見出し画像

空虚の時間

今では、ほとんどしていないが10年ほど前はよく一人旅をしていた。
といっても海外などに行ったことはなく、半径1000km以内である。
今日は、そんな一人旅の話をしよう。

ある時、連日の休みが取れた。
当時何の趣味もなかった僕。ふと大阪の日本橋に行きたい!と閃いた。
それがなぜ大阪だったのかはわからない。
駅ネットなども入ってなかったと記憶している。
みどりの窓口で新幹線チケットを購入した。暑い夏の日だった。

大阪に着いてまずは、日本橋に行ってみた。
秋葉と何も変わらないなと。違うのはエスカレーターが、左右逆であること。
周りの人間が関西弁だ。という位だろう。
10分ほどブラブラしたら、すぐに飽きた。
日本橋に行くという目的を達成した今、次の一手を見失なっていた。

僕は早々にホテルに向かう事にした。
なんというホテルだったかも忘れたが、なんて事はない普通のビジネスホテルだ。
チェックイン後、どこかに出かける訳でもなく、コンビニで買った弁当を食べていた。
場所は違えど、いつもの変わらぬ日常を過ごしていた。
何処にも出かけず、ただひっそりと。

夜になりローカルTVを見るのにも飽きた頃。
ネットサーフィンをしていた。大人のサイトを見ていた。
旅の楽しみであろう。僕は大阪の女を知る事にした。
電子海を彷徨う事、数十分。
あるお店を見つけてそこに電話してみた。
電話番の人は、関西弁ではなかった。

数十分後、部屋のドアが“トントン”と鳴った。
期待に胸を膨らませ、開けた。そこにはオッサンが立っていた。
オッサンを呼んだ覚えはない。そのオッサンは小声でこう言った。

“前金になります”
ほぉ、そういうことか。今までにも呼んだ事はあるが、全て女の子に
直接渡すタイプで、おっさんに渡した事はなかったのだ。
これが大阪の洗礼か。と。
オッサンに前金(1万数千円)を渡すとにこやかに、
“すぐに女の子来ますから”と言った。

入れ替わりに20代と思しき女の子が現れた。名前をC子としよう。
C子は奈良県人だった。こんばんはーと挨拶もそこそこに部屋に招き入れた。
時間は、23時ごろ。拘束時間は90分だったかと記憶している。
その時TVは当時の流行り番組、“あいのり”が流れていた。
ふと、C子が笑った。そこにはあるであろうモノがなかった。
通常視認できる範囲の、歯が見つからなかった。
とても驚愕したのを今でも鮮明に覚えている。

そして呼んだはいいものの、気になってしまい、
謎にあいのりを見続ける時間が流れていた。
30分ほど経ったであろうか、痺れを切らしたのかモーションをかけてきた。
舐められ、素股をされた。そして時間になった。
僕は笑顔で見送ったが、表面だけのことである。

見送った後、次なる相手を求めていた。
そう、2連チャンした訳である。2人目を呼んだのは失敗だった。
ただ、こちらが失敗と思うだけで彼女たちは仕事を全うしている。
何も悪くないのである。

ラッキースケベはそう簡単には起こらない。














いいなと思ったら応援しよう!