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#10 告知って、何回すればいいの?
最近は、告知のことをTelling(テリング)と言うことが主流になってきていますが、このメルマガではまだ無精子症と診断されAIDって何?告知って?という方々にもわかりやすく伝えるためにテリングではなく『告知』と書いてきました。
では、告知とテリング何が違うのでしょう? 告知というと1度伝えたら終わりというイメージもありますが、テリングには『伝え続ける』という意味があります。言い方は異なりますが、「告知」も「テリング」も、できる限り幼少からはじめ、成長とともに言葉をかえ、子どもが完全に理解するまで何度でも繰り返し伝え続けるという点では同じものだと思います。
親にとって、子どもに告知することは特別なイベントで、何度もシミュレーションしてその日を迎えることでしょう。そして、初めての告知は、きっと忘れられない瞬間として記憶に残り、子どもの成長とともに反応がかわってくることにドキドキしながら告知を進めていくことと思います。
一方で、子どもはどうでしょうか? 幼少から告知を受けていると告知は普段の家族の日常会話の延長にすぎず、特別なことは特にありません。子どもは、毎日たくさんの事を経験し、新しいお友達、新しい遊び、初めてみる景色など日々の出来事で頭の中はいっぱいになり、告知のことなどすぐに忘れてしまいます。だからこそ、子どもが忘れる前に繰り返し告知することが大切になります。
では、繰り返しとは、どのぐらいの頻度で? どんなきっかけで?実施すればよいのでしょうか? 子どもが、絵本ブームの時に何度も「この絵本読んで」と、告知の絵本をもってきてくれれば簡単ですが、そううまくもいきません。ブームがすぎれば告知絵本は本棚の隅に追いやられてしまいます。 もしかしたら、ブームどころか絵本自体に興味を示さないお子さんもいらっしゃいます。
でも、そんな時は親が日常の中で少しだけ意識して「告知のタイミング」を探せば難しいことはありません。まずは子どもが今興味をもっているものが何か考えてみてください。
昆虫が好き、シマジローにはまっている、お人形さんやごっこ遊び… これどれも告知につながっているんです。
例えば、カブトムシ。 幼虫から育てたいと思う男の子って多いですよね?そんな時カブトムシのタマゴ→幼虫…と成長過程を説明したあとに「じゃぁ、〇〇くんはどうやって生まれたか知ってる?」と続けてみたり。 シマジローの妹のハナちゃんが産まれた時や、おままごとでお人形の赤ちゃんのお世話をしている時に、ちょっとだけ意識していれば自然と出自の話につなげることができます。日常には、こどもが興味のあるもので親の言葉で直接伝えるチャンスがたくさんあるんです。
最近、我が家ではクイズブームの5歳の娘がクイズだして~とよく言ってくるので、クイズの中に「〇〇ちゃんはパパのタマゴからうまれたでしょうか?!」という問題をまぜてみたら「ちがーう!親切な人とママー!その問題簡単すぎる!」と言われました。笑
子どもの年齢によって頻度や伝え方は変わりますが、親が最近出自の話していないな、と思ったら少し意識してタイミングを探してみてください。子育てに追われついつい忘れがちになってしまいますが、子どもの記憶にしっかり根付くまでは、日々のなかで意識して1~2か月に一度くらいは話題にだすぐらいの気持ちでいるといいと思います。
この記事を読んで、最近いつ出自の話したっけ?と思いだすキッカケになればうれしいです。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
読者のみなさんが、世界で一番幸せになる事を、こころよりお祈りいたします。
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「こころでつながる 家族をつなげる」
一般社団法人 AID当事者支援会
寺山 竜生(てらやま りゅうせい)
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