#5 子どもが他人に出自を話してしまったら?
提供精子で子どもを授かった方から良くご質問を受ける内容です。告知をするのはいいけど、子どもが外で他人に出自を話してしまったら・・そんなときにどうすればいいのか?をお届けします。
以前、配信した「#3 告知は何歳から?」の中で妊娠中(できるだけ早く)から始めましょうとお伝えしましたが、そんなに早くから伝えたら子どもが外で誰かに話してしまわないの?と不安になると思います。
安心してください。子どもは外では話しません・・・・・・・といいたいところですが、これは子どもによるので正直絶対ではありません。
ではどうすれば良いのでしょうか?
それは『話してしまった時、親としてどうすればいいのか』を事前に準備しておくことです。 トラブルになったらどうしようとリスクを恐れて告知を後回しにすることは、解決策ではありません。
まず一番大事なことは子どもが外で話したことに対して慌てずに、絶対に怒ったり否定したりしないことです。家でインプットしたことを子どもが自分の言葉で外でアウトプットしたということは告知がうまくいっているんだ!とまず自分たちをほめましょう!そして、同時に告知を理解してくれている子どもに対しても感謝しましょう!
たとえ仮に誰かに話してしまったとしても幼稚園ぐらいだと、それを聞いた周りはまったく理解していないことが多いので気にする必要もありません。でも、子どもの親や先生にどういうこと?と、聞かれたらどう答えるか。
その時は、親として自分の言葉で堂々と胸を張って説明すればいいだけです。
そもそも「なぜ外で話さないで欲しいか」を考えてみてください。恐らくそれは子どもや家族が他人に批判されるのが怖いからだと思います。自分たち家族がしっかり子どもに真実を伝え、家族として幸せに生活し、子どももポジティブに出自をとらえていれば周りもそれを聞いて驚くことはあっても、批判してきたりはしないと思います。
皆さんが思っている以上に世間は他人に興味がないですし、意外と受け入れてくれることが多いです。
もしかしたら、SNSやネット上で批判的な意見が多いのを見て不安になっている方もいるかもしれません。でもそこで批判する人たちは実際に提供精子で授かった子どもにしっかり真実を伝え、子どもも親も出自をポジティブに捉えている幸せな家族を知らないから批判しているのだと思います。
じゃぁどんどんオープンに話せばいいじゃん! って思われる方がいるかもしれませんが、そこは、誰にでも話すことでもないと考えています。
大切なのは、秘密とプライバシーの違いを伝えていくことです。
例えば、告知の絵本を読んだあとに、このお話はあなたとパパとママのとっても大事なお話だから大切にしようね。あなたが誰かにお話ししたいなぁって思ったらパパとママも一緒にお話しするから教えてね、と付け加えておきます。
このように付け加えることによって、あなたがうまれた事は大切なこと。話したい相手がいれば話してもいいんだよ、とポジティブなイメージになり、逆に誰にでもペラペラ外で話す内容ではないということが子どもにも伝わっていきます。
気を付けたいのは、このお話は家族だけの秘密だよ、誰にも言っちゃダメだよというネガティブな伝え方にならないようにすることです。
子どもは私たち大人が思っている以上に敏感で繊細で、そしていろんなことを考えています。 子どもだから、まだ小さいから、と大人の勝手な先入観は捨てて、子どもを信じて告知をポジティブに進めていきましょう!
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
読者のみなさんが、世界で一番幸せになる事を、こころよりお祈りいたします。
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「こころでつながる 家族をつなげる」
一般社団法人 AID当事者支援会
寺山 竜生(てらやま りゅうせい)
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