今更「神っぽいな」の考察

今更考察、というか、ずっとこの曲についてぼんやり思うところがあったので、それを今更言語化したい。

まず、記事の書き始めの時点では、この曲の本質を「作品とその評価の一人歩きに対する風刺」だと考えている。
つまり、作品の表面上のみの理解、その上での二次創作、二次利用に対する警鐘である。
キャッチーなメロディーで、韻踏んでて耳触りが良くて、みたいな理由でバズって、あるいはこれはまだ良い方で、みんな踊ってるからって理由で、誰かが切り取った誰かの作品の一部で、よく知らないけど踊りた〜いバズりた〜い……こういう行為に対する嘲笑の歌かな、と。

この見解が正しいかどうか、細かくみていこうと思う。

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ゴーンゴーン
oh my GOD

愛のネタバレ 「別れ」っぽいな
人生のネタバレ 「死ぬ」っぽいな
なにそれ意味深でかっこいいじゃん…
それっぽい単語集で踊ってんだ 失敬

愛にはいつか別れがくる、人生にはいつか死が訪れる。
って(当たり前の)ことを
🥺「ネタバレ」って言葉で表現するの、意味深でかっこいいじゃん…神っぽいな…
(🥺←これは「信者」。全肯定の民。「"神"っぽいな」という歌のMVの女の子が修道女みたいな格好してるのは、まさに"信者"の表現かな、と。)

ここまではいいとして、最後の行は誰の台詞?作り手?受け手?信者の語彙に「失敬」はそぐわない気がするから作り手かなぁ。これがもし、"作り手一般"じゃなくてピノキオピーの台詞だったら潔すぎて良いよね。今からいろいろ言うけど全部それっぽいだけだよ、失敬🫡って話なら面白いけどまあこれは余談にすぎないかなあ。

ここで「踊る」という表現が使われてるのも気になる。

愛のネタバレ 「別れ」っぽいな
人生のネタバレ 「死ぬ」っぽいな
すべて理解して患った
無邪気に踊っていたかった 人生

エピローグというか最後の一行でも使われている。
無邪気に楽しめない病気を患ったっていうのは、信者の逆?
「すべて理解」は「メタ思考」に通じるのかも。

メタ思考する本質は悪意? 人を小馬鹿にしたような作為

ここの語りの部分が本音な気がする。
韻踏んで誤魔化されてるけど結構エグいことを言ってるのでは?

聴いてる時、ピノキオピーは「メタ思考=悪意」として捉えてるのか、そう言われちゃったらこちらからはなんも言えねえな、と震えたのだけど、「?」が付いてるから、これは濁されてるのか、反語的な否定なのか。続く一節は「小馬鹿」にしてると断言してるから、濁されてるだけなのかも…。

無為に生き延びるのは難しい 権力に飲まれて揺らぐ灯り
神を否定し神に成り代わり 玉座で豹変する小物達
批判に見せかけ自戒の祈り Do you know? 

ここがめちゃくちゃ難しい。
最後に回した。

人間みんな、生きがいとか承認への欲求がある。生きる意味とか自分への肯定が欲しい。
「「権力=スターの人気」にたてつく者=灯り」が飲まれて揺らぐ?
「灯り」の解釈が分からなかったけど、最後まで読み込んだ私なりの結果は↑これ。

神=スターを批判して否定して自分が成り代わったら豹変。この"豹変"を最初は"元のスターと同様になる"という意味でとっていたけど、"途端に何も批判しなくなる"って意味にとるのもいいかもしれない。「批判に見せかけた自戒」だから、、。
外野にいるときは威勢のいいこと言っていても、内野に入ったら急にしおらしくなって反骨精神が抜けてる、みたいな。


何言ってんの? それ ウザい 何言ってんの? それ
意味がよくわかんないし 眠っちゃうよ マジ 
飽きっぽいんだ オーケー みんな 飽きっぽいんだ オーケー
踊れるやつ ちょうだい ちょうだい ビーム

と、本音を言ったところで、意味わかんねえだろうな、踊れるやつがいいんだろ、という皮肉。
流行っては廃れていく作品の数々。

とぅ とぅる とぅ とぅ とぅる "風"
とぅ とぅる とぅ とぅ とぅる "風"
とぅ とぅる とぅ とぅ とぅる "風"
ぽいじゃん ぽいじゃん
とぅ とぅる とぅ とぅ とぅる "風"
とぅ とぅる とぅ とぅ とぅる "風"
とぅ とぅる とぅ とぅ とぅる 
神っぽいな

歌詞に「とぅ とぅる」って書いてあるのは初めて見た。こういう斬新さ、っぽいじゃん、かっこいいじゃん、神っぽい!🥺ってことかな。

もういいぜ もういいぜ それ  
もういいぜ もういいぜ 逆に興奮してきたなあ
おっきいね おっきいね 夢
おっきいね おっきいね
景気いいけど 品性はTHE END
うええい うええい

“ Gott ist tot " 

身の丈に合わないこと言ってる小物達、威勢いいのは結構だけど奥ゆかしさもなんもねえな。しつこいな、逆に楽しいな。

↑これは信者とは別のタイプの受け手だ。MVの女の子の舌ピの部分かも。
最近シャ…ル×コム…ット、東海オン…ア×スカイ…ースが炎上するとかいう面白い事件があったけど、よく知りもしない人のことをよくもまあそんな話題にできるなと思った。YouTubeのチャットが荒れたのはまあ分かるとしても、乗っかって叩いてみる人の多いこと多いこと。

結局発信する側も受け取る側も品性が終わっている。

神は死んだ。絶対的スターはいない。神っぽ〜い人がいっぱいいる。神の普遍化。

神っぽいな それ 卑怯 神っぽいな それ "My God" 
アイウォンチュー ウォンチュー IQが下がっていく感じ

信者さん側。批判を知らない。考えてない。


邪心ぽいな それ 畢竟 邪心ぽいな それ "My God" 
アイヘイチュー ヘイチュー 害虫はどっち

なにも知らないで批判する人達側。

その髪型 その目 その口元
その香水 その服 そのメイク 
アレっぽいな それ 比況 アレっぽいな それ
その名言 その意見 その批評
そのカリスマ そのギャグ そのセンス 
神っぽいな それ 卑怯 
ぽいな ぽいな ぽい 憧れちゃう!
きっしょいね きっしょいね それ
きっしょいね きっしょいね
逆にファンになってきたじゃん
ちっちゃいね ちっちゃいね 器 
ちっちゃいね ちっちゃいね
天才ゆえ孤独ですね かっけえ… かっけえ…

でそういう両者が渾然一体となってそれはいい、あれはダメって決めつける。
みんなが神って言ってるものはじゃあ神なんだろって感じで祭り上げられる。
それまで批判していたものも、一度認められ始めたら、天才だから分かってこられなかったんだねって、全肯定になる。

信者も批判厨も「神っぽい」ものに対しては全面肯定。

“Gott ist tot"

神っぽいな それ 卑怯 神っぽいな それ  "My God"
超健康 健康 言い張って くたばっていく感じ
ヤケっぽいな それ 畢竟 ヤケっぽいな それ "My God" 
もう哀愁 哀愁 エピゴーネンのヒール
そのタイトル その絵 そのストーリー
その音楽 その歌 そのメロディ
アレっぽいな それ 比況 アレっぽいな それ
その名言 その意見 その批評
そのカリスマ そのギャグ そのセンス 

ここで気になるのはやはり「神は死んだ」の引用と、「エピゴーネンのヒール」。

エピゴーネンはオリジナリティに欠ける人のこと=二次創作者、二次利用者。
ヒールは👠かもしれないが、前後の歌詞からして「悪役」の意味にとるのがいいように思う。
ヤケ、哀愁、畢竟=最後には悪役だった批判厨も信者側になる…!?おっ!?これでは?

なんとなくだけど。
ピノキオピーはもうボカロ界の神になってるという前提で、「神は死んだ」の引用を行うところを見ると、自分に対する期待値の上がり方に対してやめてくれよって言おうとしているんだったり。するのかもしれない。それか、神「っぽい」ってだけで、お前ら俺の歌なんも分かってねんだよ、っていうルートだったり、、。いや、妄想が広がりすぎたか。

神っぽいな それ 卑怯 
ぽいな ぽいな ぽい 憧れちゃうわ!

と、ビャーーっと自分の世界を広げすぎたところで、やっと最後まで来ましたが、「憧れちゃうわ!」にヤケ感が溢れまくっていて、こっちもなんか馬鹿らしくなりました。

おしまい。

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