リリアと太一 / 第3話
エピソード1は以下のページから見てください。
その後の日々は、予想外のドタバタが続いた。リリアの料理は、キッチンの大惨事の元凶と化した。朝食の焦げ付いたパンケーキ、晩御飯の激辛スープ。彼女の料理がテーブルに並ぶと、オレの胃はぎゅっと締まった。
※上の記述は後で膨らませる予定です。
リリアと太一が生活を共にする中でだんだんと仲良くなっていく記述は一旦おいておいて、いきなりエッチなエピソードに入ります!爆
冒頭とサビがいい感じにできれば他のエピソードを書く際にもやる気が出るはず、という算段です。
エピソード4:(前半)
これはリリアと太一の共同生活が始まって慣れてきた頃のちょっとしたお話。
「太一くん、この部屋、きれいにしましょう!」
リリアが満面の笑みで唐突に切り出した。
オレは突然の提案にその意味を図れずにいたが、彼女の可愛い素ぶりに無下にも断れず、どう言い訳しようかあれこれ考えているうちに勝手にリリアが掃除をし始めた。
(や、やばい!)
「リリア、そ、その本棚は触らないでくれ!」
と太一が珍しく大きな声で制止する。
「ええ?でも、ここホコリだらけだよ?」
彼女は不思議そうに言った。
可愛らしく首を傾げるジェスチャー付きだ。
部屋の本棚の奥には、隠しているエロ本のコレクションがあった。それを彼女に見つかるわけにはいかない。
「いや、それは... あの...」
言葉に詰まる太一をよそにその返答を待たず彼女は本棚に手を伸ばした。
「リリア、ちょっと待って!」
太一が駆け寄り彼女の手を引っ張った。
その瞬間、リリアはつまずき太一の方へ倒れてきた。太一もバランスを崩し彼女を下敷きに倒れ込む。
「きゃっ!」
リリアの悲鳴と共に隠れていたエロ本がバラバラと音を立てて床に落ちていく。
「太一くん、これ、、何?」
彼女が目を丸くして尋ねる。
太一は顔を真っ赤にして答える。
「そ、それは... うーん、研究...資料、的な?」
「研究?」
彼女が不思議そうな顔で見つめる。
「うん、男女の、えっと、関係の...研究だよ!」
太一は必死にごまかした。
「ふーん」
それを聞いたリリアはしばし考え込んだ後、
「じゃあ、一緒に研究しよう?」
そう言ってにっこり笑った。
唐突な思いがけない展開だった。
太一は戸惑った。
一瞬のうちにこの後の展開を妄想し、それを必死に否定して、そしてまた妄想して。
彼女の無邪気な好奇心が、彼の胸の奥に住まう黒い欲望をむくむくと刺激する感覚と、同時に湧き上がる罪悪感に太一の心は揺れた。
あれこれ考えているうち結局反対する言葉を見つけることができなかった太一は、彼女と一緒にその本を開き、言われるがままに研究なる作業を始めることになってしまった。
「太一くん、これは何?」
リリアが次々と質問を投げかけてくる。
「それはね、こういう意味だよ」
太一は慎重に言葉を選びながら説明した。
エロ本という教科書を前に彼女の純真無垢な質問に答えるのは内心ヒヤヒヤする作業だったが、心が洗わられる感覚を呼び起こすとても新鮮で楽しいものでもあった。
しかし、徐々にリリアの質問はより核心をついたのものになっていった。つまり男女の愛の共同作業はなんなのか?どうやるのか?という質問だ。
「太一くん、これはどういうこと?」
彼女が指差すイラストを目にした太一は、その時心臓が大きくゆっくりと動いたのを感じた。
リリアが指していたのは本の中のある1ページのあるポーズ。それは、制服姿の女性と裸の男性が向かい合って絡み合っているシーンだった。
「え、それは」
太一が言葉に詰まる。
「ちょっと特別な意味があるんだ。でも、リリアにはまだ早いかも…」
そう太一が言い終わる前、その言葉に被せるように彼女が口を開いた。
「あ、そういえば」
リリアはこれまたアニメキャラみたい手のひらに力拳をポンと当てて、自らも「ぽんっ」と口で発した。
「だんぼーるっ!だんぼーるぅ!」
周りをキョロキョロと見まわす。
部屋の隅においてあったかつて自分が配送されてきた際に包まれていたダンボールを見つけると走り寄り、その中に手を突っ込みガサゴソと底の方をあさる。
ニコッと微笑んだかと思うと可愛いピンク色の箱を取り出した。
太一もそれをみて近くに歩み寄る。
箱を開けると中、そこには新品のセーラー服が綺麗に折りたたんであった。
太一の心臓が深い音を奏でた気がした。
「よし!」
リリアはそれを丁寧に取り出すと、間をおかずにその時来ていた白いワンピースを脱ぎ始めた。
「あ、え!?なにしてるの?!」
驚く太一を尻目に、いつもの微笑みを湛えながらもリリアは恥ずかしげもなくそのセーラー服に着替え始める。
慌てて後ろを向く太一。
着替えるリリアを背中に、太一は動揺を必死に抑えながら状況を理解しようと努める。
彼女がなぜかセーラー服を持っていたこと、それを今、太一の前で着ようとしていること。そして、そのセーラー服はかつて太一が通っていた高校のセーラー服であったこと。
「着替えったよー♪」
節をつけたセリフで完了を告げるリリア。
振り返るとそこに、セーラー服を身に纏い、これ以上ない可愛さと愛らしさを湛えたリリアが佇んでいた。
「リリア、それは…どうして?」
彼は声を震わせて尋ねた。
彼女はにっこりと笑って答えた。
「これで一緒に練習できる、でしょ?」
太一の心は期待と戸惑いに高鳴った。
思えばリリアがこの家に配送されてきたこと自体が非現実的だった。
この展開は太一の現実感をより希薄にさせた。
彼女の真剣な様子とその笑顔に、太一は彼女のリクエストを断ることができなかった。
つづく。