#2 告知って本当に必要なの?
今日は、これから提供精子で子どもを授かりたいと考えている方には必ず読んで頂きたい本のお話です。
『AIDで生まれるということ』
非配偶者間人工授精で生まれた人の自助グループ(著)
この本は実際に提供精子で生まれた子どもがその思いや葛藤を書いた本です。
これから治療に進みたいと考えている親側の当事者にとってはかなり厳しい言葉がならび、読み進めるのが辛くなるようなところもあります。私自身これを読んだ時は「え??そんな風に思うの?」「え?そんなこと考える?」と想像を超えた内容に言葉を失いました。
皆さん、無精子症と診断されたときどんな思いでしかた?こんな辛い思いは当事者本人にしか理解できない。どうして私が…と思った方多いと思います。
そうなんです。無精子症の苦しみ、辛さは診断された本人にしかわからないように、提供精子で生まれ、告知をされずに育った子どもの思いや辛さは当事者本人にしかわからないのです。私たち親が勝手な想像で「しっかり愛情をそそいで育てていれば、告知せずに育てて大人になってわかってしまってもきっと理解してくれるだろう。」は間違いです。
提供精子で親になろうと考えるなら、子どもも親も幸せにならなければ意味がありません。
本の中の方たちは、成人後に父親の病気や離婚などの外部的要因で出自を知り、親との関係も希薄、そんな状況の中で事実を知り、親に対して騙されたと怒りや失望、自分自身を見失い、AIDについて否定的になっている方が多いです。
「え?じゃAIDでうまれた子どもは幸せになれないの?」と思った方、それも間違いです。
そうならないようにどうすればいいのかを考えればいいんです。
子どもが物心つく前から、自発的に子どもに関心をもった状態で告知をしていけば、提供精子で産まれたことを前向きに受けとめてくれます。
イギリスでは実際に幼少から告知をうけている精子提供、卵子提供、代理母から生まれたお子さんが、自分の出生の過程を、「ユニーク」とか「特別」などとポジティブに捉えている事が分かっています。また、精子もしくは卵子提供で産まれたお子さんへの開示後の自己アイデンティティの確立の為にも、開示は早ければ、早い程良いとされています。
幼少から告知をして、出自をポジティブに捉えてもらえるようにするのか。
告知せず、我が子が偶然に真実を知ってしまった時アイデンティティクライシスに苦しみ、家族がバラバラになってしまうのか…
もう答えは一つしかありませんよね。
告知は子どもに愛情を伝えるあたたかくて楽しい時間です。 その具体的内容についてはまた後日詳しく書こうと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
読者のみなさんが、世界で一番幸せになる事を、こころよりお祈りいたします。
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「こころでつながる 家族をつなげる」
一般社団法人 AID当事者支援会
寺山 竜生(てらやま りゅうせい)
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Twitter: https://twitter.com/aid_toujisha