるようにする予定です。

ChatGPT PlusやTeamユーザーなら、今すぐChatGPTでo1-previewとo1-miniの両方を体験できます。o1-miniは、無料でも今後利用できるようになるそうです。


OpenAI o1 シリーズの概要

OpenAIは、複雑な問題解決能力に優れた新しいAIモデルシリーズ「OpenAI o1」を発表しました。このシリーズは、回答を返す前に時間をかけて思考するよう設計されており、科学、コーディング、数学などの分野において従来のモデルよりも複雑なタスクをこなし、難しい問題を解決することができます。

o1シリーズの特徴:

  • 複雑な推論能力の向上: 回答を返す前に、人間のように問題についてじっくり考えるように訓練されています。

  • 高度な問題解決能力: 物理学、化学、生物学などの難しいベンチマークタスクにおいて、博士課程の学生と同等の成績を収めています。また、数学とコーディングにも優れており、国際数学オリンピック(IMO)の予選では、GPT-4oが正答率13%だったのに対し、o1は83%の正答率を達成しました。

  • 安全性への配慮: 推論能力を活用した新しい安全トレーニングアプローチを採用し、安全性と整合性に関するガイドラインを遵守するように設計されています。

o1シリーズのモデル:

  • o1-preview: 広範な知識と強力な推論能力を備えた、より大規模なモデル。

  • o1-mini: o1-previewよりも高速かつ安価なモデルで、特にコーディングに効果的。

利用方法:

  • ChatGPT PlusとTeamユーザー: ChatGPTでo1-previewとo1-miniの両方のモデルを利用可能。

  • ChatGPT Freeユーザー: o1-miniのアクセスを計画中。

参考文献:https://openai.com/index/introducing-openai-o1-preview/

検証:推論能力を比較するための質問文

以下の質問文をこれまでのモデルであるChatGPT 4oと、新しいモデルであるChatGPT o1-preview、ChatGPT o1-miniに解いてもらい、その結果を比較します。

日本、中国、ドイツ、韓国の4カ国が野球の総当り戦を2回行った。1回目と2回目の順位について次の情報を得た。ただし、同じ順位のチームはない。

Ⅰ 2回目の日本、中国、韓国は、1回目よりも順位が上がった。
Ⅱ 日本は1回目4位であった。

2回目の順位を報道したいが、次のうちどの情報が加われば順位が確定するか。

ア 韓国は2回目1位であった。
イ ドイツは2回目4位であった。
ウ 2回目は中国は日本よりも順位が高かった。

選択肢
A. アだけ
B. イだけ
C. ウだけ
D. アとイ
E. アとウ
F. イとウ

モデル:ChatGPT 4oの回答と結果

特徴:様々なタスクに最適
思考時間:2秒
結果:不正解

この問題を解決するために、まず与えられた情報を整理し、順位を確定するための条件を分析します。

### 既知の情報:
- 4カ国:日本、中国、ドイツ、韓国
- 1回目と2回目の総当たり戦
- 1回目の順位は明確にされていないが、日本は1回目で4位。
- 2回目の順位では、日本、中国、韓国の順位が1回目より上昇している。

この条件から、1回目の順位を仮定して考えます。

### 1回目の順位:
- 日本は1回目4位なので、1回目の順位は以下のようになります。
1位:?
2位:?
3位:?
4位:日本

ドイツについての情報は現時点ではないので、ドイツが1位、2位、3位のどこかにいた可能性があります。

### 選択肢を考慮する:

#### ア(韓国は2回目1位であった)
- 韓国が2回目1位という情報があると、韓国の順位は1回目より上がる必要がある(Ⅰの条件)。したがって、1回目の韓国の順位は1位ではなく、2位か3位になります。

#### イ(ドイツは2回目4位であった)
- ドイツが2回目4位だとすると、1回目の順位より下がった可能性が高いです(なぜなら、上がったのは日本、中国、韓国だけだから)。ドイツは1回目で1位か2位だったと推測できます。

#### ウ(中国は2回目、日本よりも順位が高かった)
- 2回目で中国が日本よりも上位であったという情報があると、日本の順位は中国より下になることが確定します。

### 選択肢の分析:
- ア(韓国が1位)だけでは、日本、中国、ドイツの順位がまだ不確定。
- イ(ドイツが4位)だけでは、韓国や中国、日本の具体的な順位は確定しない。
- ウ(中国が日本よりも上)だけでは、まだ韓国やドイツの順位が不確定。
- アとイが組み合わさると、韓国が1位、ドイツが4位が確定するので、日本と中国の順位も特定できます。

よって、**選択肢D. アとイ**が最も適切であり、この情報が加われば2回目の順位が確定します。

モデル:ChatGPT o1-miniの回答と結果

特徴:速度重視で推論
思考時間:15秒
結果:正解

与えられた情報を整理しましょう。

第一回戦の順位:ドイツ
中国 または 韓国
韓国 または 中国
日本

第二回戦の条件:日本、中国、韓国はそれぞれ順位が上がった。
日本は4位から1位、2位、または3位に上がる。
中国と韓国はそれぞれ前回よりも上位に上がるため、中国は1位または2位、韓国も1位または2位に上がる。
ドイツは前回1位だったが、第二回戦では順位が変動する可能性がある。ただし、第一回戦の順位から第二回戦でも4位であることが既に確定しています。

可能な第二回戦の順位:
中国
韓国
日本
ドイツ

または
韓国
中国
日本
ドイツ

追加情報の効果:ア. 韓国は第二回戦で1位であった。
これが真であれば、第二回戦の順位は「1位:韓国、2位:中国、3位:日本、4位:ドイツ」と確定します。
イ. ドイツは第二回戦で4位であった。
これは既に第一回戦の情報から第二回戦でも4位であることが確定しているため、追加情報としては意味がありません。
ウ. 第二回戦では中国が日本よりも上位であった。
これは既に第二回戦の順位が「中国が1位または2位、そして日本が3位」であるため、特に順位を確定する助けにはなりません。

したがって、選択肢アのみが第二回戦の順位を確定するための有効な追加情報となります。

答え: A. アだけ

モデル:ChatGPT o1-previewの回答と結果

推論を重視
思考時間:36秒
結果:正解

問題を整理すると、次の情報が与えられています。

**既知の情報:**
- Ⅰ:2回目の日本、中国、韓国は、1回目よりも順位が上がった。
- Ⅱ:日本は1回目4位であった。

**求めるもの:**
追加情報のどれを加えれば、2回目の順位が確定するか。

**追加情報:**
- ア:韓国は2回目1位であった。
- イ:ドイツは2回目4位であった。
- ウ:2回目は中国は日本よりも順位が高かった。

**解答手順:**
まず、1回目の順位の可能性を考えます。
日本は1回目4位で確定。他のチーム(中国、韓国、ドイツ)の順位は1~3位のどれかで、重複はない。
1回目の順位の全パターン(中国、韓国、ドイツの順位の組み合わせ)は6通りありますが、情報Ⅰにより、2回目で順位が上がるのは日本、中国、韓国のみです。
しかし、1回目に1位だったチームが2回目で順位を上げることは不可能なので、1回目に1位だったチームは除外されます。その結果、可能な1回目の順位は以下の2通りとなります。

**パターン1:**
- 1回目:ドイツ1位、韓国2位、中国3位、日本4位
- 2回目:韓国1位、中国2位、日本3位、ドイツ4位

**パターン2:**
- 1回目:ドイツ1位、中国2位、韓国3位、日本4位
- 2回目:中国1位、韓国2位、日本3位、ドイツ4位

次に、追加情報がどのように影響するかを考えます。

- **ア(韓国は2回目1位)**:パターン2では韓国は2位なので、この情報によりパターン1のみが可能となります。
- **イ(ドイツは2回目4位)**:どちらのパターンでもドイツは4位なので、順位を確定することはできません。
- **ウ(中国は日本より順位が高い)**:どちらのパターンでも中国は日本より上位なので、順位を確定することはできません。

**結論:**
追加情報ア(韓国は2回目1位)を加えると、2回目の順位がパターン1に確定します。

**したがって、正しい答えは「アだけ」です。**

**答え:アだけ**

GPT4o・o1-preview・o1-miniの比較結果

同じ問題に対する三つのモデルの回答を詳しく分析し、推論レベルを比較します。

思考時間
思考時間は、以下の通りです。GPT4oが最も早く、o1-previewが最も遅いです。o1-miniはo1-previewより二倍以上の速いです。

  • GPT4o:2秒

  • o1-mini:15秒

  • o1-preview:36秒

推論能力
推論能力は以下の通りです。

  • GPT 4o: 問題を丁寧に整理し、仮定に基づいて推論を進めていますが、その仮定が不確かであるため、最終的な結論が誤っています。推論の過程もやや冗長で、効率的ではありません。

  • o1-mini: シンプルで効率的に問題を解決しています。推論の深さにはやや欠けますが、正しい結論に達しています。

  • o1-preview: 全パターンを詳細に検討し、最も深い推論を行っています。時間をかけて問題を分析していますが、正確性を確保した上で正しい結論に至っています。

評価
GPT 4oは結論を誤っているため、新しいモデルに比べて推論能力が劣ると言えます。o1-previewは、o1-miniと比較して無駄のない論理展開が特徴的です。1回目の順位パターン分析から選択肢検討まで、一貫して論点に集中しており、より効率的かつ深い推論を行っています。
o1-previewは情報を効率的に使い、論理的に正しい結論を導き出す、非常に精緻な推論能力を示しています。o1-miniも最終的には正しい結論に達していますが、o1-previewの方が無駄がなく、情報整理に基づいた結論であるため、より高次の論理的推論能力を持つと評価できます。

結論:最適なモデルを選び、AIを最大限活用しよう!

今回の検証から、各モデルの特徴が見えてきました。

  • ChatGPT 4o: 推論を必要としないタスクに最適!シンプルかつスピーディで、分かりやすい回答が魅力です。

  • o1-mini: 簡単な推論ならこれで十分!o1-previewに迫る精度でありながら、スピーディーな回答が魅力です。

  • o1-preview: 高度な推論が必要な場面で活躍!論理的な思考で複雑な問題も解決に導きます。

あなたの目的に合わせて、最適なモデルを選び、AIの力を最大限に活用しましょう!

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